第6話 evacuating story...避難活動の物語

「あぁ.........。昨日、結局30分しか寝れなかった.........。やばい.........眠い....。」


と、ボソボソ呟いた。



「あぁ?てめぇ面の色悪ぃぞォ....?」



「いや.........。なんでもないです。」


と、言いつつ内心では、


(こいつ、ぜったいなんかして気を使ったつもりで空回りするタイプだろ....。)


と思った。




ミオリは、俺らの前に立った。


「とりあえず、ここは奈良だって事が分かったわ。」


「奈良って、あの大仏の所?」


「んな事も、分かんねぇのかァ....?」


「あぁ?」凄い形相でヤミドロを見た。



「外は.........。雨ね。とりあえず、今日の行動は控えめにしましょ?」


「つか、無理に動かない方が良くね?」


「いや.........。動かねぇと、色々と駄目だァ....。」


「なんでだよ。」


「空襲という可能性もあるからよ。都市は、案外狙われやすいの。」


「えぇ....?面倒くさ....。」


「だがなァ....。この世界の雨の性質が厄介なんだゼ....。鉄が雨に当たりすぎると、鉄が溶けちまう程やべぇ性質なんだァ....。」


「そんな物に勝てる訳無いだろ...。」


と、自分の能力を確認しながら呟いた。





「だがァ...1つだけ方法がある...。」


と、ヤミドロが言った。


「成功するか分からんがァ...俺がお前らの神経をいじって、バリバリの筋肉質な感覚にするしかねぇ...。俺の体力が減っちまうがァ...。」



「見た目は?」


と、うっかり口から出てしまった。


「あぁん?てめぇ...。見た目なんて気にしてんのかァ....?見た目は、変化しねぇけどよォ....。」


少し、恐かった。まぁ、聞く方もおかしいけど...。


「まァ...。筋肉じゃねえからあくまで、筋肉質のような感覚になるだけだァ...。すぐに体の全力を使ってしまう。」


「分かったわ。じゃあ、調節する事を意識すれば、問題ないわね。」


あっさり、ミオリはOKした。


内心(女子なんだから、もうちょっとビジュアル気にしろよ...。)と思っていた。




「よし...。準備が出来たぞォ...。お前らは、すぐここから、すぐ出れるようにドアのまえに居ろォ...。」


そうやって、俺らはドアの前に立った。



「...。」


指示が出るまでずっと待ってる。


「.........今だァ!!行け!!」



その途端、俺らは、飛び出す様に出て行った。


いつも以上の速さで、雨の中走り抜ける。


当たる雨が、かゆい。


しばらく、走っていると。


走っている時に、足の言う事が突然聞かなくなった。


そのまま倒れ落ち、口も動かなくなってしまった。



そのまま意識が落ちた。




目が覚めると、本が並べてある棚が向かい合わせに配置された場所に居た。


「おい....。目ェ覚めたかァ....?」


「此処は.........?」


「図書館だァ....。しかし、てめぇ体力を調節しなかったのかァ....?おかげでコイツも此処で倒れやがったァ.........。」


そうすると、隣にはミオリが居た。


まだ、目を覚まして無いようだ。


「てめぇを助けるのをコイツは必死だったらしいゼ....。」


「...。」


わざわざ、すまないなと思いながらミオリを見ていた。



「そう言えば、何で図書館に?」


とヤミドロに聞いてみた。


「あぁ?そりゃあ此処を拠点するためだァ...。その他の目的もあるがァ....。」


「その目的って?何?」


「此処には、不属者が居るらしいんだよォ...。」


「どういう事?」


「いわゆる、軍隊から落ちた奴がとにかく、軍隊曰く目障りらしい....。だから、排除するのが普通らしいがァ....。1人脱走兵が居たらしく、排除される前に俺らが拾う訳だァ....。」


「活動は、明日にする...。いいなァ....?」


「分かった。」





しばらくすると、本がある方から何か聞こえた。


「誰だ!!」


ノシ....ノシ....床の木目を踏むと音が鳴る。


「.........。」











to be continued...



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