学校の死神

美雪綾香

第1話

その少女はたった一晩で死神になった。彼女を死神にしたのは学校だった。


私立綾明高校。約50年前に建てられ、今も高い人気を誇る。桜吹雪が舞う中、高校生達は登校していた。春休みが明け、久しぶりに会う友達と会話を弾ませる男女が多くいた。

その中で、一人颯爽と歩く生徒がいた。

向井ハル。腰まである長い髪を下ろし、リボンがついたブラザーをきちんと着こなしていた。

今日は、クラス発表の日でもあった。綾明高校のクラス発表は一風変わっている。玄関に立つ先生に名前を言い、クラスが書いたプレートをもらう。そこで初めてクラスがわかるのだ。このやり方の欠点は、クラスメートが教室に入るまで分からないという点だ。

ハルも、玄関に立つ先生に名前を言ってプレートをもらった。見ると、そこには2年A組と書かれていた。


その時は特になにも思っていなかったのに、この2年A組で衝撃的な事件が起こることを予想している人なんているはずもなかった……



最初の犠牲者が出るまであと4ヶ月。

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