第2話

クラスに入ると一際目立つ女子がいた。ハルは驚いた。まさか自分と同じクラスになるなんて…。

その女子の名前は富田莉奈。親が多額の寄付金を学校に渡しているため、かなり威張りがちであった。しかし、同学年の人達が恐れているのはそのことではない。

学校のクラスはどこでもグループになりがちである。人数が多く、権利が大きいグループと逆に、ひとりぼっち達が集まった小さなグループまである。

富田は、クラスの大きなグループのリーダー格を揃えた集団のトップにいた。クラスの3分の1が彼女の支配下にあると言っても過言ではない。ここからは噂で聞いた話だ。そのグループの中でもランクがあるらしい。トップは勿論、富田である。ナンバー2は、幼馴染の橘あおいとこれも決まっている。絶大な信頼を富田から受けているからだ。

私たちが恐れているのは、その2人に逆らうと学校にいれなくなるからだ。彼女達の間に触ることが少しでもあると、壮絶ないじめが始まる。ターゲットにならぬようと、ひっそりと過ごすものとグループに入って身の安全を守ろうとするものに分かれる。

私は勿論前者である。後者の人間ははっきり言うと、彼女達の思考がわからない。富田や橘にごまをすっておきながら、影でバレないように悪口を言っているのをよく聞く。


偽りの友情なんて本当に必要なんだろうか。

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