The Moment Before Epilogue

 それは見つめていた。


 ただ見ているだけだ。


 余計なことはしない。してはならない。


 これ以上手を加えることなど許されるはずがない。


 それは失敗してきた。何度も、何度も。


 ただ苦しみを生み出すだけの失敗作を量産しただけだ。


 自らが施す一切は歪みを生む。


 痛いほどに思い知らされてきたそれは、悩み続けていた。


 するべきか、せざるべきか。


 選べるのは、ただひとつのみ。


 片方を選べば、もう一方は潰えてしまう。

 



 そしてそれは、選択した。





 

 もう二度と、歪ませたりなどしないと。

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