第9話 初勝利

視界の上部に、コマンドが並んでいる。

ステータスを表示したり、装備ウインドウを表示したり、アイテムウインドウを表示したり・・・倉庫?

今はなにも入ってない・・・拠点でのみ使えるコマンド、とかかも知れない。

あとは・・・システム?

モンスタークリエイトとか、ダンジョン設定とか、トラップクリエイトとか・・・

イレイズオブジェクト、強制消去コマンドまである。

本当に自由度が高いゲームだな、これ。

俺はプレイヤーとして楽しみたいんだ。

この項目は使う必要はない。


「よし・・・早速・・・冒険に出よう!」


くすり、茜は笑うと、


「分かったっす。では、設定をするっすね」


茜は扉の横のパネルに近寄ると・・・


ブンッ


空中にキーボードが発生する。


「レベルを1・・・難易度を易しいにして・・・OKっす」


扉が、開く。


いよいよ・・・冒険だ!


--


ザク・・・


床の材質が変わった。

土っぽい感じだ。


壁も、土を掘った様な材質だ。


つーんと、土の臭いがする。


茜が、手に持っている松明に火を灯す。

出入り口から漏れ出ていた光・・・それが当たる箇所しか見えていなかったのが、一気に視界が広がった。


「メイジがいれば、アイテムの松明なんて不要なんすけどね。壁が光っているタイプの単打ジョンもあるっすけど、このタイプのダンジョンは松明が必須っす」


「・・・面倒だな」


「そもそも、メイジ無しにダンジョンに潜る方が珍しいっすからね。ディガーなら別っすけど」


まあ・・・凄く雰囲気は出ている。


「良し・・・じゃあ行こうか」


俺は、ゆっくりと歩き出した。


--


初遭遇はゴブリン。


一番の雑魚らしいが・・・素早い、こっちの攻撃を躱す、なんか凄く痛い攻撃してくるし、毒にもしてくる・・・


茜に薬で回復してもらいつつ、何とか倒した。


「これが、雑魚・・・滅茶苦茶大変だな」


「慣れれば大丈夫っすよ。むしろ、かなり筋が良いと思うっす。流石先輩っすね」


「茜がたくさんアイテム使ってくれたお陰だよ」


「大丈夫っすよ、あれはぼろぼろ手に入る、屑アイテムっす」


俺はドロップしたフルプレートをまじまじと見て・・・


「いきなりこんなレアっぽいアイテムが出て・・・これって、売ってその額を半分ずつ分ける、とかで良いのか?」


「別にそこまでレアでも無いっすよ?」


あれ。

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