祐弥との学園生活

「おはようございます。大季がこの部屋だと

カウンターで聞き来たのですが、

あなたでしたか同じ部屋は」


「ごっごめんね黙っていて、大季君と同じ部屋なの言わず」


「いえっ、あなたでよかったです。別の生徒の方ではなくて


いじめられてましたから、学園の生徒達から。

これから父に会ってきます。少しの間学園に戻れませんが」


涼君のお父さんが居るという国へ私も行ってみたいと言おうとして居た。

しかし涼君は着いてきて下さいと

言って貰えるはずも無く大季君の事をお願いしてきた。

人魚姫はあの後亡くなったと思われた。

その事を知り、大季君が心配に溢れる涙を涼君が見て。


「すみません本当の事を言うべきでは無かった、

あなたを泣かせてしまうなんて、

大季は心の闇の中に居ます。僕では助ける事が出来ませんでした。僕はその辺りを探してみますから、瀬戸菜月さんは

朝ご飯でもゆっくり召し上がっていてください。

僕は、大季その事探して来ますから」


涼君は部屋から出て行き私は涼君の後を追いかようとは、

思わなかった。


「大季君行くなら何処に行くかなっ?」



私の中で、大季君の居そうな場所を特定しようと、

いくら考えようと心みても想像がつかなかった。


ニーナが考え込み、部屋の中をうろうろ落ち着きが無く

何か感じ取っている様に見えた。


「ニーナ?どうかしたのっ?」


ニーナはうろうろし、

私の声がまるで聞こえていない様な無表情の顔。


菜月感じたよっ大季君の声が。


冷たい心の叫びがでも見えないのっ姿が

大季君の姿が、どこかに閉じ込められて居る様な。

ここの何処かにはいるのに」


ニーナなら大季君が居る場所を捜し出せるそんな気がした。


『目には見えない姿、まさか幽霊になったとか?』


私は嫌な予感もしたけど、とにかく大季君を助けないと。

私は、ニ―ナに誘導を頼み後を追った。


「待ってて私が今行くから」


ニ‐ナは空中に浮いて居る為走って追い付く事も

少し疲れ始める。

離れて行くニ―ナを呼び止めてしまう。


「ニーナもう少しゆっくり飛べないの?さすがに疲れたよっ」


ニーナは突然立ち止まり一階の、食堂近くにある、

黒い扉を見て、手をかざし目を閉じた。

「菜月 この奥から大季君の声が聞こえた。


とても悲しい声このままほっとくと、この世には

戻って来れないかも助けに行くにはそれなりの覚悟が必要」


私は迷っただけど行かなくては、

大季君を助けられない気がしたから。


「行くよっ!助けに」


二ーナは手をかざし目を閉じ黒い扉は黒い渦を巻いて、

人を寄せ付けないような雰囲気が全身に伝わってきた。



僕は何の為に生まれてきた

僕はもう大切な人を失った助けたかった人を救うことも

出来なかった」


私の心の中に確かに聞こえた声。


何かを失い

心を閉ざし悲しみに包まれた、悲しみ。


迷っている時間は無い。


「行こう!大季君を助けに」


ニーナと共に渦の中に飛び込んだっ。


“ゴォォ―”


体がチクチクと痛みが走る。


『苦しい心が痛いこんなにつらいのははじめてなのに、

不安な思いもすべて感じるどうしたらいいのか迷っている』


私の中に色々な感情が次々入って来た。


でも、私はこの悲しみを乗り越えなければ、

大季君に会えない気がした。


これは大季君そのものが作り出した、気持ち。

だったら乗り越えなければ、救うことは出来ないと。



「「大季君戻ろう大季君の居るべき場所はここじゃ無い」


私は、心の中で念じた。


「菜月さん?どうしてここに?

僕は失いました彼女を

彼女は、ありがとうと言いながら、ごめんなさいと

僕は彼女を救うこと出来ませんでした」


ぼろぼろ両目から涙を浮かべる大季君。


心を閉ざし大きな悲しみ、けれど私の中の勇気づけたい

気持ちを、軽く押し退けられた。


聖霊を作り出し学園を守り必死になり、

けれど最終的に彼女を救うことが出来なかった

大季君の気持ち。


本当に愛した人を救えず悲しみ、

私には大季君の気持ちを受けとめることが、辛かった。


でも、例え救えなくても、命を捨てて欲しくない

そう思った。


「あなたはまだ生きて色々な世界を世の中を

見せてあげる事まだかりんちゃんも居る。


かりんちゃんは大季君を待って居るよっ?」



かりん僕は、かりんを育てる資格があるのでしょうか。


妻は、かりんを産んだ後消息不明になりました。



闇の人魚は本当に愛した人とは違うそれを産み出したのは、

僕自身なのかも」


大季君の悲しみが一気に強くなり、私の体にさらに

痛みを感じた。


「大季君」


私は、大季君を救うことが出来るのか段々不安になった。


本当に愛した人と一緒になれず、人魚姫を助ける為に

愛した人は子供を産み亡くなり。


ダイキ君の背負ったものは大きいこ人魚と恋に落ちても、

闇に体を乗っ取られ

最終的に助けられず自分を攻める大季君に。


涼君も辿り着き、大季君が何も寄せ付けない

闇の様な表情を浮かべ、まぶたから滴りしたたり

落ちる涙。


先程僕の聖霊が大季の居る場所に行くように言われたので、菜月さんと。


「大季君の悲しい叫びが聞こえる、でもニーナでも、

ポンタでも無理そう」


ニーナは、首を振り大季君を見ながら言う。

私は嫌な気がしたけど、大季君に右手で手を伸ばす。


うっすらと目を開けこっちを見て涼君の姿も見て居る。

意識がはっきりと戻り、こっちを見て居たので話を続ける。


「お願いそっちに行かないで!かりんちゃんの為にも、

そこに居たら戻れなくなるお願い、手を手を伸ばして!」


大季君の向こう側に大きな闇の渦が近づいて居る。

あれが何かはわからないでも、あそこには飲み込まれて欲しくないと私は思った。


「菜月さん」


大季君は右手を伸ばし、私と涼君で大季君を引っ張り一瞬にして黒い渦が消滅しうつ伏せに大季君は倒れた。

私は二人を見て悩む涼君は、父親に会うと行ってしまい、

連絡が取れなくなった。

大季君を取り戻し私は人魚姫の館を馬車を使い移動し学園に戻る。

他にも大季君と佑弥君と春紀君と友松さんも乗っていた。

外は真っ暗で夜景が見えて各家庭の電気や外灯、ビルの電気が百万ボルトの光で空から見えて素敵だった。



ニーナのかけ声が聞こえ意識が一瞬で佑弥君の中に移動、目の前に大きな渦が現れ、

中に入ろうと試みる。しかし、渦が邪魔をして前に進めず。


「だったらこれならどう!えいっ!」


カムイの声が聞こえ急に渦が逆回転シューッと目の前から渦が消えた。

その瞬間明るい光の道が出来進む。辺りは自然が現れ一匹の三毛猫が私の隣を、

歩き着いてくる。

歩く度に猫は段々人の姿に変わり、猫耳に茶色い髪で子供の姿に変わる。


「お姉ちゃん来てくれたの?久しぶりだね!又会えて嬉しいよ」

ニコニコしながら、言葉を喋る猫耳を頭に着けた子供。


「私あなたに何処かで会った事があるの?」


間を置き、私の言葉に凹む子供。


「そおっ覚えて居ないんだね、きっと思い出すよ大丈夫、

だけど寂しいな覚えていてくれないなんて、まあいいかぁおねいちゃんこっちに来て?」


私は子供の後を着いて行くと、聖霊が現れ消えるとシャボンの中で、

大きなトラックを見つめ涙を流す男の子の姿。

私の夢の中に現れて居た男の子、恐らく佑弥君。


「はあっはっはっはっ、こんな所に迄来るとは、だがそうは行かないぞ」


急に紫色の渦が現れ、先には進ませない様に邪魔をしてくる。佑弥君を苦しめる犯人は妖精だと思われた。


「あなたは誰なの?邪魔をして苦しめて、幸せを感じて居るの?なぜ?」


「あははははっ理由?決まって居るだろ、妖精の力の為に私を利用した、

大季、あの男は人魚姫が好きで私が好きでも無いのに子供を産み聖霊の力まで使わせ

私の持つ能力で苦しませる為に人魚姫の闇を作り出した。

だからだ、私はこうなる事を出会う前から知って居たから、そして密かに

お前に思いを寄せる大季が許せず、同じように苦しめる為に

お前の思いを寄せる佑弥とお前の人生を狂わせる為に、記憶を消し邪魔をして居た」


「私の中に出て居たあの雷と倒れて来た木あれは、あなたがやった事なの?」


「分かるだろ?人を愛する為ではなく、利用される気持ち、それを恨みにし

人生を狂わせる気持ち」


「分かるわけない!人の人生を狂わせて、幸せを奪いその考えは違うもの、

自分が幸せになり他の人の幸せを願えない人が、幸せになる事なんて出来ない、

自分一人が幸せになる事では愛とは言えない」


「うるさい!私はかりんを産み、幸せになりたかっただがあの男は、

人魚姫を愛し、もしあのまま二人が結婚していれば私はかりんを産む事さえ

出来ずに、この世を去る私は産んだ子さえ私に刃を向けたのだぞ、

私には幸せなど存在していないのだ、この悲しみが分かるのか?

お前の過去の記憶を奪い聖霊を次々誕生させ学園を守っていた様に見せかけ

正義のつもりかも知れんが」


なぜ、いつ迄も人が苦しまなければならないのか、

人を愛し手に入らなければ

対立をしなければならないのか。


「お前が大季を心配し手を差し伸べ、密かに思いを寄せる

大季お前は、私の人生をめちゃくちゃにした。

私に刃を向ける仲間私にはお前の様に仲間も

愛してくれる人も、子供も居ない」


「大季君とかりんちゃんは、あなたの娘、ならどうしてかりんちゃんを敵にするような行動を、

嫉妬して退治しようとするの?二人は結ばれて幸せになるた為に人魚姫から大季君の幸せを奪うなんて

あなたに対して助けを求めたのは、人魚姫を救う為でも、あなたが力を貸さなければ

この戦いも起きなかったんじゃないの?」


「私には人の心を読む特殊な能力と未来を予知する能力が

幼い頃から持ち、

その能力は私の仲間を作るどころか気持ち悪いといじめを受け、私はいい未来を見る事で救われるかも知れないと

タブーを破り見てしまった。


自分の未来を見てはいけないと、

私の能力を高めた師匠から言われていたが、

私が見た未来は、何一つとして幸せとは言えない」


悩みを打ち明け苦しむ妖精の世界の姫。暗い闇の渦の中から姿を現す。

とてもかりんちゃんに似ている女性、大季君の気持ちの中では人魚姫を思い、

私のする行動で妖精界の姫を嫉妬させて居た。


私はこの妖精界の姫を救わなければ、

佑弥君も大季君も又危険な目に遭わせると感じた。


「未来を見る能力は人を時には救う使い方を間違えれば、人を不幸にする、

でももし、人魚姫と大季君が一緒になっていたら

かりんちゃんは産まれる事はなく未来は変わって居た。


例え大季君の気持ちが人魚にあっても、

それは二人が決めた事かりんちゃんを産み子供を残す事は、

人魚姫には出来なかった事で、

妖精界の姫と一緒になり子孫を残したとしても結婚して居る、結婚して居ても愛のない結婚では満足出来なかったのは愛が無かったから?」


「お前に分かるはずもなかろ、相思相愛になれる相手がいれば私はここ迄苦しむ必要が無かった」


「人の幸せを奪う事をしてその人から愛されようとしても、愛する事は出来ないと思う、

傷つけあう愛なんて愛では無いから」


「私は自らが遠ざけて居た事になるのか、二人を引き裂けば私の思い通りになると思って居たが

そうでは無く、その行いで傷つけて居ただけだと、愛され方を間違え」


「ニーナのママは菜月の記憶から産まれていたにしても、

精霊の姫が居なければ

私達は産まれては来なかった菜月には悪い事をしてしまって居たけど感謝しているよ?」


学園の中で産まれた聖霊達が妖精界の姫の周りに集まり囲う、妖精界の姫は聖霊に囲まれ

涙を流す。自分が持つ力を人の為に使うにしても悪い事に使えば人を苦しめ人を不幸にしかねない、

人から愛される事では無く嫌われる事をすればマイナスにしかならない。


聖霊が集結し闇の妖精をオーロラ色の光の中へと誘導すると、闇の力が弱まり、闇の妖精になっていた

妖精が黄色い光に包まれ

シャボンの光に変わり姿を消す。


「ニーナ!来てくれてありがとう」


「菜月あなたの記憶は自分の中にあったなんて

知らなかったでも、早く佑弥の所に時間が無いから!」


闇の渦が明るい光に変わった瞬間、佑弥君と幼い時に体験し無くしていた記憶が、

目の前に闇の妖精として消えたシャボン玉と

オーロラの光の中へと連れて行った学園の聖霊のシャボン玉が沢山集まる。

ポンッと弾けると。


「佑弥君この猫お家に連れて行ってもいい?」


「うんっいいよ」


茶色い猫が姿を現し。


「これは私にゃぁでも菜月も佑弥も捨て猫の私を家族は受け入れてくれず

私は二人にこの場所で大切に育てられていたにゃ、

でもその後嵐の日

雷が木に落ち倒れて来た。木の下敷きになった事で菜月が記憶を失たと思われたのかも、妖精に記憶を奪われていたにゃんて、佑弥と居る事で災いが降りかかると思うような出来事が次々に起こり始め、

あなたと佑弥は両親により引き離された。


私は、友松秀介ともまつしゅうすけ

今は二人のマネージャーをして居る母、友松千歩さんに

引き取られ生きることが出来たにゃん、

菜月さんと佑弥君の両親から

悪い記憶は今は消えたはず、佑弥は苦しみを隠して居たけど辛かったはず

にゃぁ、一緒に居ると辛い記憶を取り戻してしまわないか、

元の世界に戻ったら、千歩さんを頼ってみるといいにゃぁ

近所に住んで居るはずだからにゃん」


猫の姿をして居た子供が消えると、糸に繋がれ身動き出来ずに居る、佑弥君の姿が見え佑弥君の元に走る。

いつの間にか姿を現したカムイが、剣に姿を変え。

私の目の前でぷかぷかと浮いている。

私は手に取り剣を使い糸を切る。


「はぁっ」


ザクッザクッ


下に倒れる前にカムイが聖霊に戻り佑弥君を受け止めると、僅かに佑弥君が目を覚まし、私の方を見る。


「んんっ?菜月さん?どうしてここに?」


ふわふわ浮いているシャボン玉が佑弥君と私の前に現れる

恐らくさっき消えた茶色い猫。


茶色い猫が木の前で猫用のミルクを舌で飲んでいる。

幼い私と佑弥君で笑顔を浮かべ喜ぶ姿。とても幸せそうな二人の前に急な雨ゴロゴロと雷が鳴ると、

雷が猫を直撃し倒れる猫。


妖精の姫は猫を手に取り連れて行く。

私が泣く姿を見てポケットからハーモニカを取り出し、

佑弥君が吹くが、音が鳴るくらいで曲にはなっていない。


苦しむ妖精の姫の手から猫が落ち佑弥君が拾い上げ、

猫が目を覚ます姿が。


シャボンの記憶がパッと消え


「菜月ニーナとカムイはここでお別れなの

今迄ありがとう、最後の記憶はいつか思い出すと思う」


「菜月、佑弥の事宜しくね」


「ニーナ!カムイ!」


「さぁ!行ってもう時間が無い」


ニーナとカムイが同時に手を振りかざす。


「えいっ」


目の前にトンネルが現れ進むと小さな男の子と女の子が仲良く遊んで居る時が移動し男女は幸せに暮らし、

子供を授かって幸せそう

そこに、雨をもたらす為のお供え物として選ばれたのか

連れて行かれる女性と赤ちゃん、男性は全てを失い餓死

女性と赤ちゃんは大嵐を呼び近くの川に呑まれて亡くなる。


恐らく前世で起きた魂の記憶だと思われた。

祐弥君の記憶の中に居たのは恐らく私、祐弥君とも再会して居た事を知る事になった。


パァーっと目の前に渦が現れ元の身体に意識が戻る。

佑弥君はまだ目を覚ます事無く眠り続けている。

真後ろを振り返った先には、ドローンとうつむき顔の

春紀君の姿。


「佑弥が佑弥が僕を受け入れてくれなかったぁーうっうっ」


涙目の春紀君が、ギュッと私に後ろから抱きつき泣きつく。


「うわあああああん」


私は春紀君の方を見ようとしても、コアラが後ろから抱きついて居る様に、

振り向く事も出来ず、声を掛けるしか出来ず。


「春紀君佑弥君はもう大丈夫だから」


「佑弥が僕を中に入れてくれなかった事が悲しいよぉー親友なのにぃ!」


先程買い出しに行った時に買ったと思われる、

食べ物が散乱していた。ほとんど中身は食べ尽くされ。

春紀君と佑弥君は心配だったけど、

春紀君はしばらく泣きつき疲れたのか寝てしまったので、

佑弥君の隣に寝かせ部屋に戻り寝た。


翌朝私は学園のみんなと集まり、お試し期間最後の、

学園のパーティーに参加、春紀君と佑弥君は連絡も無く、

かのんさん、みちるさんの姿と、理久君の姿

みゅうなさんや湧麻君の姿は無くもしかしたら

二人でデートでもしているのかと頭によぎる。


「あのぉーお飲み物いかがですか?ぶどうジュースにオレンジもあります

炭酸のコーラ、みかん水もおいしいですぅ」


かのんさんは、飲み物を取りに行ってくれたのか、温かいココアや、

コーヒーもお盆の上に乗せて選ばせてくれた。私はココアを貰い、

コーヒーをみちるさんが飲む。


「ぼっ僕、すいません僕少し外の風にあたって来ます」


理久君は、食堂から移動し外に出て行った。かのんさんは理久君を追いかけ

みちるさんんと二人きりに。


「菜月さんは学園で彼氏出来たのですね

私は今年残り僅かですが、卒業無理そうです。

みゅうなさんは、湧麻君といい感じになって来ています」


悲しそうな顔を浮かべコーヒーを飲みながら、少しため息をつくみちるさん。


「みちるさん涼君の事は諦めるの?涼君相手居ないからもしかしたら今なら

いい返事貰えるかも、私よりみちるさん涼君に詳しくて少しびっくりしたよ?」


「あっあれは理久君から聞いた話なんです。かのんさんを通じて私は直接聞いた訳では無くお断りされてから

話をしていないので」


私は返す言葉が見つからず、ココアを飲む。

ピイイッっとメールから

音がして見ると春紀君から連絡が来た。


『菜月さん急にごめんね!今日夜の七時からいつものライブ会場に来てくれる?

 チケットは関係者に伝えてあるから、関係者入り口から中に入って』


私は直ぐに春紀君に連絡し、夜の七時にライブに行くことに。

今日は学園では夜は、特別なイベントが開かれるけど

只気になるのは、佑弥君の事目を覚ましたのか書かれて居なくて、

春紀君に電話するけど電話に出て貰えなかった。


みちるさんは、テーブルに並んで居る、バイキングの料理を手に取り、

お皿に沢山のデザートからパスタなど、食で満足させようとして居るのかも。

みちるさんは、涼君とやり直す気持ち無いのかも、何か出来ることがあれば

いいけど。


「菜月さん?お久しぶりです」


後ろから声をかけられ振り返ると、大季君の姿、涼君は一緒では無さそう、

かりんちゃんの姿も見当たらない、学園の生徒は前みたいに大季君を見ても噂はして居ない。


あの時、精霊は大季君が私の事を好きだと言った言葉を思い出し、まともに顔を見る事が出来なかった。

意識する必要は無いはずなのに。


「あっあのぉ少しいいですか?話があるのですが?」


「うっうんこれ返して来るから」

   

私は、飲み終えたココアを、返却し大季君の待つ場所に戻り後ろを着いて行き

二階の多目的ホールの中に、部屋の中には二人だけで他には誰も居ない。


「ここに座りませんか?」


窓際の一番奥の白くて丸いテーブル、椅子に座り、見つめ合う形に。

お互いに目と目が合い、なぜか黙る。何か言って欲しいと思った瞬間口を開く。


「兄さんは、学園に戻らないそうです、

この学園に居ると迷惑になるからと

 後、みちるさんと言う方が居ると思いますが、この手紙を兄から預かってきました菜月さんに渡すように頼まれて」

 

大季君は、鞄から茶色い封筒を取り出し、私の前に差し出す。


「大季君には伝えておいた方がいいかもしれないから、

今迄起きて来た本当の犯人が誰なのか」


「僕もずっと考えて居ました。犯人は誰なのか、犯人は妖精界の姫だとポンタが教えてくれて、

僕のせいで佑弥君や菜月さんに迄迷惑をかけて。


「それは違うよ、妖精界の姫は確かに私や佑弥君に影響は出したでも、大季君が謝る必要なんて無いから障害はあったけど、障害が二人をより愛を深める事になったと考えたら、

全てが全て悪いとも言えない、気づく事も

出来ず、されるままだったけど、

それは大季君も同じ、私よりもっと傷つき

学園の為に動いてくれて、こうして聖霊を産み出す事に

なったり、妖精の姫を救う事は出来たけど、

本当の愛では無い結婚に対して傷ついて居た事

その気持ちは本当なのか私は聞きたいよ?」


大季君は目を反らし、口を開く。


「僕も悪いですね。学園の生徒を助ける為闇の人魚のかりんを助ける為に

妖精界の姫を利用した事には変わりは無いので、愛する事をして結婚する事が普通で

只、妖精界の姫に対して、その時は必死で気づかなかったのですが

好きな気持ちはありました。

でも愛している迄は思う事は出来なかったのは事実で」


妖精界の姫は大季君の気持ちが気づく前で、

少し時間が経つ事で芽生える

気持ち迄はわかって居なかった。

気持ちが変わる事もあるから。


「菜月さんに対しての気持ちの事を僕は隠して居ました。

兄さんの話では僕も菜月さんと前世で関係があった

みたいですが、でも菜月さんには佑弥君が居ますから、

それに僕にはかりんが居ます。人魚姫のかりんは助ける事が出来ず、娘のかりんを大切に育てて行くつもりです。


妖精界の姫は亡くなっています。僕は助ける事が出来なかったので佑弥君があのまま助け出す事が出来なければ同じように亡くなって居たかも知れない」

 

前に同じ事があったと言っていたのは、妖精界の姫恐らく人魚に呪いをかけ

自分に跳ね返りあの現象が起きた可能性が。


大季君が私に思いを寄せていた事も、

知ることが出来たけど、佑弥君への気持ちも知った上で告白してくれていて

本当に大季君は思いやりがあるいい人に思えた。


「長くなって済みません、僕も涼が居る場所に戻ります、

手紙を渡す為に一度学園に戻って来ただけですから、

本当に巻き込んでしまって、すいませんでした」


大季君は頭を下げると、多目的ホールから出て行き、私は食堂に向かう。

みちるさんは、食堂から居なくなったのか居なかった為寮の部屋に。

「菜月さんさっき食べ過ぎてしまって、何か様ですか?

お手洗いに行きたいので」


「はいっこれさっき大季君から預かって」

涼君からの手紙をみちるさんに渡すと。


「あっありがとううっごめんなさい、お腹が」

ぐるるるっるっとお腹の音が聞こえバタンッとドアが閉まる。


時間がまだあったけど昨日余り寝ていなかったので

夜になる迄眠りにつく為部屋に。


夜の六時を回り、タクシーでライブ会場に向かう。あれから春紀君から連絡も無く、

関係者入り口から、関係者の席に。

春紀君が言っていた中での応援してくれている人が減って居る話し

あれの理由が何かはまだわかっては居ないけど、見た限りでは以前の時と余り変わらない様に見えた。


七時になりステージが暗くなり、バンドの演奏からいろいろなアーティストの方が

十月にも関わらず、一足早いクリスマスにあった歌を披露、

会場にはカップルの姿が多い。鈴の音や、

緑色の光ステージには大きなツリーが左右に置かれ、数千の飾り演出の一つなのか、会場中に雪が舞う演出迄。


中盤にさしかかり、辺りが真っ暗に、

ステージも暗くなり春紀君がスポットライトを浴び一人で

会場の中央に。


「今日はかなり早い特別な日にライブに来てくれてありがとう、そんなあなたに

今日はこの曲を捧げます」


会場向かって左から、自動で動くそりに乗りサンタの姿をした、まさかの、佑弥君の姿。

元気そうな佑弥君の姿に喜びと、

涙が自然と溢れる。


「今迄演奏をする事を止めていた演奏、シングルの中で演奏はして居ましたが

生で演奏するのは今夜がはじめで最後かも知れません、

聴いて下さい。


佑弥君の手に握られて居たのは、ハーモニカ静かな会場にメロディーが響き

曲が流れる。


ピアノの演奏に合わせ、春紀君が一人で歌い、

佑弥君は途中でハーモニカを吹く、まだ万全では無いのか

今日はその一曲だけ歌いステージから去る。


その後演奏が全て終わり会場からアンコールがかかり、

今迄演奏していた人全員がステージに、再びステージに現れた佑弥君は

春紀君の肩に捕まり立つ、クリスマスソングを歌い、

楽しそうな二人。


七時になりステージが暗くなり、バンドの演奏からいろいろなアーティストの方が

十月にも関わらず、一足早いクリスマスにあった歌を披露、

会場にはカップルの姿が多い。鈴の音や、

緑色の光ステージには大きなツリーが左右に置かれ、数千の飾り演出の一つなのか、会場中に雪が舞う演出迄。


中盤にさしかかり辺りが真っ暗に、ステージも暗くなり

春紀君がスポットライトを浴び一人で会場の中央に。


「今日は少し早いけどねっ今日と言う特別な日に

ライブに来てくれてたみんなにありがとう、

そんなあなたに今日はこの歌を捧げます」


会場向かって左から、自動で動くそりに乗りサンタの姿をした、まさかの、佑弥君の姿。

周りに居た佑弥君のファンのみんなが奇声が飛び交う

同時に元気そうな佑弥君の姿に喜びと、涙が自然と溢れる。


「きゃ~佑弥ぁあああ~!!!!」


「おかえり佑弥あぁぁっ!!!」


「大丈夫?」



「今迄演奏をする事を止めていた演奏、シングルの中で演奏はして居ましたが

生で演奏するのは今夜がはじめで最後かも知れません、

聴いて下さい。


佑弥君の手に握られて居たのは、ハーモニカ静かな会場に

メロディーが響き曲が流れる。

ピアノの演奏に合わせ、春紀君が一人で歌い、

佑弥君は途中でハーモニカを吹く、まだ万全では無いのか

今日はその一曲だけ歌いステージから去る。


その後演奏が全て終わり会場からアンコールがかかり、

今迄演奏していた人全員がステージに、再びステージに現れた佑弥君は

春紀君の肩に捕まり立つ、クリスマスソングを歌い、

楽しそうな二人。


「ねぇ佑弥君どうしたのかな?少し様子がおかしい気がするけど?」


「あぁっその話?噂だから本当かどうか知らないけど

しばらく休んでいた理由は何か知らないけど」


「最近噂が出回ってファン辞めた子も居るみたい」


「私は、祐弥君より春紀君が好きだから関係無いけど」


「それにしても今日一度も立って無いよね?祐弥君

イベントにも来て無かったけど最近どうしたんだろうね?

中には佑弥君の異変に気づいて居る人も居たけど、

何かあったのかなっ?」


ライブは終わり、関係者入り口前は以前怒られた事もあり、

関係者入り口が見える場所で、佑弥君と春紀君を待つ。


タクシーが関係者入り口の前にその為誰が乗って居るか見えず。

一時間くらい待ったけど、今日は諦めて学園に戻る。

タクシーを学園の正門前につけて貰いお金を払い降りる。


「なっ菜月さん!大変です!すぐに来て下さい!」

かのんさんに正門前で遭遇し、学園の並木道より奥に進む。


バシッバシッドンッ。っと何かの争い事の音が響いて居る。

木の陰から見ると、以前から佑弥君を攻撃し苦しめて来た三人組の女性と

男性二人が、佑弥君を囲みグッタリして居る佑弥君の姿、

私はさっき佑弥君と春紀君追いかけて居たらこんな事にはならなかった

助けに行かなければ、と足を踏み出したその時。

「そこで何をしているの?」

男性の声が聞こえ何処かで聞き覚えのある声。


「シロ行け!」


バシッバシッ男性二人に体当たりするシロ。


「まっ待って、やめっ、ごほっごほっ」

仰向けに倒れていた佑弥君が起き上がり、助けに来た湧麻君を止める。


「何言っての?そんなにぼろぼろにされて!」


「ゆっ佑弥!」


ダッダッダッダッ!駆け足で佑弥君の前に行くと思いきや、

男性二人の方に近づく春紀君。


「この前の人魚姫の館で佑弥に酷い事して居たの君達だったんだね一人に何人もの人で襲うなんて」


「あぁ?何言ってんの?っていうかそこの三人から

酷い目に遭わされたから雇われたの今日初めてで、

前に頼まれたの別の人何だけど、どのみち飽きたし金貰っても二度とやんねぇー借りは返したから、じゃあなぁ!」


男性二人は湧麻君に殴られてか逃げた。

女性三人は顔を見合わせ逃げようとする。


「うわああああああ!」


春紀君は女性三人の方に走り、バシッバシッバシッっと、三人に攻撃。


「ゆっ許せないよ!佑弥に今まで酷い目に遭わせて、何が目的で僕の大事な親友を傷つけて来たんだよ!

佑弥もどうしてされるまま何もしないで」


「ふんっ春紀あんたのせいでしょ!

いくら誘ってもまったく連絡も無く無視するから。

この学園でちやほやされてさぁー」


友松さんが木の陰から姿を現し。


「君達が今喋って居た事ばっちり録音させて

貰ったよ?これ事務所に渡したらどうなるか

分からない訳じゃ無いよね?

それと学園に祐弥と付き合っていた人の噂でも流し

迷惑もかけていたのかな?」


手にはスマフォを持ちながら三人に見せている。

化粧の濃い女が焦りながら友松さんの方を見ながら

話し始めた。


「くっそう来るとは、まぁいいさうちらも

そろそろこの業界で生きていく事も飽きて居たし

今まで傷つけて悪かったよ祐弥。

っていうか、祐弥が付き合っている噂って何の事か

さっぱりわかんねぇし、それに人魚の館には行ったけど

あの男達と何かあった?うちら行ったのは確かだけど

あの男達金儲けしたいからって向こうから頼んできたから

祐弥や春紀の事を知ってておかしいとは思って居たけど」


バタッと佑弥君はその場に倒れる。

私は佑弥君に駆け寄り佑弥君を抱き起こす。


「なっ菜月さんいつからそこに」


友松さんが佑弥君に近づき。


「佑弥何かあったら僕に言う様に言って居たのですが

なぜ相談してくれ無かったのですか?

僕の立場にもなって頂かないと」


佑弥君は立ち上がり、申し訳無さそうな表情を

マネージャーに見せ。

春紀君が佑弥君とマネージャーに近寄り。


「ぼっ僕がいけないんです。佑弥が酷い目に

遇っていたのを知りながら助けを求めなかったから。

でも誰が、祐弥に嫌がらせをしてきているんだろう

他にまだ犯人が居るなんて」


こうしていつの間にか恋愛学園での生活に幕を

閉じ、元の生活へと戻った。


元の記憶を取り戻し恋愛学園から元の世界に戻った私。

元の世界に戻った私は、パソコンを起動させた。

私は記憶を頼りに、昔住んでいた場所に足を運び

電車で向かう。

記憶の場所は現在も残って居て、

記憶の中で見た木は何年も経って居た為か立派な大木になり、

綺麗な桜吹雪を見せてくれた。


昔住んで居た家は無かったけど、

茶色い猫が教えてくれた、友松さんの母の家が

私の元住んでいた隣に住んでいる事が表札から読み取れた。

偶然友松さんの家の玄関が開き、中から年をとった千歩さんが姿を現す。


「おやっ何処かで会った事があるようなぁ?

もっもしかして菜月ちゃん?

秀介から聞いて居たけど、こんなに大きくなって!

秀介なら今お仕事で佑弥君と春紀君と丁度出掛けた所なんだよ?

今日は取材があるとかで」


「今佑弥生君は何処に住んでいますか?

私から会いに行きたいのですが、

ご存じでしたら教えて頂けませんか?」


私は、千歩さんから佑弥君が住んでいる場所を

聞き出し、佑弥君が住んでいると思われる

場所に向かう事にした。


以前住んで居た場所は佑弥君のご両親が離婚した為、

引っ越しをしたみたい

現在は母親と一緒に暮らしている訳では無く、

アパートで春紀君と同居しているらしい。


佑弥君は学園では元の世界での話しはする事が無く、

私の記憶の事で悩ませていた事に。

教えて貰った場所は、まさかの恋愛学園の建物。

アパートと言う事にして実は寮に住んでいたとしか言えなかった。

現実世界にも、恋愛学園が存在して居た事にびっくり。


正門から見た恋愛学園は、テニスコートやプール、

ゲームの中で使われては居なかった現実世界ならでわの物が。

恋愛学園の現実的な場所は当たり前だけど、

入る事も出来ず悩む。

仕方が無いので佑弥君か春紀君がこの学園に戻るのを待つ

しかないので正門の前で待つ事に。

次第に日が暮れ学園の外から帰って来る生徒の姿も。


その日はなぜか佑弥君や春紀君と遭遇しなかったので、

仕方無いので近くのホテルに泊まり次の日の朝から

恋愛学園に行こうと決めた。

ホテルに着く頃には大雨が降り出し、傘を持って居なかったので

濡れずにすみホッとする。

四月とは言え外はかなり冷えて居て少し肌寒い。


翌朝、正門の前でしばらく立って居ると

「すみません、どうかされましたか?」

私は声のする方を見ると、そこには友松さんの姿が。

「とっ友松さんあっすいませんゆっ佑弥君が

ここの学園の寮にいると伺って居たので待ってました」


友松さんは鞄から何かゴソゴソとメモを出し。

「ごめんね母から話しは聞居て、今日思い出して僕に

教えて貰って本当なら昨日来るべきだったのに、

はいっこれ佑弥や春紀が居る部屋の場所です」

  

私は友松さんからメモを受け取り、メモを見る。

以前ゲームの世界で寮として使っていた部屋と

まったく同じ部屋だった。

 

「佑弥君現実世界でも恋愛学園に通われて居るのですか?」

   

「いえっ一時的避難所で本当はアパートに住んでますから

別の方がマスコミに追われている関係ですが。

中にどうぞ、ゲームの世界に行かれた方でしたら、

入れますからゲームの世界と同じ部屋も仕様されて

居なければ使えます」

   

私は、この学園がここに在ることにびっくりしたが、

この学園の寮の部屋が使える事にもびっくり、

友松さんの後に着いて行き、男子寮の佑弥君と

春紀君の部屋の前に着くと、友松さんが部屋の

チャイムを鳴らす。

   

「はいっ今開けます」

中から春紀君の声がすると、

  

 ガチャッ

   

っと鍵が開く音がした。

ドアを友松さんが開け一緒に入る。

玄関先にはパジャマ姿の春紀君の姿。

私を見るなり、春紀君がびっくりした表情を見せ。

   

「なっ菜月ちゃん!どっどうしてここに!」

   

「しーい」

  

友松さんは春紀君に右手の人差し指を立て何か合図をする。

   

「あはっまだ佑弥寝てると思うから、菜月ちゃん

ご飯食べた?まだなら一緒にご飯食べない?」

   

「ご飯は食べて来ているから、キッチンの場所で

 待たせて貰っても」

  

 ガチャ

   

っと左側のドアが開き、パジャマ姿の佑弥君が

姿を現し、私を見てびっくりして居る佑弥君。

   

「ごめんね?起こしてしまったかな?

 春紀お仕事の話しがあるから奥の部屋に行こうか」

   

「僕菜月ちゃんと話ししたかったなっ、わかりました

 後でねっ菜月ちゃん」

   

春紀君はしぶしぶ、友松さんと春紀君の部屋に移動し

佑弥君と二人きりに。

佑弥君は私の左手をさっと掴み引き寄せると

ぎゅっと両腕で抱きしめて来た。

   

「ごっごめんねっ本当なら僕の方から探しに

 行くべきだったのに、こんな身体で無かったら

 探しに行って居たのに」

   

佑弥君は、ゲームの世界で負ったキズが

そのまま残って居て、まるで現実世界で起きたかの様な状態。

   

「ゆっ佑弥君身体は大丈夫?

 現実世界に戻って来たら身体は元の元気な祐弥君に

 戻れると思って居たのに前と変わらないなんて、

それに現実世界にも同じ恋愛学園が存在して居たなんて」

  

「僕も知らなかったんだ、友松さんは知って

居たみたいだけど

どちらにしても僕は休養で春紀に負担かけてる状態。

今日は、学園の生徒の人達は旅行で居ないから学園の中見て歩こうか?」

   

   

私は、佑弥君と一緒に中央の館の二階に移動した。

佑弥君の言った通り、学園の生徒は誰も居ない。

二泊三日の学園の旅行みたいだけど。

中央にある階段を登ると、記憶の中から、大季君との

出会いの場所が。

   

「ここで大季君が警備の人から追われていたの」

   

「大季君?春紀を守って居た時に倒れた僕を医務室迄連れて

行ってくれた人だよね?確か涼君の弟さんだったかなっ」

   

「そうそう、佑弥君が闇の聖霊から私を守る為に

佑弥君がかばってくれて攻撃を受けて、

倒れた時も部屋迄運んでくれたのも大季君だったんだよ?

涼君や大季君今頃どうして居るのかなぁー

ここでは、かりんちゃんと一緒に逃げて居たけど

ボールで窓ガラスを割って居た犯人は別に居たの

警備の人は大季君を追いかけて居たけど」


私は手前の窓から外を見て、私の右側に

佑弥君が移動し一緒に外を見る。


「ここでね、春紀君が何かを埋めていたのを

見つけて後から裏庭で掘り起こしたの、

ぬいぐるみを埋めていた事は掘り起こしてから知ったけど」


「それがあのくまごろうなんだねっ、

僕が春紀の誕生日にプレゼントした物何だ、

高校生くらいに大事にしていてくれたのは嬉しかったけど。

僕はその頃ハーモニカを探して居たと思う、

映画館は人が丁度居なかったから、

聖霊はマネージャーが見つけてくれたのを使ったけど」


「見つけた時に直ぐに連絡して居たら、

佑弥君ともっと早く

出会えて居たかも知れないんだね?

ハーモニカ私は記憶を失って居たから、

ハーモニカについて聞いた時に佑弥君とても

悲しい顔をして居たよね?

何度も何かを言おうとしてくれたのに」


佑弥君は私の方を見ると、とても辛そうな表情を見せてくる。


「菜月さんは何も悪い事はしてないよ?

僕はあの時、菜月さんがあの時の記憶を思い出して

居たら、苦しめてしまわないか心配だった。

猫の事も僕は記憶を消されては居なかったけど」


「ここから左に進んだ場所の図書館で涼君と湧麻君に」


佑弥君は急に座り込み、少し苦しそうにして居る。


「佑弥君?もしかして無理して」


「っつ、ごっごめん僕から誘って起きながら、

ちょっとこうして休憩すれば治るから」


廊下の壁に右手の手の平を付き、左手で私の右手をぎゅっと

握りしばらくすると立ち上がる。


「ゆっ佑弥君へっ部屋に戻ろうか?」


「菜月さん、前から気になってて調べて居たんだ、

噂を流した人僕の気のせいかも知れないけど、

あれはみゅうなさんかも

知れない、カムイの話しでは、みゅうなさんは人の心が

読める能力を持っていたみたいで、僕や春紀の事に

詳しいからおかしいとは思って居たけど、

この世界でも応援してくれる人に影響が出ているみたいで」


「みゅうなさんは佑弥君や春紀君のファンで、

佑弥君とお付き合いしたかったみたいなの・・・・・・

でも、祐弥君や春紀君に迷惑をかけるとは思えないよ?」


「あっあのっ僕が言いたいのは、しばらく休むけどキズが治れば復帰も考えてる、その復帰する間だけでも、

一緒に同居出来ないかなぁーって」


私はもの凄くその言葉が嬉しかった。

でも、同居出来ても春紀君は一人でお仕事をして

私は佑弥君と二人で幸せになって居ていいのか、

とても迷った。

返事に対してはもう少し慎重になった方がいいような

きがして、すぐには返事出来ずにいた。

しばらく考えたいとその日は、佑弥君とそこで別れ、

学園の中を歩いて考える事に。


図書館の中で掲示板を居ていると、

学園旅行の案内が貼られていた。

バーコードを読み込ませて秘密の案内がゲームの世界では

存在して居たけど、ここは貼られて情報が分かる

只、あの秘密の情報の先にはいつも、何かしらのトラブルが

起きていた事を考えたら、闇が作り出した物に思える。


「あなたは、菜月さんですよね?」


声のする方を見ると、茶色い髪をした、

かなりのイケメンな男性が本を何冊も持ち立っていた。

学園の制服を着ている所を見ると、ここの生徒であるのは

確か。


「あっあのぉーどっ何処かでお会いした事ありましたか?

私の名前を知っているみたいだから」


ニコッと笑顔を向け微笑み。


「あなたは、菜月さんで間違い無いんですね?

突然すみません、僕は」


「ここに居らしたんですね?探しましたよ!」


聞き覚えのある声のする方を見ると、そこには涼君の姿。


「なっ菜月さん!」


涼君が私を見つけ、駆け寄り一緒に大季君の姿も。


「この学園でもこの場所で会えるとは、先程佑弥君にも

お会いしたばかりでしたが、一階のロビーでまだ体調が戻られて無かった様ですが、菜月さんはどうしてこの学園に?」


私は佑弥君や春紀君を探す為にこの学園に来た事を

涼君に話した。


「そうですか、僕は別の恋愛学園でも言いましたが、

魂をあの世に送る王子・・・・・・」


「もしかしてですが、この方がですか?」


見た感じではそんな空気を感じさせている。

ニコニコしながらいかにも今噂をされて居る感じが出ていた為。


「ええっそうだと思います。見ての通り本が好きな方ですので、向こうの世界の図書館でこの方も同時に探していたのですが、菜月さんにも再びお会いする事になりましたね?

そろそろ、王様の元に戻って下さい、本を読まれて勉強

されるのもいいですが」


「ええっわかっています。ですが向こうの世界にはこの本を持って帰りたいくらいの学べる知識が沢山あるので、

もうしばらくここで学んでから帰ります。

先に国に帰って頂けませんか?」


「わかりました。ですが余り遅くならないで下さいね?」


「はいはい、亡くなられてこの世に未練がありとどまっている方を

あの世に送り届ける事はしていますから

中には亡くなられた事をわかって居ない方も居ますが。

只僕も向こうの世界に行ったのは行ったのですが、

すぐにこちらの世界に戻されてしまいました。

とても残念です。菜月さんと恋愛出来なくて」


魂をあの世に送る王子様は、本を開き熱心に勉強を始めた。


「こうなると、いつ迄も読み続けそうです。

もう一度来るしか無さそうです」


涼君は困り果てた様に少し呆れた顔をして居る。


「兄さん僕は、かりんが待って居ますから先に部屋に戻ります。

菜月さん、兄さんを宜しくお願いします」


大季君は、学園の寮に先に戻って行った。


「僕も長くはこちらに居るわけにもいかないので、

もう一度会えて良かったです。後佑弥君助かった様で

良かったです。かりんの母親である妖精界の姫が全ての闇の

正体であった事は、春紀君から連絡を貰いましたが、

春紀君相当疲れてませんか?僕の気のせいかも知れませんが、

教えて頂いた後直ぐに、電話を切られてしまいましたが、

後、みゅうなさんに対しても聞いて居ますが、

恐らく、みゅうなさんに間違い無いと思います」


私は涼君からみゅうなさんの事を聞いた。

人魚の館での出来事を、みゅうなさんが、

あの男性三人組を学園から連れ出し、

人魚の館で話しをして居るのを、かのんさんから聞いたとか

馬車から大広間に向かう途中みゅうなさんの様子が

おかしいと思い後を追いみゅうなさんが男性三人に

お金を払うのを目撃。

男性三人が、佑弥君を誘い出す姿も目撃したみたいで、

大広間にみゅうなさんの居た為、春紀君や私に言えなかった

みたい。


みゅうなさんが佑弥君のシャツを持って居た時点で

既におかしかったのはあったけど、みゅうなさんは

噂を流して居た事にも関わって居てもおかしくは無いと

思えた。


私は、春紀君の事をかなりほったらかしにしていた事を、

今になって気づいた。佑弥君と同居する事になれば、

春紀君は仕事も一人でこなす事は今迄もしてきていても

私は、再び佑弥君と春紀君の寮に向かう事にした。

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