嘘吐きが哂う間

気が付くと、知らないところにいた。おそらく、知らないところだ。おそらくとは、何も見えなかったからだが、視界が奪われる様な場所に心当たりは無かった。何も見えないが、どうやら1人の女と共に閉じ込められたようだった。とにかく脱出しなければならないが、手足は拘束されている。女が言うには、この部屋に自分達を閉じ込めた犯人からの手紙に、脱出するためのいくつかのルール・・・それも理不尽なルールが記されているらしかった。強い頭痛と吐き気、視界が奪われているせいか、身体の感覚までおかしくなっているようだったが、脱出するために女と協力して部屋を調べることにしたのだった。