第7話 ウォリアー
「え・・・?」
目を開けると・・・場所が変わっていた。
洞窟・・・の・・・小部屋?
カツン
足を動かすと、音が響く。
え。
俺、いつの間に着替え・・・いや、そもそも、サングラスは?
指輪は?
此処は・・・何処だ?
ブンッ
茜が現れる。
さっきまでの緩やかな服とは異なり、動きやすそうな服──の上に、銀色の鎧をつけている・・・?
・・・格好良い。
「あ、茜・・・此処は何処だ?!」
「何処って・・・やりたがってた、DDSっすよ?」
茜が小首を傾げる。
・・・
まさかこれがゲーム?!
そりゃ、中継画面はかなりそれっぽかったけど・・・
自分がゲームの中に・・・これって・・・フルダイブ型VRゲームって奴か?!
いや、もう、これ。
数世代進んでるとか、そんなレベルじゃない。
足の裏に、しっかりとダンジョンの感触が有る。
ザッ・・・
壁を手でこすってみる・・・やはり、しっかりとした石の触感・・・
これは・・・
「す・・・すげええ・・・?!」
飛び跳ねてみる。
自分の体を触ってみる・・・
凄い、触れる。
ややほこりっぽい臭い・・・ダンジョンの中だからだろう。
壁にたてかけられた松明から・・・重油の臭いが・・・重油が燃える音が・・・する。
茜がにやにや、とした目で見ている。
くそ・・・
「・・・これがDDSか・・・確かに凄いな」
素直に認める。
「もう慣れたっすけどね。このゲーム、サービス開始当初からこんな感じっすよ?」
最新のHMDで、ようやく視覚と聴覚だけはかなりそれっぽくなっていたが・・・
もうこれはそんなレベルじゃない。
嗅覚とか、触覚とか、聴覚とか・・・いったいどうやってるんだ・・・?
恐らく・・・サングラスから、脳波に干渉・・・しているんだろうな。
それがたった1万円・・・
オーバーテクノロジー。
オーパーツ。
そんな書き込みを昔見たが・・・素直に納得する。
俺はこほん、と咳払いをすると、
「では茜君、ダンジョン探検に・・・ダンジョンダイブに・・・旅立とうか」
「え、まだっすよ」
俺が平静を装って告げた言葉を、茜が否定する。
「まずクラスを決めないと、ダンジョンには入れないっす」
・・・はっ。
「もうクラスは決めてるっすか?」
茜が訪ねる。
当然だ。
「ウォリアーにする」
俺はそう答えた。
「ウォリアー・・・初心者向けではあるっすね」
茜が頷く。
ウォリアーは、高いHPと物理防御力、物理攻撃力。
初心者向けのクラスだ。
クラスというのは、職業。
ウォリアー、スカウト、メイジ、プリーストから1種類を選ぶ。
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