第15話 あたいのミュージックフェア

 ちわっす、あたいだよ。


 今回は『あたいのミュージックフェア』だよ。

 この番組はオシノビ製薬の提供でお送りします。


 鼓膜の養生のためにじっとイヤフォンで音楽を聴くことやめてたんだけど、不定期に訪れる『HANABI』禁断症状が強く出たんで、久々にiPod classicを手に取ったの。あくまでも個人の感想だけど、この曲ほど、心に染みて、いまの、あたいの心境を表す曲はないわ。気が狂った時から、それは首尾一貫してる。『Lemon』だって勝てなかった。おそらく、半永久的にトップね。出来るなら、この曲を聴きながら死にたい。「もう一回、もう一回」ってね。大塚愛じゃないわよ。


 あたいが実父に初めて買って貰ったレコードって、人気プロレスラーの登場曲だったの。それから、もう歳がバレるけど、イモ欽トリオの『ハイスクールララバイ』。色物ばっかりね。あたいのウチは貧乏だから、レコードなんて滅多に買って貰えないのよ。歌謡曲はさあ、テレビやラジオで聴いて必死に覚えたけど、テレビは一曲全部歌うわけじゃないのよね。ラジオは全部聴かせる番組があったけど、DJが前奏にお喋りを被せてくるから、カセットにエアチェックしても面白くないの。えっ、YouTube? なに言ってんの。バカじゃない。


 もう年はいいわ。自分で初めて買った曲は……どっかで、誰かが話したわね。まあ、バンド名だけは書いとくわ。杉山清貴&オメガトライブよ。知らないわよね。


 時を吹っ飛ばすわ。あたいは遅まきながら大瀧詠一さんの声に聞き惚れたの。なんとなく脱力していて、微妙に鼻にかかった独特の歌い方。例えば『バチュラーガール』は稲垣潤一も歌ってて、アレンジメントも似てるのに、大滝さんは諦観の念を感じ、稲垣さんは強い失恋のショックを感じるの。それに、松本隆の詩もいいね。もっともあたいは『はっぴいえんど』というグループを不勉強で知らなかったからさあ。だって、音楽の時間に習わなかったもの。その大滝さんが若くして亡くなるなんて、大きなショックだったわ。泡坂妻夫先生や北森鴻さんが亡くなった時と同じくらいショック。大滝さんの曲で、あたいの一番は『壜の中の船ね』。


 気が狂った時はCD買いまくり、新星堂とアマゾンには大儲けさせたわ。Apple Musicもダウンロードしまくり、ダウンロードしたのにアレンジメントが気に入らなくて聴いていない曲もある。気がつきゃ、iTunesに4600曲。コロッケ師匠のiPadの曲数とおんなじ。でも、常時聴きたい曲はせいぜい500曲。あとはその一曲のために付いてきちゃったいらないおまけよ。一生聴かないわ。


 その中でハマったのは、風『君と歩いた青春』、Char『気絶するほど悩ましい』、南野陽子『あなたを愛したい』THE YELLOW MONKEY『LOVE LOVE SHOW』、綾瀬はるか『交差点days』、氣志團『One Night Carnival』などなど。

 でもねえ「やっぱりさんまは目黒に限り、ミュージックはMr.Childrenに限るねえ」まあ、好みは人それぞれよ。お好きになさい。

 はい、さようなら。

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