「コードネームはモナリザ」最終章 王子ムハンマドとカナリヤ

第10話 ジョナサンの覚醒 砂漠の攻防 ①

　ジョナサンのイマージュ救出作戦がついに実行に移された。

　ゴシップ好きのセレブ・ファンが見たならば、卒倒しそうな世界の若きセレブたちが中東の地に集まった。

　筆頭はゴシップの王子ことプリンス・チャーミングとその恋人であったチャールズ・スペンサー、そして小国ながら何かと世界の物議をかもし注目を集めることの多いK国の超美形第２王子ジュンス、アメリカの大財閥のひとり息子ジョナサン、そしてクラブ“パラダイス”のオーナーであり、世界的実業家のダニエルであった。

　プリンス・チャーミングとジュンスが会ったのは久しぶりだった。

　ジュンスの母親に知れたら、プリンス・チャーミング抹殺指令が下されるのは確実だったので、二人のあいびきは固く禁じられていた。

　しかしこの地では、大事な作戦の仲間ということで、ふたりは自由に会うことができた。しかし宮殿のあちこちに設置されているムハンマドの監視カメラがあるので、実際のところは、ふたりはそれほど自由に会うことはできなかった。

　プリンス・チャーミングはムハンマドのサイコ的な部分をたくさん見ていたので、もの凄く怯えていた。しかしジュンスがそばにいてくれることで、なんとか平静心を保っていた。

　ここはムハンマドのホームグラウンドである。そしてプリンス・チャーミングの役目は、ムハンマドをイマージュから引き離すことにあった。それはプリンス・チャーミングがムハンマドの相手をし、彼を夢中にさせ、サイコなムハンマドの要求をのみ、彼を満足させなければいけないということだった。