第1話:はじまりの始まり

キーンコーンカーンコーン…

授業がよーやく終わった。

さっきまでやっていたのは社会の歴史の授業。俺がこの世で一番嫌いな単元の関ヶ原辺りで、憂鬱だった。

「颯輝ちゃ〜ん‼︎メシ食おうぜ‼︎」

「おいおい、颯輝ちゃんは“メシ”だなんて下品な言葉、使わないぜ」

そう言いクラスメートのグループで大爆笑が起こった。

…腹ただしい。

ガタッ

「どこ行くんだ?一谷」

先生が声をかけた。

「…帰ります。腹、痛いんで」

そう言って俺は鞄に教科書やらノートを詰めて教室を出た。出る間際に、さっき笑っていた男子等を軽く睨んで。


ピシャッ‼︎


学校から出る。

校庭を自分の足で踏みしめる。俺の心とは真反対に空は晴れ渡っている。

…腹ただしい。

校庭をゆっくりと歩いて、校門を出ると見慣れた陰が立っていた。

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