第9話  ジョナサンの覚醒 ③

 ジョナサンはその足ですぐニューヨークに飛び、クラブ「パラダイス」のオーナーであるダニエルに会った。

 ダニエルの持つ情報網が分析したテロに関するレポートも知りたかったが、目的は別にあった。プリンス・チャーミングを貸してほしいと、頼みに行ったのだ。このころになると、すでにテロ事件の黒幕はムハンマド王子らしいとい云うことで、皆の意見が一致していた。

「プリンス・チャーミングが良いと云うなら、私どもも協力しますが…」

と言い、ダニエルはプリンス・チャーミングを呼んでくれた。しかしプリンス・チャーミングは嫌がった。

「ムハンマド王子を知る人ならば、ほとんど全員、彼には会いたくないと言うはずです。彼はそういう部類の人間です。彼はかなりのサイコで、人をおもちゃ扱いするし、彼の思い通りにならないと何をするかわからない」

と拒絶した。よほどイヤなことがあったようだ。しかしイマージュの病気のことを話すと、プリンス・チャーミングはしぶしぶながら協力すると言ってくれた。







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