【十】


 超速新幹線も新浜松を過ぎたあたりからネコの様子がおかしくなり始めた。


 あかりは事あるごとに火花を散らすジュディとネコの間に挟まって、なんとかコミュニケーションを取るべく、四人向かい合わせで座っていた。

 最初窓側にみつるとネコ、通路側にあかりとジュディという配置だったのだが、発車して十五分もするとあかりに、

「ちょっと席変わってくれ」と言い出した。

 いいよ、と軽く応じたあかりだったが、どうもネコの顔色がよくない。

 浅黒い顔が蒼くなったせいで蒼黒くなっている。

「――ネコちゃんどしたの?顔色悪いよ」

 なんでもない、と素っ気なく応じたネコだったが、やはり様子が変だ。通路側にいるのに窓外の方をちらっと見ては顔を背けるという動きを繰り返している。

 まさか、と思ったあかりだったが、例の袋あったかな、と手元を探り出したところで、

「ちょっとトイレ」ネコが立ち上がろうとした。

「大丈夫?ついていこうか?」あかりが声をかけた。

「だいじょう……ぶっ!」手で口を押えて通路を小走りに駆けだした。あかりも立ち上がって後を追った。

 みつるがぽかんと口をあいて見送った。

「超速新幹線で酔うひと、ってあんまいなくない?」

 通路の反対側のマイコが開いたトランプを持ったままネコを見送って言った。

 だよねえ、と言ってみつるは窓側を見た。窓の縁に乗っているペットボトルは動いておらず、中身の水面がかすかに波だっているだげだった。

「ネコちゃん、弱点見っけ」

 ジュディが素知らぬ顔で言った。


 不覚だ。

 ネコはトイレで便器を抱えてえずきながら自己嫌悪していた。激しく咳き込む。

 自分が高速で動く分にはなんの問題もないのだが、自分が停止していて風景が超高速で動いているという経験がなかったため、神経がついていけないのだった。

 国にはこんなものなかった。

 もたもた走る列車。ラパスへ向かうバス。歩きと同じ程度の速さの荷馬車。

 車でもバスでも国の山間部を通る時、その揺れたるやひどいものだった。山道のカーブの連続と揺れのひどさでどんな観光客でもたいていは音を上げた。

 道端でうずくまり反吐を吐いて毒づく、そんな観光客を見るたびに、軟弱な奴らだ、と蔑んでいたのだ。


 その自分がこのざまだ。苦笑した。

 馬鹿にされているだろうな。いつだってそうだった。


 まあ汚い。裸足だわ。

 靴を買うお金がないんだよ。めぐんでおやり。


 ――偽善者どもが。


 うぷ。またこみあげてくる。ひとしきり吐いたせいでもう胃液しかでてこない。

 すっぱく苦い唾を吐いて、手繰った紙で涙をぬぐい、口を拭き、鼻をかんだ。ちくしょう。こんな所で。なんてざまだ。

 水を流し、中腰になったままドアを開けた。


 目の前の通路にあかりがしゃがんでいた。

 中腰になっていたせいで顔と顔がまともに向き合う形になった。


 潤んだ目を見られたくなくて、目を逸らしてしまった。

 くそ。なんで負けたような気になってしまうんだ。

「大丈夫?これ使って」

 中腰になって濡れたハンドタオルを差し出した。「顔拭いてみて。少し気分良くなるよ」

 ふいを突かれて受け取ってしまった。

「あ……あり、がと」思わず言った。どうしてだ。わたしは何を言っているんだ。

 顔を拭いた。冷たい感触が気持ちいい。

「あとこっち、洗面所あるから」肩を抱かれて支えられた。戸惑った。

「冷たい水持ってきたから、うがいしてからこれ飲んで」

 ペットボトルを差し出す。つい目を見てしまった。


 屈託のない、やさしい笑顔。

 哀れみも、嫌悪も、侮蔑も、そこにはない。

 なんで恥ずかしいことを考えていたような気がしてしまうんだ。ネコは困惑した。


 いざなわれるままに洗面所で顔を洗い、うがいをした。借りたタオルで顔を拭く。

 あかりがペットボトルの栓を開け、差し出した。

 ひと口、もうひと口。冷たい水の感触が焼けた喉に心地いい。落ち着いてきた。

 改めてあかりの顔を見た。

 変わらない笑顔がそこにあった。


 なぜだ。

 波動の強さからして、相当の能力者の筈だ。もしかしたら、ジェン様よりも強いかもしれん。

 それなのに、なぜこんなにも素直で、屈託のない笑い方ができるんだ。

 わたしは。

 わたしは。


「なぜ」口をついていた。

 え? とあかりが訊いた。

「……なんでもない」言って顔を背け、また水を飲んだ。一口含むたびに落ち着きが戻ってくる。

 気が付くと新幹線の通路は静かだった。目を向けた先に見えるドアの向こう側から生徒たちの声がかすかに聞こえてくるだけだ。

 あかりと居て、なぜか安心している自分に気が付いた。

 なぜだ。この娘がなんだと言うのだ。


 そうだ、ジェン様。わたしには役目があるんだ。

 でも。


 首を振った。仕事だ、仕事を忘れるな。

「少し顔色よくなったね。誰にでも苦手なことあるもんね」

 あかりが言って、また笑う。


 なにか言うべきだ。うるさい、でも黙れ、でもいい。

 だが、なにも言えなかった。

 ネコが席に戻るまで、あかりは傍にいた。笑顔のまま。







 新京都から奈良までは普通の特急だ。

 窓の外は五月の抜けるような青空。ちぎれ雲が穏やかに漂っている。

 ネコは持ち直していた。普通に多少揺れてくれる電車の振動が、逆にネコを落ち着かせていた。

 席順は新幹線のときと同じだった。

 ネコは無表情に窓外を見つめている。


「ネコちゃん、もうゲロ吐かないか」通路側のジュディがあけすけに言う。

「うるさいな」ネコが窓外から目をはずさずに言い返す。少しだけばつが悪そうだ。

「なんだ、つまらないの」ぺろっと舌を出す。

「殴るぞ」

 相変わらずこの二人はもう。あかりはくすっと笑う。

 でも、転校してきてすぐの時のように、あからさまに刺のある雰囲気とは少し変わってきたような気がした。

 なんか二人で話とかしたのかな。なんとなくそう思った。


 列車が木津川を越える橋を渡る。

 空の青さを映したような青い水面みなも、河川敷は生い茂る草で鮮やかな緑、陽光を照り返す河原の石がまぶしい。

 ネコが遠くを見つめるような眼をしていた。

 その眼がなぜか少し哀しげに見えて、あかりはちょっと戸惑った。



 奈良からはクラス別に貸切バスで移動。すぐ近くの東大寺へ向かった。

 平日なので観光客はやや少なめだ。

 緑の旗を持ったバスガイドを先頭に、五メートル以上ある広い幅の石畳を三々五々歩いていく。

 左側は土産物屋や食べ物屋が並び、右は広い公園だ。松や楓の若葉が陽光に光っている。

 参道のそこここに鹿がいて、のんびりと歩いていた。

 うわあ、鹿だね、とジュディが感激した。餌をもらえるものと思うのか積極的に近づいてくる。

「柵もないとこでこんな近く見るの初めてね」鹿の顔をのぞきこむ。鹿が怪訝そうな顔で見返した。

 あたしもよ、とあかりが頷いた。


 石造りの橋を渡って、南大門の前でジュディが立ち止まる。ふんぞり返って門を見上げていた。後ろに倒れそうだ。

「ふえー、大きいね。こんなの初めて見たね」

「日本最大の山門じゃなかったかな、たしか」

 みつるも見上げながら言った。

「初めてづくしじゃ感激ひとしおね、ジュディ」

 あかりが笑った。


 大きいなグランデ、ネコにとってはそれだけの話だった。観光して回る、という習慣がないのだった。

 物心ついた頃から、腹の足しにならないことを考えている余裕は貧しい家庭にはなかった。

 はしゃいだり、撮影したりする同級生たちを見ながら、何か他人事のような目で見ていた。わたしには関係のないことだ。


「はい撮るよー、並んでー」誰かが呼んでいる。先へ行こうと踏み出したネコの腕をあかりが掴んだ。

「ほら、ネコちゃんも撮ろ。早く早く。先生に見つかっちゃうよ。みつるー! ジュディ!」

 手を振って呼ぶ。二人が駆けてくる。

 あかりに引っ張られるままに集団の中にいる。いや、わたしは――

「いくよー、はいチー、イー、ズ!」

「オッケー」

 あははは、と皆が笑う。何が可笑しいんだろう、とネコは思う。

「おーいそこ、何やってるんだ。早くしなさーい」

 担任教師の声。うわあヤバい、いこいこ、と言ってまたぱたぱたと走っていく。


 携帯が軽く振動する。歩きながらポケットから出してみる。目の前の空間に映像が映る。いま並んで撮られた写真。

 同級生たちの中に困惑した顔の自分がそこにいた。その隣で笑っているあかりも。

 自分の顔なのに、知らない誰かが映っているような気がした。



 昼食の後は奈良公園で自由時間だ。

 班別行動に限られており、時間も一時間しかないためあまり遠くには行けない。

 みつるが春日大社に行こう、と言い出したので全員で歩き出した。

 公園の中の道を抜けていく。欅の木立の間を陽光が抜け、芝生に影をまばらに落としている。

「天気良くてよかったよね」あかりが両手を広げながら言う。

 そうよねー、とみつる。

 そこここに鹿がうろうろして観光客の間をもの欲しそうについてまわる。

 ジュディが屋台で買ってきた鹿煎餅を持っているせいで後ろに三匹ほどがついてきていた。ずっと手元を注視している。

 ジュディは鹿に煎餅を与えながら自分もぽりぽり齧っている。

「味しないね、これ。紙みたいね」

「やだジュディ、それ人が食べるものじゃないわよ」

 あかりが笑う。

 ジュディは手で鹿にあげるのに飽きたのか、煎餅を円盤のように投げはじめ、鹿がそれを追っていくのを見ていた。

 あかりとみつるにも煎餅を渡し、次いでネコにもほれ、と言って渡した。

 二人の周囲にはすぐに二匹ほどの鹿が寄ってきてねだり始める。鹿に鼻先で腰をつつかれ二人が芝生の中を逃げ回った。


 ネコの周りには鹿が寄ってこない。

「鹿、来ないね。殺気がわかるんだよ、鹿は。獣だからね」

 いつの間にかジュディがネコの傍にいた。手を後ろに組んでぶらぶらと並んで歩く。

 じろっとジュディの方を見る。

「だから何だ」

「そんなに気い張ってると疲れるね」ちろっとネコの顔を見る。

「余計なお世話だ」煎餅を後ろに投げ捨てた。たちまち二匹の鹿が地面に鼻先を持っていく。

「ケンカの仕方、どこで覚えたね」

 ジュディが木漏れ日をまぶしそうに見上げながら訊いた。

「お前の知ったことか」

 まあね、と言って黙ったがなぜか顔は笑っている。

 戦っている時とは別人のようだな。ネコはふと思った。穏やかな、やさしい顔。

 こいつもこんな顔をするんだ。


 ――自分はどんな顔をしているのだろう。

 考えてから少し驚いた。そんなこと考えてみたこともなかった。考える必要がなかったからだ。

 幼いころは日々を生きていくことがすべてだった。食べられなくなることは死を意味した。死にたくない。それだけが生活に必要な感情だった。


 ラパスの市場で組織に目をつけられるまで、自分はただの現地人の貧相な小娘でしかなかった。

 戦闘技術はブラジルの非合法組織で学んだ。


 ――これからのお前の世界には二種類の人間しかいない。覚えておけ。上司か、敵かだ。

 ――敵は殺せ、自分が死にたくなければな。


 教官だった男は言った。頭の禿げあがった、岩のような男。軍隊くずれの人殺しだ。『なんでもありヴァーリトゥード』で何人も殺した、と聞いていた。

 感情が無になるまで、訓練に次ぐ訓練。勉強に次ぐ勉強。辛いと思う気持ちも次第になくなっていった。

 上司以外の他人は、すべて敵だった。


 でも、今は――今の状況は、自分が知っていた他人との関係となにか違う。

 ネコは戸惑っていた。



 春日大社。

 柱や梁の鮮やかな紅と壁のまばゆい白が目を刺す。

 おー、とみつるが声をあげる。きれいですね、とジュディ。

 赤い南門をくぐって石段を登る。鹿がまだ二匹ついてきていた。

 あかりが鼻先に顔を近づけ、もうお帰りなさい、と言って指先で鼻をちょんとつついた。鹿はぶるっと首を振ると踵を返した。

 中門をくぐると四棟の拝殿が並ぶ。千木の赤色が天を刺すようだ。

 順番に参拝して行った。

 ネコはただぼうっと立っていた。みつるが振り返ってネコに向かって両手を合わせこうするの、こう、と言った。

 言われるがままに手を合わせてみた。別に何の感慨もなかった。


「そろそろ戻らないと時間になっちゃわない?」あかりが言う。

 そうね、とみつるが言って、じゃあっちから出ようか、と東側の門を指さす。

「あんまり細かく見てらんないね」

「一時間しかないからねー」

 東の門を出ると赤い柱が並ぶ廊下。反対側は一面紫の藤の花だ。

 わあ、きれい、と言うとみつるが携帯で写真を撮り始めた。


 紫。

 アンデスのルピナスの花の色に似ている。ネコは思った。

 高原一面がこの色になった。

 ルピナスの花が嫌いだった。

 アンデスの人々にとってルピナスの花は観賞のためのものではなく、その種子を食べるためだけにあった。魚や肉が手に入らない時、ルピナスの種と豆ばかり食べていた。

 紫の色はネコにとって貧しかった頃の記憶でしかなかった。


 遠い記憶。置いてきたはずの。

 なぜ思い出す。わたしには必要のないものであるはずだ。

 いいことなんか、何もなかった。何も。全部捨ててきたんだ。全部。

 なのに。

 ――なのに。


 まただ、あかりは思った。

 ネコの眼。遠いどこかを見ている。哀しい眼。

 なぜ泣いているように見えるの。

『鍵』がかかっているのに、小さなせせらぎのように流れ込んでくる、切なさ。

 帰らない、帰れない、遠い場所の記憶。

 胸に手を当てる。


「早く行かないとまずいかもよ」みつるがせかした。

 あかりがはっと我に返る。

 行こ行こ、と言って足早に歩き出した。





 バスが山あいの道を抜けると、棟の低い民家が左手、右手に田園が広がる。

 あぜ道に咲いたひなげしの花が道を点々と薄紅色に染めている。

 やがて右手の風景は青々とした広大な芝生となり、広葉樹が生い茂る小高い丘になった公園が見えてきた。


 駐車場でバスを降り、連れ立って芝生の広がる公園の中に入っていくと、やがて前方に組み上げられた巨大な岩が見えてくる。

 石舞台。


 休憩時間となって、生徒たちは自由に散策している。

 ネコは巨石に近寄った。手を触れてみる。冷たい岩の感触。

 石室の入り口は両側が石組の壁になっており、城塞を思わせた。


 ――ティワナクに似ている。

 小高くなった広場の真ん中にある岩塊を見た時、ネコは思った。

 観光客相手に土産物となる糸細工を売りに足を延ばした時だ。

 ティワナクには緑はない。一面の赤い土漠だ。風が吹きすさぶ高原。情け容赦ない日差し。そこに石組が点在していた。

 母が物を売っている間、幼い弟妹の面倒を見るのが役目だった。

 陽光に照らされた石組の、赤い太陽の門。彫られた創造神の姿。

 乾燥した風。肌を焦がす強い紫外線。


 石舞台を取り巻く低い柘植の生垣の陰からぱたぱたっと土鳩が二羽飛び立った。

 鳩は青い芝生の公園を越え、低い山裾に向かって小さくなっていく。


二羽の鳩ドス・パローマ

 ぽつりとつぶやいた。あかりが怪訝そうにネコを見る。

「こういうとこで白い鳩なら絵になるのにね」みつるが能天気に言う。

「鳩は創造神ピラコチャの化身だと言う」

 ネコが空を見つめながら口にする。


 そう、マーマが言っていた。

 ――女の子は綺麗にしているとピラコチャが鳩になって子供を授けてくれるのさ。

 ――わたしたちも授かったの?

 ――そうさ、綺麗にしていたからね。

 そう口にしていた母を綺麗だと思ったことはなかった。

 常に生活に追われていた。やつれ、疲れた姿しか記憶にはない。


 ぼんやりと看板を見つめる。明日香村、か。

 アスカ。


 突然、記憶がよみがえった。アスカ。

 白いシャツの男の子。麦わら帽子。笑った顔の真っ白い歯。


 ――ネコは赤毛だから、赤い花あげる。


 手には一輪の赤い花。濃いピンク色に近い、バラに似た小さな花。

 顔を見返した。頬が熱くなる。言葉が出てこない。

 ありがと、の一言が言いたくて、言えない。アスカ。

 黙ったまま、傍に寄った。湖の水面みなものような、澄んだ瞳。

 口にできなかった、淡い想い。


 ――ちがう。わたしはなにをしているんだ。

 ネコは目を閉じてかぶりを振った。


 傍らにあったベンチに座り込んだ。

 はあっと息を吐いて、顔を空へ向ける。


 高原をかすかな風がわたっていく。山裾から平原を越え、森へ。そして彼方へ。

 どこまでも青い五月の空。真っ白い雲がゆっくりと東へ流れていく。

 気持ちが、空に吸い込まれていく。


 つながっているんだろうか、この空は、あの国へ。

 同じ空の下のどこかに、まだいるだろうか、彼は。


 影になることを命じられて生きてきた。それがすべてだった。

 捨ててきたはずだった、全部。


 自分を組織に金で売った母、置き去りにしてきた弟妹。

 広がる草原プラデラの蒼い匂い。

 湖をわたる冷たい風の感触。心のように揺れる葦の湿原。

 揺れているランプの炎。

 夜の深い静寂。とうもろこしと豆のスープ。

 みんな捨ててきたんだ。みんな。


 胸が苦しい。手をあてた。ぎゅっと拳を握る。

 なんなんだ、この思いは。締め付けられるような、心の痛み。

 わたしは。

 わたしは――。



 ふ、と肩に手が置かれた。はっとして思わず見上げる。

 あかりのやさしい笑顔がそこにあった。

 掌を通して、思いが流れ込んでくる。


(みんな、一緒だよ)


 なにかがこみ上げてくる。瞳が潤む。

 弾かれるように立ち上がって、手を振り切って駆けた。

 あふれ出しそうになるのをこらえながら。手で口を覆う。口の中で嗚咽を噛み殺す。


 変だ。

 変だ。こんなのわたしじゃない。

 わたしじゃない。


 あかりは両手を胸で握りしめ、駆けていくネコの後ろ姿を見ていた。

 五月の風が髪を揺らした。







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