第2話 地獄の船

 即興小説トレーニングで書いた物です。

 第二話

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 お題:地獄の船


 ――おっと、お待たせしたねぇ。

   どちらまで運びましょうかい。


 ――そういや今回は、どういった理由で?

   なるほどねぇ……。


 ――最近は、やけにそういった理由で運ばれる事が増えたみたいで。

   まあ、うちらはこれが仕事なもんで、かまいやしませんがね。


 ――ただ、なかにはまだ若い身空でこちらに来る、なんてのも増えましたね。

   そんなに生きにくい世の中なんですかね。


 ――罪を背負う前に、世を儚み、身を投げる。

   そんな、生き難い世にした愚か者たちが、世にのさばる。


 ――はてさて、あの世とこの世。

   一体、どちらが地獄なのやら……。


 ――まあ、うちらは、船を渡すだけですがね。

   六文、確かに。


 ――あんたの前世に何があったのか、興味はありやしませんが。

   願わくば、早々に顔を合わせるような事にはならないように、祈っておきますよ。


 ――誰に、って……決まってるでしょう。

   地獄の閻魔様に、ですよ。

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短編集 ワルク @tepu

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