学園での日々

私は真っ先に、学園の佑弥君と春紀君の部屋に向かう

今夜はクリスマスイブを一緒に過ごす事を選んだっ。

もちろん、春紀君と交換した腕時計を着けて。

理久君が迎えに来る迄かなり時間があった。


クリスマスの準備をする為学園で食材を貰う。


佑弥君と春紀君の部屋に行くと、春紀君は部屋に居なかった。

佑弥君はベッドに横になって、寝息が聞こえている。


キッチンに移動し料理を作る事に。


余り料理をしていないのか調味料が明らかに置いて無かった為再び、学園の一階へ。


「お姉ちゃん?どうしてこの学園に?」


湧麻君もこの学園で生活していたのかびっくりしている

顔をしながらこっちを見ていた。


湧麻君とは春紀君と一緒に暮らす話は聞いて居たけど、

私が居た事で一緒に暮らす話が保留になって居た。


「そっかっお姉ちゃんと春紀が一緒になるからなんだねっ

僕はてっきり、佑弥と一緒に暮らすとばかり」


「まっ待ってまだ一緒に暮らすとは」


湧麻君がかなりツライ顔を浮かべその場から

走り居なくなり私は、

湧麻君が気になり後を追いかけようとした。


「痛っ大季君?」


大季君に左手首を強く掴まれ湧麻君を

追い掛ける事が出来ない。


「あのっ菜月さんあの時はずっと看病してくれたのに

お礼も言えずにすいませんでした。僕は菜月さんを」


大季君はそう言うとスっと手を離してくれた。

気のせいか大季君はかなり思いつめて居た事に

私は知るよしも無く、あの世に帰ったはずなのに

この学園に来た事でこの日の事が

私の記憶での後悔にへと繋がる。


湧麻君は私を見ていたみたいで目を反らし春紀君が

目の前に立っていてその様子を見ていた。


「菜月ちゃんどっ」


春紀君が何かをいいかけ、その場から走りだし私は春紀君の

後を追う。


「待って春紀君!痛っ」


足のかかとの痛みで再びその場に座り込み、

赤く腫れた場所をさする。


春紀君君は振り返ると私に接近し

私の手を握ると廊下を凄い早さで歩きだす。


「ちょっと春紀君、いっ痛い離して!!」


私は春紀君に手を引かれるまま階段の広い場所で止まると私を、

壁側に押し向けてきた。


「なんで!菜月ちゃん大季君と一緒の部屋に居た事あって

何日も一緒に居たの??

それに湧麻に言ったあの言葉って、

僕の気持ちは本気なのに」


春紀君は強い口調をぶつけて来た。

周りを気にする事無く。


「ごめんなさいでもっあの時はほっとけなくて

涼君の部屋に帰す事もだからって

春紀君や佑弥君の部屋にでは迷惑になるから」


春紀君は目を見開き下を向く。


「ごっごめんっ僕余分な事言ってるよね

菜月ちゃんの気持ちも考えずにでも

僕は菜月ちゃんの事あの大季って人に取られたく無いから!

湧麻に対しては僕から説明しておく」


春紀君は私の左手首の腕時計を見て顔を少し赤らめ

何も言わずに階段を降りて行ってしまった。


私は、春紀君の気持ちをもっと考え無くてはいけないきがした、相手がまだ定まって居ないから。


佑弥君と春紀君の部屋に戻り、佑弥君の部屋に行くと

佑弥君が起き上がり、私と目が合う。


「なっ菜月さんどうしてここに」


「座って佑弥君」


私は冷蔵庫から手作りレアチ‐ズのケーキと、シャンパンを出してテ‐ブルに骨つきのチキンも置いた。

辺りを暗くする為部屋のシャッターを閉め暗くする。


「ロ‐ソクに火を点けるねっ」


っといって部屋の明かりを消す。


佑弥君の顔がロ‐ソクの明かりで光る。


「はっ春紀は?」


「春紀君とは後から二人でやるから、

今は佑弥君と二人で過ごしたいのっ佑弥君私の事に

はじめから気づいていたよねっ?

でも私は記憶を失って居たから佑弥君に気づいて

あげられなくて」


佑弥君は少し表情が暗くなる。


「妖精による力がこんな風に影響していて

でも、菜月さんは被害者だから気にしなくても」


「佑弥君も被害者だよっ、まだたまに意識が飛んで」


「俺その事で気になる事があって、夢の中に紫色の闇が

たまに出てきて、もしかしたらまだ闇が居る気がして」


紫色と言う言葉に以前佑弥君と戦った人魚の闇が

頭に浮かぶ。

佑弥君はかなりの月日が経ったにも関わらず、

余り回復していない事も。

大季君なら何か知ってる気がした。


図書室に居る、魂を司る人でももしかしたら、

協力して貰える気も、私は中央の館の二階にある

図書室に向かい魂を司る人を探したが見つからず。   

                      

私は、一人裏庭の森の中を歩いた外の風を充たって来たい

考えたいと思ったから、

森の中を少し気晴らしに歩く事に。


っとその時…“ガサッ”

っと音がした。


森の中を何かが歩く音?

それとも動物が居るとか。

少し恐怖を感じて戻ろうと学園を目指して歩き始める、

目の前に輝かしい七色の渦が現れいつの間にか辺りは夜に、

どこに時空移動してしまった

月明かりが照らしてくれるおかげで、辺りは明るい。


「確かこっち?」


いつしか私は方角がわからなくなり迷宮入り。


『右も左も同じに見える困ったなぁ、ここは一体』


“ガサッガサッ”


また茂みから音がした。



「だっ誰か居るのかなっ」


小さな声で恐怖をかき消すように声に出し草を両手で

かき分け見てみると。


私はある光景に目を疑った。


あれは忘れもしない黄色い髪の人魚、ではなく黒い髪の長い方の人魚が

大季君とキスを交わしていたお互いに腰に手を回し。

たしかにはあの時人魚姫の館で倒し敵であったはずなのに、

私は大季君が気になり草の間からじっと見る。



「大季私は少しやる事があるから、

このペンションへ帰ってちょうだいねっ」


黒髪の人魚は二本足の人間に生まれ変わったのか普通に歩いていた。


「かりん」


大季君は悲しそうな顔で闇だったかりんさんに左手を

突き出し届くはずの無い手を

かりんさんに向けて手を伸ばした。


愛する人が二度と自分の元に帰って来ないような悲しい顔に見えた。


黒髪のかりんが見えなくなると、痛みからか

大季君は大きな木によさり掛かり満月を見上げていた。


私は闇の黒髪のかりんさんの姿は無いのをしっかり確認すると、


歩くのが少し困難な道ではなく草を踏みながら大季君の方に歩きだした。


「かりん」


目を疑うような言葉が大季君の口から出た。


「かりん」


私は、今の大季君の言葉が心に突き刺さる。


下をうつむいた瞬間、大季君は何かを感じ取ったのか、

こっちに目を向け。


「菜月さん!?」


大季君は木によさり掛かり木から離れ、

一歩ずつ顔を歪めながら私に歩み寄って来た。


あと少しの所で、大季君は腰を曲げそのまま地面に手を突き倒れこんだっ。


私は、大季君に近寄り大季君の肩を少しだけ触る。


「うぅ」


そこ迄痛くないはずの場所迄、大季君が痛み始める。


「大季君?」


大季君は、紫色の何かに包まれていた、この世界の闇の人魚と関係がある気がした。

震える身体を無理やり起こし大季君は目を覚まし近くの木迄移動、

一歩一歩何処に向かい歩く先に、小さな小屋が。


大季君は小屋のドアを開けた瞬間。


“ドサッ”


っと再び力尽き倒れる。


「大季君」


大季君の顔にわずかに擦りむ《す》いた後が。



私は大季君の顔に付いた土を少し払うと 

大季君は仰向けに横たわる。


私の手を掴みふわっと引き寄せた。


「菜月さん僕はもうあなたと居ると気持ちがあなたに向きそうになる

あなたにはもっと幸せにして…うっ」


私は、大季君の口をとっさにふさ

大季君は私を他の人に向けようとしているそんな気がしたから。


大季君は私の手を充てると引き離した。


大季君から紫色の何かが少し弱まる。


「菜月さんここから離れてここは危険っはぁはぁ、元の世界に戻って」


荒っぽい息をして、少しだけ様子がおかしい気がした。

いつもより、荒い息。


「大季君」


大季君は段々意識が遠退いて行き声を掛けても返事が無くなった。


私は大季君が心配になりいつしか隣に寝そべり、

一夜を過ごした。


翌朝私の部屋の外から春紀君の声が聞こえ飛び起きた。


「菜月ちゃん起きてる?僕だよっ!

学園に新しく出来たアトラクションに行かない?」


春紀君が嬉しそうに聞いてきたけど学園のイベントに参加

出来る事を始めて知った。

聖霊は居ないのに。


「?待ってねっすぐに行くから」


私はすぐに準備し二人で外に。

春紀君は、“遊びランド”と書かれた新しい

アトラクションの建物に入って行く。


「ここって」


建物の中には、

学園の生徒が円上の自転車にまたがり、

目の前にコマがあり、まるで人生ゲームをやっているみたい。



明るくピカピカ光り夢中になって遊んで居る。

「菜月ちゃんここっここっ」


春紀君が手招きしていた円の様な壁に、

モニターが貼りつけてされていて、

私は中央の両サイドに繋がれた

二人用自転車にまたがり。

右側に春紀君、左に私が乗る。


「このボタン押すよ」


ピピッと音が鳴りモニターにスタートの

文字が浮かびあがる。


「では二人で手を前に突き出し、愛の確認をしてください」




アトラクションの、モニター音声が喋り

前に手を出して愛の確認をって。


「愛って前に手をお互いに出したらいいの?」


春紀君はびっくりしながらせいので同時に手を突き出すと、

周りが暗くなった。


「?何何で暗くなるの」


「では、出発のキスをお互いに交わし、

ゲームスタートさせて下さい」




辺りの壁が自然の中に居るような風景に変わり

春紀君の顔が赤くなる。


「えっスタートするのにキッキスって」


春紀君がよろけて自転車を降りてしまうと、

ブ‐っと音が鳴り、降りる事を阻止されたみた。


「これってもっもしかしたらゲーム

クリアする迄出れないのかなっ?」


私が言うと春紀君が少し泣きべそをかいたが再び自転車に

春紀君はまたがり。


「ごっごめんねっ僕何も知らなくて」


私は少し照れながらもチュッっと

ハルキ君のおでこにキスをすると、ギィ‐っと

画面が切り替わる。





「自然の中を進むにはお互いにペースを合わせ

ペダルを漕いで下さい」

目の前に自分の分身が現れ、春紀君の分身も写し出された。


着ていたのはゲームの世界で着ていた学園の制服。


「さぁペダルを漕いで、この先に待ち受ける

愛を邪魔する闇をやっつけて下さい」


私は真っ赤な顔でおでこを触る春紀君と

息を合わせペダルを漕ぐしかし少し呼吸がズレるだけで

止まってしまう。


「どうなって居るんだろう…?」


「春紀君何かこのシステムおかしくない?」


春紀君と顔を見合せ、

とにかく、1、2、1、2、と漕ぎ進める。


段々慣れて来ると、山道に差し掛かる…すると

自転車が斜めに上がりペダルが少し重く感じた。


「ちょっと重いこのペダル」


春紀君と一緒に漕いでも中々前に進めず苦戦する。


「おっ重い」


春紀君が何となく自転車に立ち上がり、

私も春紀君の動作を真似し自転車の上に立つ。


身体の重心を前に倒すと今度は春紀君が真似をし。

山道を無事に登りきった。


山が終わると次は川、

川に細い木がありその上を渡れと言っている様だっ。


春紀君とゆっくり木の上を進み少し足が痛くなって来た。

「菜月ちゃん大丈夫?」


春紀君が心配し声をかけてくれたおかげか

何とか渡りきった。


「自転車でのコ‐スクリアしました…次は自転車から降りて、次のダンジョンに移動してください」


「次の…って」


壁は、全く開かない。


画面に現われたのは

洞窟の中。


周りの風景が洞窟に変わり紫色の渦が現れ

私達は洞窟の中を歩く。


春紀君が近寄り一緒に寄り添う様にダンジョンを歩く。


「洞窟の中に湖って」


目の前に、湖が表れ進と湖の中に入るのと同じように足元が冷たく感じた。


「何っ聖霊を取り戻した時みたい」


「聖霊を取り戻したってだっ誰と?」


不安な気持ちになるのと同時にハルキ君も恐がっていた。

春紀君は佑弥君と二人で聖霊を取り戻した事を知らない、

春紀君と会ったのはあの後だから。 


「大丈夫?ハルキ君」


春紀君は震えている。


「がぁ!!」


目の前に緑色の竜が現れ炎を吐き出すと、

部屋が暑く感じた。


「ここ迄再現しなくても…」


びっびっ…プチンっとモニターが消え

急に周りから声が聞こえる。


「かっ火事だっ!!」


「イヤッ誰か助けて」



「これも何かのアトラクション?」


シュ~っと少し焦げ臭いにおいが壁から入って来た。


「ごほんごほん何かっ少し焦げ臭いよねっ」


春紀君が壁を触ると。


「熱い菜月ちゃん火事なんだよっ早く逃げないと」


私達は、この建物内の何処かから火事が起きた気がした。



「菜月ちゃんこっち早く!!」


左手を春紀君に掴まれ建物から出ようとした。


ガタガタガタガタッ


建物がまるで崩れてきそうな音が聞こえている。


「菜月ちゃんここから出よう!!」


再び紫色の渦が現れ渦から外に出ると、

なぜか何事も無かった様な綺麗な建物が。


「あれっ火事はどこに?」


紫色の渦は背後から消え学園の生徒達も何事も無かった事に安心した様子。


「菜月ちゃんこれからどうしようか?」


「学園のクリスマスイルミネーションイベントが今夜

あるみたいだけど、学園の看板に書かれた文字を見ると」


「僕余り人が集まるイベントはちょっと」


前に、歌手をしていた事もあり、周りを気にする春紀君

それにしてもあの紫色の渦、どこから現れて居るのか

謎になる。


「なっ菜月ちゃんそろそろ学園に戻ろっ

他の生徒に見つかる前に」


なるべく人目を避ける場所を使い、

生徒に見えない場所に隠れながら歩いていたけど

不振な事件が起きて建物の近くは生徒が

沢山集まって来ている。


「春紀君私の部屋に来て貰える?」


「菜月ちゃんの部屋?

うんっ行くよっ僕、菜月ちゃんと一緒に居たい······」


春紀君の言葉が急に止み目の前に涼君の姿が。


「りっ涼君?」


「なっ何?」


春紀君は私をガードする様に立ちはだかる。


「少しお時間頂けますか?」


「春紀君少しだけ涼君も私の部屋に······」


「うぅ······わかったよっ」


顔がかなりむくれ不満な顔をしている春紀君には悪いけど、

このおかしな状況を相談しないわけにも。


私と、涼君、春紀君は私の部屋に移動した。


"ガチャン"


各自椅子に座るテ―ブルの上に紅茶を乗せる。


「ありがとうございます菜月さん」


左側に涼君、手前に向き合うように春紀君が座り

ここっと左手で春紀君の隣に座るように

春紀君はポンポンと椅子を叩いて居る。

私は春紀君の隣に座る

「菜月さん突然すみません、あの世に帰ったのですが

大季が急にこの世界に戻って」


「菜月ちゃんに何か用事があるの?

大季君菜月ちゃんの事を連れて行くとか?」


春紀君は少し興奮している。


「言えっそうではありません、ここ最近時空に歪みが

発生していたものですから」


「紫色の渦ですよね?」


「ええっ気づかれて居たようですね

その渦が発生していたものですから僕の方で調べて居ました

この渦の正体はわかりかねますが 

闇の人魚姫の作り出したネガティブエネルギーで

出来た可能性があります。

あの世に確かに闇の人魚姫は来ていましたが

お恐らく、二つに別れた魂のもう一つがこの世に

留まった可能性が」


「私、学園の裏庭で見ました大季君と一緒に居た所を」


「菜月ちゃん何かされたの?大季君に」


春紀君は身を乗り出し興味津々に聞いてくる。


「なっ何もされて無いよっ大季君とは何も無いから」


「とは?だっ誰か他に居るの?

菜月ちゃん!」


春紀君は私の方をじっと見ながら真剣に見てくる。


「話を戻しますが、春紀君少し黙ってて頂けませんか?

今大事な話をしていますから、

それで、相談なのですが聖霊をもう一度よみがえらせる

方法があるのですが」


「また菜月ちゃんの記憶を奪うつもり?」


春紀君は涼君の方に身を乗り出し、

両手をテ―ブルの上に付きながらかなりの怒った

表情を向けている、言葉も強めに。


「ええっ確実には否定は出来ませんが

あれは記憶を奪ったのは聖霊ではありませんので、

知っての通り、あれは闇の妖精の仕業でして」

 

「佑弥君の調子が戻らないのも、それが関係している

可能性も?」


「ええっ恐らく、紫色の炎をまともに受けてますので

只、今回の場合、闇の人魚姫ではなく

全く真逆ですから、大季が許すかどうか

紫色の渦が出来る原因は間違い無く

姫の影響ですが自覚されていない場合もありますから

闇ではなく、光の姫と呼んでも」


「涼君、大季君の体に紫色のエネルギーが流れて居たの

大季君の体に影響が出ていたから」


「近くに居ては危ないのは確かにあります、

聖霊が居なければ倒す事も」


「剣を使わなくても倒す事は出来ないの?」


涼君は何かを考える仕草をすると。


「剣は無くても魔法が使えたら倒す事は可能かも

しれません、ですが習得しなければならないのは

同じですが?」


「佑弥を元気にするには、やらないといけないんだよね?

僕やるよ?」


春紀君は椅子から立ち上がる。


涼君も椅子から立ち上がり涼君に着いて行くと図書室に

図書室の奥に進むと部屋があり中に入ると、

魂を司る王子の姿が、テ―ブルの上には大量の本が

重ねられて積み上がっていた。


「まだこんな所に居たのですか?

今は一大事ですお力をお貸し頂けませんか?」


魂を司る王子は涼君の方を見て読みかけの分厚い本を

テ―ブルの上に置く。


「何かありましたか?

そこ迄涼君を真剣にさせる様な物事でも」


涼君は今迄の話を魂を司る王子に説明

王子は、紫色の渦に対して涼君の意思に賛同。


「ですから、あなたにもご協力頂きたいのですが?」


「わかりました、ですが今すぐにご協力は出来ません

僕は少々お時間頂けませんか?」


魂を司る王子は、再び読んで居た本を読み始め、

何かを調べて居る様に思えた。


「仕方ありません他にご協力していただける

方を探しましょう、誰か心辺りがあるとすれば、

佑弥君は無理ですし、湧麻君は今どうされて居ますか?」


「湧麻君は何処に居るか春紀君は知ってる?」


「確か男子寮に居るはずでも、湧麻は忙しいから

難しいと思うよ?

僕のお仕事を引き継いで居るから」


「そうなると理久君しか動ける方が居ませんが」


「りっ理久君は今何処に居るかわからないから

無理じゃ無いかな?」


春紀君はなぜか他の人の協力を拒んで居る様に思えた。

私を他の男性に取られたく無い一心なのかも。


「理久君は今日の夕方には学園に来てくれる事に

なっているの、ちょっと助けて貰った事があって」


「夕方ですかっ、わかりました」


涼君は目を閉じ何か集中し始め、数分後目を明ける。


「今から来てくれるみたいです。

僕達も学園の裏庭に急ぎましょう!」


「涼君一体何をしたの?

理久君が来てくれるって」


「この世ではテレパシーと言えば良いでしょうか?

あの世で習得してきました、王様からの許可を得ることに

少々時間はかかりましたが」


涼君と一緒に服装を統一した方がいいと

学園の制服に着替えた後。

学園の裏庭に移動した。

既に理久君が裏庭の出入り口に立っていた。

学園の制服に着替えて。


「これで森の中に行けますね?

では行きましょう」


涼君の後をズラズラ続けてみんなで歩く、

しばらくするとペンションが見え、

涼君は迷うことなく中を開くが、中には誰も居る気配すら

無かった。


"バタン"


「おかしいですね、ここから大季の気配を感じて居たの

ですが、何かあるのでしょうか?」


涼君は辺りをキョロキョロ。


「あっあのっ少し良いでしょうか?

僕ここを先程車で通り見ていたのですが、

あちらに大季君が行かれるのを見ていました」


理久君が右人差し指で示した方角には

滝の音がしていた。


みんなで少し奥に進むと、一度来たことがある小屋があった。


「理久君が言われた通りこの中から大季の気配を

ぐっ!!」


涼君は一人走って小屋の中に。


"バタン"


「涼君!待って!!」


涼君の後を追いかけ小屋の中に入る。


"バタバタバタバタッ"


"バタン"


小屋の中に入るが涼君しか居なかった。


「誰も居ないよ?

確かにここに気配を感じたの?」


春紀君は小屋の中をキョロキョロ


「待って下さい下手に動かないで下さい」


涼君は再び意識を集中。


「ここですっ!はあぁぁっ!!」


涼君が何かの波動を右手で振り払うと、

紫色の渦が目の前に現れた。


「ぐおぉぉっ」


何かの恐怖を感じる声今までは吸い込まれる様に中に

移動出来たけど今日はどこか違っていた。


「菜月さん僕から離れないで下さいね?

危ないですから」


涼君は以前より格段に頼もしくなり、

力を得た様に思えた。

春紀君は私の右手を力強くぎゅっと掴んで来た。






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