第31話 秋強

私は、星雨からうけたいじめのことや、三島がきっとクラスメイトを動かしているのだろうということを教えてもらった。

そのことはわかったのだが、不可解な点がある。


どうやって、三島がクラスメイト達を支配して、どんな理由で星雨をいじめさせたのか、である。


それがわかれば、星雨を助ける上で大きなかぎとなる。


目の前には今にも泣きそうな顔で立たずんでいる星雨がいる。はやく助けてあげたい。けど何もわからない。自分の無能さに腹が立つ。


ブーブー


携帯がなった。探君からの電話だ。


「ごめん、ちょっとまってて」


星雨に一言言って電話に出る。


「もしも——」

「なぜクラスメイトが支配されているのかは考えるな。考えたところで意味がない。あ、あと雲水って中学の時、三島のことをいじめてたんだって?クラスの奴らが騒いでたよ。そんな奴には見えないけどなぁ。まぁただの独り言だ。じゃあな。」


こちらが一言もしゃべる隙を与えられず電話を切られた。


にしても。


また、助けてもらった.....私が支えなきゃいけないのに。


本当に探君にはかなわない。


「ごめん、星雨」

「はやかったね、誰から?」

「友達だよ。よし、星雨。私が解決する。」

「何を?」

「今星雨が抱えている問題。」

「そんな迷惑かけられない。私が自分で....。」

「自分で?」

「自分でなんとかする…。」

「そんな弱気じゃ絶対無理。いい?どんな些細なことでもいいから何か起こったら私に教えて。」

「いや....でも....」


「でもじゃない、わかった?」


「うん...わかった。」


放課後、私はとある人物と星雨を呼び出していた。


「どうしたの?唯未。」


先に来たのは星雨のようだ。


「んと、もう一人呼んでるから待っててね。」


2,3分待っていると


ガチャ


屋上のドアが開く音がした。来たみたいだ。


「お前か、俺を呼んだのは。」


「え…?唯未…?」

「あなたが三島景ね。単刀直入に聞くわ。星雨があなたのことをいじめていたっていう嘘の噂を流したのはあなた?」

「おいおい、ちょっと話す前に、してもらわないといけないことがある。」

「何?」


「右ポケットに入っているものを出せ。」


「ちっ」


そして私は録音機能を使ったままの携帯をポケットから出して置いた。

そして三島はそれを持って今まで録音していたものを消した。


「よし、これで話ができる。さっきの質問についてだが、答えはYESだ。」

「そう。なら私は全力で星雨を守ってあなたと戦うわ。」

「宣戦布告か。いいだろう。けど果たして策はあるのかな?」


そう言われるとひるんでしまいそうになる。けど、私は探君が裏で動いていることを信じる。


「あと少しで、あんたは終わるわ。」


「そうか。楽しみにしてる。」

「話はこれだけ。もう帰って。」

「呼んだのに冷たいなぁ。あ、そうそう」

「何?」



「君、俺に会ったことない?」



即答した。



「ないわ。」





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こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。

毎日21時投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生、受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。これからも、『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。

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