第5話

「これだから女は面倒なんだ」

アイルは、苛立ちを隠せないまま休憩所から徐々に離れていった。最近魔界には休憩所以外は寄っていない。毎日忙しくて寄れないのだ。今日は、なぜだか早く目覚めてしまい時間ができてしまっただけ。

「おーい。アイル」

遠くのほうで声が聞こえる。こんな遠くでわかるのかと疑うくらいに。アイルは、早足になり声の持ち主を探し始める。だが、いくら探しても見つからない。幻聴だったのだろうか。

「だーれーだっ」

いきなり、目を塞がれアイルの視界が途切れる。可愛らしくてどこか男気のあるような声。

「ミルク」

アイルは、ため息をつきながらその手を離した。

「つまんないの。僕ね、今日のご飯は年上のおねーさんなの」

ミルクはかわいらしい上目遣いでアイルと話す。ミルクは、いわゆるショタだ。人間界の話ではショタという年下キャラは人気らしい。

「毎日、年上なんじゃないのか」

アイルはからかい半分で聞いている。だが、ミルクはなぜか頬を膨らませている。

「そうだけど、今日のおねーさんは巨乳のおねーさんなの。昨日のは普通だった」

ミルクはよほど嬉しいのか笑みがこぼれている。

「おねーさんのお胸をパフパフして、ペロペロしてチュウチュウするんだ」

ミルクの妄想は終わらない。

「もしね、エム気質だったら、言葉攻めして、もっとお胸を攻めるの」

ミルクは本当に雌の胸が好きらしい。まあ、雄にはないものだから求めるのも仕方がない。

「エス気質だったら、おねーさんのお胸に僕のを挟んでもらってしごいてもらいたいな」

ミルクは、興奮しすぎたのか股間が盛り上がっている。体が小さいわりには大きい棒が。

「お前はいいよな。好きな女の特徴とかあって」

アイルは嘆くように呟いた。アイルは、自分の食事としてしか女を見ていないらしい。よくて性欲処理しか……。

「えっ。アイルはないの?もったいないよ」

ミルクは、信じられないという顔をしている。

「きっと俺が女に依存することはないんだろうな」

アイルは、そう呟いてその場を離れた。

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インキュバスは依存したい 花月姫恋 @himekaren

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