彼女の視点

 青白く光るウミガメの背を追う。砂浜に足跡を刻む。五本の棒は喜びの声を響かせた。しかしやがて彼らは失敗に気づく。一本の棒は責任をとると言った。イルカは反対したが、それは残る三本の棒が拒んだ。青白く光るウミガメの背を見つめる。何十万年、何百億年の徒歩。そのまま一本は『忘れて』と叫んだ。ウミガメはそのまま空を飛ぶ。その体に漆を湿らせながら。それでも飛んでいくのだ。どうか隠されますように。どうか見つかりませんように。どうか彼女に救いがあるように。涙が乾ききった頃、一本はまた、歩き始めた。

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