第33話 絶始

「どうしたの、探君。」


星雨から、探君が三島と手を組んでいるかもしれないと言われた昨日の今日。朝、私は探君に呼び出されていた。


「今日、俺は動く。自分が何をすべきか考えて実行してみ。きっと成長できる」


なにをどう動くのだろう。けど探君の期待に応えたい。とにかく今日は頑張り時だ。

そして、そのためにも私はひとつ探君に聞いた。


「ごめんなさい、こんなこと聞かない方がいいのは分かってるんだけど、一つだけ聞かせて。」

「何?」

「探君は私たちの味方だよね?」


あえて私は、雲水の名前を出さずにぼかした。探君も意図を読み取ってくれるだろう。

そして、一呼吸置いてから答えた。


「もちろん。」


────────────────────



俺、三島景は考える。


どうすればいい。秋咲は味方か、敵か。

俺は例のメール主が秋咲であると確信した。

それが俺を嵌めようとしているのか、それとも雲水を助けるふりをして一緒に潰そうとしているのかわからなかった。


この学校に来てから時間は経っているから名前位は知っていた。有名人だしな。だからあの美少女に言い寄られて秘密を話してしまうクラスメートがいる。よって三組の秘密を秋咲が網羅していると言うのもわかるし、秋咲本人が雲水に手をかけることがないのも分かる。自分のメンツを潰したくないだろう。


いやまて、あいつは雲水をいじめられればバレたって構わないと言っていなかったか?


読めない。分からない。あいつも誰かに指示されているのか?


まさか隣に座ってるマスクメガネ....はないな。


このマスクメガネに関しては何もしないから話しかけなくていいと珍しく直球で秋咲に言われたしな。


とにかく、今日の秋先からの司令が『昼休み、クラスメートを全員教室に居させろ』だったので、クラスメートたちに呼びかける。


「今日は大事な話がある、昼休み教室に残ってくれ。」


さぁ、秋咲、どうでるんだ。昼休み何が起こるんだ。

恐怖を感じながらこの状況を楽しんでいる自分がいた。そして、そわそわしながら昼休みを迎えた。



教室には雲水含め全員がいた。ん?マスクメガネがいない...?まぁあいつはいいか。


そして俺は秋咲メール主にメールを送る。


『全員集めた。準備完了だ』


と、


ポーン


放送か?


「やぁ、臨生学園高校2年3組のみんな。」


放送のスピーカーから男の声が流れる。誰だ?聞いたことがない。


「今からある人の音声を流すからよーくきいてね。」


嫌な予感がした。クラスは静まり返っている。


「それじゃあ流すね。」


そしてその男はある音声を流した。それが俺の終わりだった。


「◽︎◽︎は自分のことを買い被りすぎだな、別にルックスがいいわけでも、何かできるわけでもないくせにな。

悩みを聞いた時も、聞いてやってるのに高圧的な態度で本当に気持ち悪かった。

ただこれから俺に利用されるだけなのに......」


◽︎◽︎は口を半開きにして表情でこっちを見ている。



あ、あれ????


なんで...?


ボイスチェンジしたはずなのに...



これ.....俺の声だよな?



────────────────────



こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。

毎日21時投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生、受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。これからも、『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。

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