第32話 気驚

唯未と三島が接触してからというもの、私への嫌がらせがぱったりと途絶えた。

だが、クラスメート達は依然として私を無視してくる。

私にはこれが不吉に思えてしょうがなかった。


そしてわかったことがまた一つある。私が持っていた情報武器が使えなくなったのだ。

自分に余裕が出てくるにつれ明らかになっていった。


あれ?○○と××って仲悪かったはずじゃ.......

△△は母子家庭で悩んでいたんじゃ......?


こんなことが続き、クラスメートの悩みがほとんど全て解決されていることに気づいた。だが、私がいない少しの間にたまたま全てが解決したなんて思えない。誰かが解決した、そうとしか思えなかった。

けど、そんなにもう情報を知っている人は私と、もう1人しかいない。


「さぐりん........」


これは単独でやったことなのか、三島と手を組んだのだろうか。

どちらにせよ、これをやったのはさぐりんで間違いないと思う。

すぐさま唯未にとLinuを送る。


『放課後話がしたい。』


そして、放課後屋上へ唯未を呼び出し、私の推測と違和感を話した。話終えると唯未は難しい顔をしていた。


「探君一体何を考えているのかしら....」


そしてブツブツと呟いていた。心配になって声をかける。


「唯未?どうかした?何か分かったの?」

「分かんないの....」

「えっ?」

「何もわかんないのよ.....」

「唯未でもわからないなら、私でもわからないよ。」

「本当に自分が低脳すぎて嫌になるわ」

「そんなことないよ!」

「ありがと。とにかく、何も分からない今は下手に動けない。また何か少しでも動きがあったら教えて。」

「わかった」



────────────────────



「クソっ!!!!!」


俺、三島景は怒りでどうにかなりそうだった。

せっかくうまくいきそうだったのに、あの秋咲というかいう女に邪魔された。あの美少女。いつか俺のモノにしてやる。


それにしてもあの女の声、すごく聴き覚えがある。

一体どこであったんだろう......


ブーブー


例のメール主からの電話だ。

俺が秋咲と接触してから電話でのやり取りではなくメールで、しばらく大人しくしていろと指示されていた。


すぐさま電話に出る。


「おい次は何すればいい。」

「まぁまぁそう急かさないで」


「えっ.....?」

嘘.....だろ...?


「えっ?ってどうかした??」

「........」

「おーい三島くーん?」

「あ、いや何でもない....次はどうすればいい?」

「 次はねぇ.....」


俺は次の指示を受けた。

だが、それは半分くらいしか聞いていなかった。一つ、気になることがある。


「わかった、実行してみる」

「あいつを追い詰めるまであと少し。頑張ってね..」

「おう。」


電話を切る。


頭が混乱している。


どういうことだ?何が起こってる?なぜ気づかなかった???



例のメール主の声、それは、秋咲唯未そっくりだった。



────────────────────





こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。

毎日21時投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生、受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。これからも、『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。

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