第11話 Even if you're a poor breast, you're OK because you're cute.




そんなこんなで車に乗り、学校に着いたわたしと母は、保健室に向かう。


他の生徒がが皆授業中の学校に来るのはとても新鮮で、少し謎の緊張感を覚えたまま、保健室の扉を開ける。


そこにいた安藤先生は開口一番、目の前にいる金髪ワンピース美少女を見て、


「お〜〜。何だか神々しいぞ、桐生。おはよう」


と言った。わたしは呆れながらもしっかり


「おはようございます。安藤先生」


と挨拶を返す。

わたしの挨拶と一緒に母親も礼をする。

それを見て先生は


「これからどうするかの話は後にして、とりあえず、制服の採寸だけしましょうか。」


と言って、用意された大きなダンボールから、サイズごとに分かれた制服を取り出した。


「分かりました。お願いします。」


「じゃあまずワイシャツから。お前のそのサイズなら、おデブさん用のでかいのをダぷッと着るか少しピチッとしたのを着るかの二択だな」

先生は手に乗らない自分の平べったい胸の当たりを手でボインボインする仕草をしている。


「どちらがいいんですか?」


「私なら圧倒的に後者だな、ダボダボのがやっぱり楽だけど可愛くないし、それだったら下着が透けても可愛いピチピチの方を着たいな。まぁ、私の学生時代はピッタリのサイズでも胸のところが........おいなんかムカついてきたぞ!!羨ましい!!この雄っぱい魔人氏め~~!!!」

そう言いながら先生はわたしの胸を巻尺を持った手でポカポカして来た。(めちゃくちゃ可愛い)

そのせいで2人の姿は、なんというか先生と生徒と言うよりってやつだ。


「まぁ、先生もまだ育つかもしれないじゃない」

母親がそれを見てすかさずフォローを入れる。


「私今年で40よ?もう育たないわ。むしろ今ある無けなしのがたるんでくるわ。」

フォローを入れたのにも関わらず、先生がそう吐き捨てると。


「見えない!」

と反射的にわたしたち親子は言ってしまっていた。


そりゃそうだ。見た目から25歳ぐらいを想像していたのはわたしだけじゃないはず。安藤先生に恋をした学園生もまさか40だとは思ってないはずだ。


「な、何よ、嬉しいこと言ってくれるじゃない///まぁ、胸なんかなくたって可愛い私はモテるもんね。うん。うん。うん....」


先生は少し自信なさげにそう言うと、採寸を再開した。この人、多分独身だ。


10分後


採寸を終了したわたしたちは、今後のことを話し始めた。(結局ピチピチな方にした)


名前は苗字から変えるとして。


先生が持ち出してきた案は3つ


1つ目は桐生吉継との交換留学生として来たという設定。


2つ目は桐生吉継の親戚で、彼と入れ替わりで来たという設定。


3つ目は桐生吉継は死んだことにして、彼と全く関係ないわたしが入れ替わりで転校してきたという設定。


「先生はどれがオススメですか?」


「前に転性したやつがいたと言ったろう。そいつは自分を殺したくなくて1つ目にしたんだけどな、あとから外国に消えた彼を探す奴がいて家族が面倒だったらしい。だからわたし的には3一択だな。お前は決め兼ねると思うが。」


「そうですね...」


いくら男が嫌いだったとはいえ、自分が男として生きていたことをなしにしてしまうのもどうかと考えた。しかし、自分が教会でお祈りしたばかりにこんなことになったので、家族に迷惑をかけてしまうのも悪い。


そしてわたしは決心する。


「吉ちゃん、私たちはどっちでもいいのよ?」


母親も俺が決心できるようにフォローを入れてくれた。


「いいや、もう後戻りは出来ないんだよ。母さん。わたしは3を選ぶ。」



これからわたしの、女の子としての人生の1ページが始まる。

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