フィボナッチの発見

フィボナッチ数列の話をするけど、今日はかいつまんだ概要だけね。

いずれはくわしく語らせてもらいたい。

なんたって、面白いんだから!

この数列は、次の算数の計算問題から生まれた。

問「ひとつがい(夫婦)のウサギがいます。つがいはひと月で成熟し、ふた月めにもうひとつがいのウサギを生みます。さて、ウサギのつがいは、ひと月ごとにどのような数で増えていくでしょう?」

答「1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・・・」

で、これがフィボナッチ数列というわけ。

さて、この世の中には、「黄金比」と呼ばれる比率が存在する。

長方形の紙があって、短い辺を45度の角度で折りたたんだとき、はみ出た長方形が、折りたたむ前と同じ形(相似)になるタイプのものがあるよね。(名刺なんかはこの比率)

これが黄金比といって、1:1.618・・・の比率になってる。

人間にいちばん心地いい比率、とされてるよ。

上のものは、人工的に黄金比をつくった例だけど、この比率は、自然界にこそ存在する。

正五角形の五つの頂点を対角でつなぐと、お星さまが描けるよね。

五芒星とか、ペンタグラムとか呼ばれるやつだ。

あれは、いろんな部分の比率が正確な黄金比になってるんだ。

例えば、頂点を結んだ五角形の一辺と、対角に引いた星の一辺は、正確に黄金比だよ。

人間は、この美しい比率を利用して、人工的かつナチュラルな美を構築しようといろいろに試みた。

パルテノン宮殿やピラミッドなんかにはタテヨコの比率にこの数値が使われてるし、ミロのビーナスやダ・ヴィンチの絵画にもこの比率が応用されてるようだ(ただしこれらは、この比率を用いたから美しいのか、美しくつくったらこの比率になったのかは、定かじゃない)。

さて、フィボナッチ数列に戻る。

この数列には、黄金比との不思議な関連が隠されてる。

フィボナッチ数列の進み方は、かしこいひとならもう気づいてると思うけど、隣り合う数字を足すと、すぐ右の数字になる。

もう一度数列を書き出すと、1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・・・だ。

1+1=2だし、1+2=3だし、2+3=5だし、3+5=8だし、5+8=13だし・・・そうした増え方をしていくわけ。

この隣り合う数字の比率が、なんと黄金比に収束していく、というんだよ、びっくりじゃない。

つまり、1:2よりも2:3のほうが黄金比に近くて、それよりも3:5のほうが、さらに5:8のほうが、さらにさらに8:13のほうが、さらには13:21のほうが・・・より1:1.618・・・に近いんだ。

こうして数字を大きくしていくと、限りなく黄金比に近づくというわけ。

不思議だよね。

愉快なのはこれだけじゃなく、自然界の森羅万象が、実はフィボナッチ数列でできてる、という説もあるよ。

花びらの枚数は、ほとんどが数列中の数字のいずれかだ。

木の枝は、フィボナッチ数列に従って枝分かれしていく。

巻貝の渦は、ピタリ数列の比でらせんを描く。

紙をくるくる巻いて、パラリとほどくと、そのほどけ方の比はフィボナッチ数列だ。

ヒマワリの種の配列も、数列に従ってる。

カリフラワー、サボテン、パイナップル、松ぼっくり・・・どの植物の構造も、みんなフィボナッチ数列。

水面の波紋も台風も銀河系の形も、みんなみんなそう。

たのしいね。

あなたも身近で探してみない?フィボナッチ数列。

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