第23話 続、ホーンラビットの巣穴……?

 

 二十三



 ホーンラビットの巣穴の奥で遭遇したゴブリン達六体との戦闘は、結果だけを言えば実にあっさりと終了したです。


 錆びた剣を持ったゴブリン二体は所詮ゴブリンなのか、剣術も何も無く錆びた剣をただ振り回すだけだし、棍棒を持ったゴブリン三体は言うに及ばず。ピョンピョンと左右に跳ねる様に突撃して来たゴブリン達がボクの間合いに入った瞬間、下段に構えた左手の黒刃剣を切り上げ、上段に構えた右手の白刃剣を切り下ろしただけで前衛二体を頭頂から股下に掛けて真っ二つに両断しました。

 緑色の血と臓物を噴き出しながら左右に両断された仲間を見て怖気付いたのか、ゴブリンメイジ以外の残り三体はボクに襲い掛かるのをやめ、そのまま踵を返して逃走を図ろうとしたです。……ですが、敵前で……ボクに、ですが、背中を見せて逃げるという事は当然の様に死を意味します。白神によって三倍に身体強化されたボクは瞬時にその三体に追いつき、そのまま順に仕留めました。一体は右剣で首を切断し、残り二体は左剣での袈裟斬りと右剣の唐竹割りによって。


 その一部始終を見ていたゴブリンメイジはこのゴブリン達のリーダー格なのか逃走はせず、勇敢にも、手下のゴブリン達を瞬殺したボクに向かって魔法を放って来たです。

 その魔法とは、先程と同じフレイムボールでした。

 やはりと言うべきなのか、知能が低いゴブリンの頭では一つの魔法しか放てない様ですね。

 しかし、威力が低く、しかも速度も遅いゴブリンメイジのフレイムボールは、今度はボクには当たらなかったです。

 当然と言えば当然です。最初みたいに意表を突かれたり、もしくは隙を見せたり……あるいは、油断していなければ、身体強化されたボクに当たる筈がないです。……身体強化していなくても、油断さえしなければゴブリンメイジの素人魔法など当たらないとは思うですが。



「ギギャアァァァ……ァァ…………ァ…………」



 ともあれ、ゴブリンメイジのフレイムボールを瞬時に躱し、それとほぼ同時にその背後に回ったボクは、背中からゴブリンメイジの心臓付近に剣を突き刺してトドメを刺したのでした。



「ふぅ……っ! ゴリライガー以来初めての魔物との戦闘、しかも近接武器での戦闘でしたが、意外と呆気ない物です。ブラフマーの斬れ味が良いのか、斬った手応えが無かったせいですかね? 骨ごと内臓も斬ったのに手応えが無いとか。……内臓? ……っ!? うっぷ……! うげぇぇぇぇ!!!」



 ゴブリンとの戦闘開始から仕留め終わるまで、時間にしておよそ一分弱。

 アドレナリンの影響だったのか、戦闘開始からゴブリンメイジを仕留め終わって落ち着くまでは軽い興奮状態の為何も感じなかったですが、ブラフマーを黒神に収納し、その後の戦闘分析の途中、自分で行った生き物を殺害するという行為と、その結果である散乱したゴブリンの内臓や脳等と濃い鉄錆臭……血臭ですが、興奮状態が冷めてくるに従い、それらによって途端に吐き気を催し、そして吐いてしまったです。



「うげぇぇぇぇ! ゲホッ、ゴホッ……ッ!? うぇぇぇえ……っ!! はぁはぁ……うえっ!」



 嘔吐えずいて、吐いて。その事による苦しさと辛さで涙や鼻水まみれになりながらも、吐き気は治まらず……その脱力感から粗相までしてしまいました。

 スラさんが股間に居るお陰で下着や女神の羽衣は汚れずに済んだですが、それでもそんな事を気にする余裕が無い程に気持ち悪かったです。



「ヌヴァー! 主の不快の原因、このスラさんにお任せあれ! ヌヴァー!」



 そんな時、そのスラさんがその言葉と共にボクの股間から離れ、そして足を伝って地面に降りると、小さくプルンとしたスラさんの粘着体の身体が次第に大きくなり、ゴブリン達の死体全てとボクの吐瀉物を瞬く間に覆い尽くしました。



「ヌヴァー! 『暴食吸収グラトニーアブソーブ!』」



 次の瞬間、散乱していたゴブリン達の死体及びボクの吐瀉物は見る影もなく消失していたです。スラさんはいったい何をしたんですかね?

 と言っても、恐らく食べた……吸収したとは思うですが、それでも一瞬で消えてしまうとは驚きです。



「ありがとです、スラさん。はぁはぁ……。そ、それにしてもこんなに気持ち悪くなったのは、やっぱりゴブリンと言っても人間に似た魔物だったからですかね? ……慣れるまで辛いですね」


「ヌヴァー! お役に立てた様で何より。ですが、魔石だけは吸収出来ない様で、後は主にお任せします。ヌヴァー」



 そう言うとスラさんは、再びボクの足から這い上がり、股間の定位置へと落ち着きました。随分とスラさんの感触に慣れたとは言え、やはり着脱の瞬間だけは変な気分になってしまうです。……少し、癖になりそうです。



「しかし、ゴブリン相手に身体強化は過剰戦力でしたね。次からは身体強化は無しで戦闘するです。……と言うか、なぜにホーンラビットの巣穴にゴブリンが!?」



 改めて戦闘分析をした所で、その事に気付きました。

 ここはホーンラビットの巣穴の筈です。それが何故にゴブリンが出て来るのか。

 まさか、ゴブリンと共存関係等と言う事はない筈です。

 もしかして、これだけの大きさの巣穴なのだからゴブリンが拠点にする為にホーンラビットを追い出して乗っ取った……って事ですかね?

 だとしたら酷い話です!

 ホーンラビットは言わば兎さんです。見た事が無いので何とも言えないですが、イメージ的にはとても可愛らしい姿の魔物の筈です。その可愛い筈のホーンラビットを追い出して巣穴を乗っ取るとは……! ゴブリン、許すまじ、です!

 ……そもそも、ホーンラビットを狩る為に来ているボクが言えた義理ではないですが。


 ともあれ、もしかしたらまだゴブリンが居るかもしれないので、油断せずに進むとするです!



 それから、壁などが仄かに光る巣穴の中を、ゴブリンからの襲撃に警戒しながら更に奥に進む事30分。今まで一本道だった通路が、再び分かれ道となっていたです。


 あ、そうそう。スラさんが吸収出来なかったゴブリンの魔石はしっかりと黒神へと収納しました。大きさが直径5cm程の小さな魔石でしたが、それでも魔石は魔石です。一文無しのボクからすれば、多少なりとも小遣い程度にはなる筈です。塵も積もれば山となる。ゴブリンの魔石がいくらになるかは分からないですが、今は少しでもお金を手に入れたいので、捨てていくなんて出来る訳ないですね!


 ちなみに魔石ですが、魔物の種類によって大きさが異なり、弱い魔物は当然小さく、強い魔物になるに従って大きくなります。魔石の色についてもそうですね。ゴブリン程度だとくすんだ赤黒い色で、強い魔物だと輝くばかりの、まるでルビーと見まごうばかりとなるそうです。但し、ルビーとは違い、一目で魔石と分かる程に魔力がオーラの様に溢れ出してます。なので、宝石とは見間違う事も無いですね!


 あ、これも忘れちゃダメな事ですが、魔石は必ず魔物の心臓にあります。と言うか、魔石が心臓と言っても過言ではないですね。後で知った事ですが、心臓が完全に魔石となってる魔物もいます。その様な魔物はどんな魔物であれ、恐ろしく強い魔物です。魔力の結晶である魔石が心臓なのだから、当然その魔物の魔力は強大です。恐ろしく強いという事にも納得ですね。


 それはともかく……今は目の前の分かれ道です。

 先程の分かれ道とは違い、今回はなんと三方向に分かれてるです。……ホーンラビットは複雑な巣穴を掘るみたいですね。迷路が苦手なボクとしては悩ましい問題です。



「さっきは右の道を選んで酷い目に(嘔吐)あったので、今回は左の道を選ぶです!」



 三方向の分かれ道は、言うなれば十字路でした。

 男なら黙って真っ直ぐ突き進む、と言いたい所ですが、ボクは多少ひねくれてるので今回は左です。

 まぁ、ひねくれてるからこそ、さっきは右の道を選んだですが。

 ともあれ、ボクは左の道へと進みました。


 辺りを警戒しながら暫く進むと、歪な円形の開けた空間に出ました。その先に道が見えない事から、どうやらこの空間で行き止まりみたいです。ちなみに空間の広さは、天井までの高さが3m、そして直径が30m程です。



「もしかして……ホーンラビットの寝床、ですかね?」



 ボクの言葉が示す通り、その広間の中心付近には何かが居るのが見えていたです。

 壁や地面等に発光物質が含まれていて多少明るいとは言え、太陽の下程明るくはないので、その何かがホーンラビットなのかどうかは分からないです。

 なので、黒神からブラフマーを取り出し双剣として構え、出来るだけ気配を殺しながら近付いてみることにしました。


 しかし、気配を殺しながらと言ってもボクはやはり素人です。二歩、三歩と進んだ所で気付かれてしまったです。



「フゴッ!?」


「ブヒィ!」


「ブヒャアアア♡」


「何ですと!?」



 鳴き声(?)からも分かる通り、ホーンラビットではなかったです……!


 それにしても、何故にホーンラビットの巣穴の中に豚さんが?

 ……等と思った瞬間、その豚さん(?)達はその場でました。



「ふぁっ!? 何で豚さんが二足で立つです!?」



 豚さんが二足で立つという予想外の展開に思わず呆気に取られるボクと、そんなボクに、自らの足でしっかりと歩き、だんだんと近付いてくる豚さん達。その手は何故か人間の様になっていて、しかも、大きな棍棒を持っています。



「ブヒッ♡」


「ブヒャッ♡」


「ブヒョーッ♡」



 奇声を上げながら近付いて来た豚さん達三体の顔は……恐ろしいものでした。

 鬼と言ってもおかしくはない形相に、口に収まりきらない下顎から生えた大きな牙。しかし鼻は見事な豚鼻です。

 身体の大きさは身長が2m前後はあり、お腹にはたくさんの脂肪が付いてますが、四肢はまるで縄の様な強靭な筋肉に覆われていました。

 その姿をハッキリと確認した瞬間、ボクの頭の中にはゴブリンの時と同じく、豚さん(?)の情報が浮かんで来たです。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 魔物名:オーク

 種族:豚鬼族

 ランク:Dランク

 特徴:体長2m前後の豚頭人体の魔物。ゴブリンと同じく雄の個体しか存在せず、繁殖は他種族の雌を苗床とする。ゴブリンよりは知能があるが、基本的には食欲及び性欲の二大欲求が行動理念。やはりゴブリンと同様、中にはオークメイジ、オークリーダー等がいる。

 ゴブリンとは違い、その身は食肉として流通しており、少なからず魔力を宿している為に普通の豚肉よりも数倍美味。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 つまり、ボクの目の前に迫る豚さん達はオークという魔物でした。



「ゴブリンの上位互換的な魔物ですかっ!!」



 貞操の危機、再び。

 どおりで、ボクに気付いたオーク達の声が浮ついてると思ったら、そういう事でしたか。ゴブリン達と同様、ボクを苗床にしようと興奮してたみたいです。現に、オーク達は何も身に纏っていないので、イキり勃ったが丸見えです。しかも、人間の物より明らかに大きいです……!

 身体の大きさは人間よりも少し大きいくらいですが、股間の大きさは優に二倍……いや、三倍近くはありそうです。考えるのもおぞましいですが、あんな物で犯されたらそれこそ死んでしまうです。……徹底抗戦、再びです!


 ゴブリンとの戦闘の時と同様、ボクは白神にマナを込め……ようとした所で思いとどまりました。

 いくらオークがゴブリンの上位互換の魔物とは言っても、いつも身体強化による力任せな戦闘ばかりでは、いつまで経っても技術が身に付かないです。それに、さっきのゴブリン達との戦闘で、双刃剣ブラフマーを双剣にした時の扱い方が何となく分かったです。

 という事で、オークとの戦闘は双剣の剣技のみで戦うです!



「「「ブキィィィ!!!」」」



 ブラフマーを天地の構えに構え、どこからでも掛かって来いと視線をオーク達三体に向ければ、それが戦闘開始の合図と受け取ったのか、オーク達は三体同時に地を蹴って攻撃を開始しました。

 正面のオークは上段に棍棒を振り上げ、向かって右側のオークは上半身ごと大きく左へと身体を捻って横薙ぎの構え、三体目……向かって左側のオークは右側のオークとは左右対称に、上半身を右へと捻ってます。



「「「ブゴォォォッ!!!」」」


「くっ!? きゃあぁぁぁぁぁ!!」



 オーク達による三位一体の攻撃。

 この時のボクには、それを受け止める技術はありませんでした。

 上段からの棍棒の振り下ろしと、向かって左側の棍棒の横薙ぎ。この二つの攻撃は右剣で振り下ろしを、左剣で横薙ぎを受け止める事で直撃は免れました。しかし、向かって右側のオークによる横薙ぎには対処出来ず、まともに一撃を喰らってしまったです。



「あ、危なかったですぅ……!」



 不幸中の幸いと言えば良いのか、まともに喰らった一撃は、ボクの身体が後方へと吹っ飛ばされる時に喰らったのでダメージは全く無かったです。

 何故そうなったのかと言うと、身体強化をしていないボクの力ではオーク二体の渾身の一撃を受け止められず、しかも体重も軽い(秘密です♡)ので、当然の如く吹っ飛ばされました。

 まぁ、まともに棍棒が当たっても、女神の羽衣の防御力はオーク如きには突破出来るはずないのでノーダメージだと思いますが。

 ともあれ、オーク達の攻撃を待ち構えるのでは無く、ボク自ら攻撃を仕掛けた方が良いという事が分かったです。



「攻撃を待つのは得策じゃないですね……! 次はボクから仕掛けるです! ハアァっ!!」



 吹き飛ばされてからの着地後、気合いの声と共に、正面のオークへと向けてボクは地を蹴り、天地の構えを取りつつ間合いを詰めました。その際、フェイントもかけます。視線……いや、顔自体を、向かって左側のオークへと向け、そっちを攻撃するぞ、という素振そぶりです。

 オークは知能よりも本能で動く魔物だからかボクのフェイントに見事にかかり、左側のオークは棍棒を体の正面で構えての防御姿勢になり、正面のオークはボクが向かって来てるのに攻撃してこないのかと右往左往し、右側のオークだけはその隙にボクへと攻撃を仕掛けようとしました。狙い通りです。



「掛かったです! えいっ!」



 袈裟斬りの形で振り下ろされた右側のオークの棍棒を右剣で受けて、そのまま力を流す様に軌道を逸らし、左側の防御姿勢のオークは相手にせず、右往左往する正面のオークに下段に構えていた左剣を切り上げて大きなお腹を斜めに切り裂きました。



「ブヒッ!? ブギャァァァァア!!」



 ボクにお腹を裂かれた正面のオークは、お腹から零れ落ちる内臓を両手で受け止め、何とか中に戻そうとしながらも前のめりに倒れ、そしてそのまま絶命しました。

 左側のオークはそれを見て驚いてましたがまだ相手にはせず、右側のオークへとボクは照準を合わせます。何故ならば、ボクに棍棒の軌道を逸らされて体勢が崩れていた為に隙だらけだからです。



「もう一体っ!!」



 右剣、左剣を上段に振り上げ、それを体勢を崩している右側のオークの両肩へと一気に振り下ろします。白神による身体強化をしていないせいか、如何に斬れ味鋭いブラフマーと言えども、ボクの両手にはオークの肉や骨を断つ嫌な感触がしっかりと伝わってきました。それでも、途中で剣が止まる事はなく、右側のオークの両肩から先をスッパりと両断しました。



「ブギャッ!? ブヒャアア……アァァ……ァァ……ァ…………」



 二体目のオークも両肩からの大量出血により死亡し、残りは左側のオーク一体のみです。後は余裕ですね。

 しかし、油断は禁物です。窮鼠猫を噛むという諺がある様に、死に物狂いになって、思わぬダメージを負ってしまうかもしれないです。

 なので、ここはやはりボクから攻めた方が良さそうです!



「はぁぁぁっ! 『疾風の刃ウィンドカッター!』」


「ブガガガ……ッ! ブヒィッ!?」



 二体のオークを仕留めて一旦距離を置き、そこで魔法を唱えました。ボクの魔法を受けたオークは、自分の身体が左右に分かれる事を驚き、そして息絶えました。


 ボクから攻めると決めた後、攻撃方法に選択したのは双剣状態のブラフマーでは無く、魔法でした。何だか、近接攻撃はしない方が良いと直感した為です。現に、残り一体のオークはグッと力を溜めてる様に見えました。という事は、恐らく……例え女神の羽衣と言えどもその防御力を超え、ボクにダメージが入ってしまう攻撃の可能性があるという事です。油断せずに魔法を唱えて正解でしたね……!


 ともあれ、ボクの放った疾風の刃は力を溜めるオークを頭頂から股下にかけて両断しました。

 風属性の魔法なのにそこまでの効果が出たのは、やはりイメージによる所が大きいです。

 イメージしたのは、圧縮した空気。極限まで圧縮した空気の噴出は人体を容易く破壊します。それを更に薄く、更に研ぎ澄ませる様に放ったのが今回の魔法です。

 魔法のランクとしては、恐らく中級の部類に入ると思うです。ですが、ボクの体内に流れるマナを今回は使用した為、オークを両断するレベルまで威力が高まったという事ですね。



「オークとの戦闘は終わったですが、多少、ゴブリンとの戦闘で慣れた為か、そこまで気持ち悪くはならないみたいです。と言うか、身体強化をしないで近接戦闘をしたせいか、無性にお腹が減ったです……。吐いたのもあるですが……」



 そう言えば、さっき頭に浮かんだオークの情報に食肉として流通してるとあったですが、ホントですかね?

 ……って言うか、今のグロテスクな死体のオークを食べられますかね、ボクは!?

 お腹の部分だけを見れば、確かに豚の生肉と見えなくもないですが、それ以外を見てしまうと、明らかに人間っぽく見えてしまうです。

 お腹の部分だけをある程度切り取り、そして焼けばイケますかね? それ以外の部分に関しては、やはりスラさんにお願いするです。


 何とか食肉として見えるオークのお腹の一部分を、多少の吐き気を堪えながら切り取り、黒神の中へと収納しました。さすがにこの場では食べたくないです。安全な別の場所に移動してから、しっかりと焼いて食べるです。


 そうして残りのオークをスラさんが吸収し、オークの魔石も黒神へと収納した後、ボクはある物が転がっている事に気付いたです。

 ある物とは、直径が30cm程の透明な水晶玉の様な物。最初にオーク達が居た広場の中心付近にそれがありました。



「もしかして、オークの宝ですかね? それとも、まさかゲームみたいにオークのドロップ品ですかね?」



 その水晶が気になったボクはそう言いながら、何も気にする事なく……その水晶を拾う為に触れてしまいました。


 そしてその水晶に触れた事が、以前に述べた思いもよらない事、そして後悔する事となるのでした……

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