第13話 ダンジョンピープルとフェルの仕事

翌日、みんなに朝食を食わせ、開店準備中、


ちょこまかと動くハンティが可愛い・・・


ちなみにフェルは勇者達が拉致していった・・・逞しく育ってほしい・・・


フィリアンは・・・俺と皿の場所やソフトドリンクの場所等の講習中です。




なにげに朝からやる事が多い・・・


楽する為に苦労しろ・・・そんな感じだ。




みんな真剣に仕事を覚えようとしてる。


うんうん、やる気があるってのはいいもんだ。




午前中は少数のお客様のご来店でフィリアンの接客講習もできた。


元々、宿屋で働いてたって事もあってセンスはいい。




元の職場は貴重な人材を逃したものだ・・・


俺としてはフィリアンに午前中を任せられるようになってほしいと思ってる。




さすがにインベントリは無いんで、冷蔵庫を用意しようかな・・・


業務用冷蔵庫をアマゾンで買って・・・魔石で動かす・・・


魔石の貯蔵場所を一か所に集中させてラインで必要な所に分散させるシステム・・・


店内の大改造が必要か?


休日に素材集めと資金調達が必要か・・・


休日ってなんだろ?


店員にブラックを押し付ける気はないが・・・俺の労働環境がブラックになりつつあるな・・・


色々作るのに少しスキルが欲しい所だが、フィルを任せてるんで勇者には頼み辛い・・・


フィリアンを連れて軽くレベリングしてくるかな・・・ウェイトレス関係のスキルをパワーレベリングしとけば後が楽そうだ


・・・休みが足らん・・・


また~りバーのマスターやってれば満足のはずだったんだが・・・


人間の欲ってキリがない・・・


俺だけがまた~りやるんだったら今のままでもいいんだが・・・


ん~~~まさに囚人のジレンマ・・・


俺の方もこのレベルじゃなかなか上がらないし・・・


魔物狩りに行って資金を稼いで職人に任せるのも有りか?


やりたい事・・・


まず、フィリアンのパワーレベリング


次に我が家の魔石運用の効率化・・・コンセント式にできれば完璧・・・




そんなことを考えてると勇者達がフィルを連れて昼食に来る


「ただいま帰りました」

「「ハル~飯~!」」

「ラーメン希望」

「野菜マシニンニクマシマシアブラカラメ」


うちはG系じゃないんだが・・・


それ以前にラーメン屋じゃない


「・・・喫茶店のマスターにG系ラーメンを作れと・・・」


「裏の土地と建物の代金払っておいたぞ」


「クローゼット付きの8畳間とトイレ3カ所、全12部屋3階建て」


「かしこまりました、豚ダブル野菜マシニンニクマシマシアブラカラメ4人分でいいですね・・・」


「ハルヒトさん、俺は普通でいいです・・・」


フェルはそんなに食えないか・・・


「フィリアンとハンティはどうする?」


「お任せします」


「ハルさまにおまかせです」


みんな一緒にするか・・・まとめての方が作りやすいし・・・



太ちぢれ麺と厚切りチャーシュー 野菜と刻みニンニクってとこか・・・


豚骨スープを用意するのは手間だなぁ・・・


今日は業務用の豚骨醤油ベースでいいか・・・


時間があったら豚骨スープを大量に作っておいてインベントリに保持しておこう・・・


そんな感じで昼飯を食わせた・・・


「ハル、フェルなんだが、採取と錬金、調合を覚えさせたら?」


「ん?ポーションでも作らせるのか?」


我が意を得たりとしたり顔


「その通り、その方が金になるだろ?」


「レベリングも順調だからSP貯まってきてるしいいんじゃないかな?」


その意見に賢者も乗っかる


「そこでダンジョンピープルの話に繋がるんだが、あいつらを採集に回してフェルに薬作らせれば生産工場にならないか?」


「ふむ・・・」


「今作り始めてる長屋にそいつらも住まわせて、2食と宿代分は採集で稼がせる感じ」


「つまり、薬草を俺が買ってフェルにポーション作らせるって流れか・・・」


「2食っつったって一食鉄貨3枚くらいで出してやれば上等だろ?」


「寮費も2銅貨位で使わせてやれば・・・」


「つか、あんなチビどもがダンジョンで囮にされんの見たくねーよ」


「採集ができる程度にレベリングはしとくから、チビの管理頼めね~?」




また・・・仕事が増える予感・・・


お前ら俺を過労死させる気か?




「中級ポーションをガッツリ作れるくらいには鍛えてやるから利益率半端ないだろ?」


それは確かに高い・・・




「長屋ができて、フェルが作れるようになったら改めて言ってきてくれ・・・」


「わかった、任せろ!」


「チビどもの採取レベルも上げとけよ・・」



この段階でフィリアンのレベリングをやらせるという道は完全に消えた・・・


「ハンティとフィリアンは次のお休み俺とピクニックな・・・」


「ハルさん、女ばっかりズリィ!」


フィルが血相を変えて言ってくる


「馬鹿!辞めとけ、お前は身体を休めろ、ピクニックって言ってるがレベリングだぞ・・・アレ・・・」


さすがカズキ、鋭いな・・・


「俺達と違って完全に余裕を持った狩りじゃねーんだから、ハルはきついぞ・・・多分・・・」


その言葉に身震いしてる・・・尻尾が足の間に挟まってる・・・


「ハルは効率厨の所があるからなぁ・・・安全マージン俺達より無いだろうな・・・」


いやいや・・・女の子相手にそこまでせんよ・・・


「ハンティの安全だけはくれぐれも、く~れ~ぐ~れ~も~よろしくお願いいたします。」


・・・フェル・・・俺の事そんなに鬼だと思ってるのか?


「まぁ・・・取り急ぎ、接客スキルと掃除スキルを上げちゃいたいし、俺の時間が取れないから駆け足になるだろうが・・・」


「ひょぇぇぇぇぇ~、ハンティ~~」


「・・・これを使ってみようと思ってる」


「アマゾンで購入、マ〇イ電動ガン M93Rだ、こいつに100連マガジン付けたので連射も効くし経験値は石投げ程度は入ると思う」


サバゲーやってる人なら知ってる人もいると思うが、M93Rって銃は、メインアームとしても使えるハンドガンなんだよ・・・


実機だと3連バーストなんだが、電動のこいつはフルオートで連射ができる・・・




「・・・ついに銃の概念を持ち込んだか・・・」


「ちゃんとレベルが上がれば・・・いいんだが・・・」


「下手な石投げよりもダメージ大きいと思うぞ」


「だなぁ・・・まさかハルよ・・・さすがに実機は手に入らないだろ?」


「無いな、有ったら欲しいんだが・・・」


「わからんぞ・・・アマゾンのレベルが上がったら商品拡張で・・・魔法銃М4とか言い出しそうだ」


これ以上言うな!・・・魔法銃だったらスナイパーライフルを選ぶよ


それもどうかと思うが・・・突撃スナイパーでヒャッハー言ってた頃が懐かしい・・・


・・・ハンドガン系しかまだないんだ・・・魔力消費も大きくてコストが高すぎるんだ・・・


レベルもそこそこ上がってるから弓とかの方が強いんだ・・・


これは言わぬが花だが・・・


「まぁ、次の休みに実験してくるよ」


ダンジョンピープルの方は勇者達の懸念材料だったらしくかなり乗り気で動くっぽい・・・


実際ポーション工房として動ければ生活は安定するだろ・・・


ポーションの売れ行き次第ではボーナスも出せるだろうし・・・


空いてる地下倉庫がフェルの作業場になるんだろうな・・・


色々と計算外だ・・・


ともかく、次の休みまでやる事やって完成を待つかな・・・


そんな感じで昼休憩をとったので、みんなで動き始める


フェルはレベリング・・・俺達は店


あぁ・・・まともな休みが欲しい・・・




「フェル!右前方に魔物!」


フェルがスリングショットを当てる


カズキがその魔物を切り裂く!


「俺が足止めしてる間に回り込んで撃て!」


フェルは走って側面から撃つ!撃つ!鬱!・・・じゃなくて撃つ!


当たったのを確認した奴から剣聖が切り伏せる


「もっとペース上げても大丈夫そうだな!」


「ひょぇぇぇぇ~」


情けない声で叫ぶフェル・・・


そりゃそうだ・・・狩ってるのはヴァンパイアビッグバット・・・の集団


賢者の足止め系魔法のおかげで当てるだけなら当てられてるが、


初心者が戦う狩場ではない・・・


「今日中に調合と錬金をレベル10までもっていくぞぉ!」


無茶苦茶である・・・


ハルヒトもこんなペースで引っ張りまわされたのは言うまでもない


「ほら次ィィィィ!!」


肩で息をしながらも懸命に撃つ・・・


「また右に来てますよ!」


「はいぃぃぃぃ~~~!」


フェルのレベリングは日が暮れるまで続くのだった・・・

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