鏡6

ご主人様は、言った。

「青薔薇。君は私の愛していた姉の、もっとも儚い部分を、もっとも脆い部分を内包している。死に近付いた時の、彼女の腹部にあったあの青痣を、君は持っている。そして君は、私の姉を含む他のアクターと同様に、いや、それ以上に美しい。君は『青薔薇』なんだ。私にとっての、奇跡なんだ」

 私はそれに、何も答えなかった。ご主人様も沈黙した。

ただ、私の中に一つの確信だけを抱かせて、この夜は終わりを告げた。

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