第8話 ディガー

「本当は、プリーストを経由してからウォリアーになって、回復を使えるウォリアーとかやりたかったんだけどな」


俺が言うと、


「・・・クラスコンバートはお勧めしないっすよ」


茜が半眼で言う。


経験値の10%を失う代わりに、別のクラスに変更する事ができる。

レベルは1からになるが、覚えたスキルを使う事ができるのだ。

神聖術が使えるウォリアー。

魔術が使えるスカウト。

そういった特別なプレイをする事ができる。


「結局、1つの職業を極めた方が強いっす。回復や支援が欲しければ、プリーストの人を誘ってPTに入れた方が良いっす。1人で出来る事には限界があるから・・・これはそういうゲームっすよ」


「・・・PT推奨か・・・」


ソロ、1人パーティーだと難しい、という事だ。


「できれば、各職、1人ずつ欲しいっすね。まともに遊ぶ為には」


茜が頷く。


「茜はかなり強いのか?」


やりこんでそうだし。


「いえ、私は強く無いっすよ?私はあまりPTをしないので、普段はディガーなんすよ」


「・・・ディガー?」


知らない単語が出てきた。


「弱いダンジョンを作って、浅い階層で、自然物からの採取だけして、延々と素材集めてる人っす。あまり魔物と戦わないので、弱いんすよ」


「・・・そんな遊び方が・・・」


それはそれで面白そうだが。


「とりあえず・・・ウォリアーになるか」


今は無職。

この状態では、ステータスも表示されないし、ダンジョンにも入れない。

ウォリアーを選択、


ゴウッ


力が漲ってきた・・・これが・・・クラスの力。


頭の中に浮かぶ選択肢・・・武器・・・やはり・・・片手剣!


そして。


俺は皮の鎧に身を包み、鉄の剣と、鉄の盾を持った・・・立派なウォリアーになっていた。

俺格好良い。


「ひゅー、先輩格好良いっすね!」


「・・・そ、そうか・・・?」


褒められて、凄く良い気分だ。


ステータスが表示される。


++++++++++++++++++++++++++

名前:朱智あけち陽斗はると

クラス:ウォリアー

レベル:1

STR:8

DEX:8

AGI:8

VIT:8

MND:8

MAG:8

ボーナス : 20

霊素適合率:84%

権限:SUB SYSADM

特異スキル:

 エーテルチャージ

 ・総経験値の10%を消費する

 ・攻撃力が2倍になる

 ・防御力を無視する

 エーテルシールド

 ・総経験値の10%を消費する

 ・攻撃を1回無効化する

++++++++++++++++++++++++++


「ボーナスポイントを振るのも忘れないようにするっす。クラスの解説は必要っすか?」


「いや、大丈夫だ」


ステータス、良く分からない単語がちらほらでてきているな。

下手に聞いて馬鹿にされても面白くない。

徐々に覚えよう。

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