第5話:Bパート
レイフが目覚めてから既に一週間が経過していた。その一週間の間に
そう、不思議なことに
レイフが制御コアだけでAIとして動作していることを不思議に思ったレイチェルは、父親でありAI研究の第一人者であるヴィクターに訪ねたのだが、
「
と肩をすくめるだけだった。
「お父様。そんな怪しい制御コア使ったAIをロボット兵器に組み込んで大丈夫なのでしょうか?」
レイチェルは心配そうに整備用ハンガーに座っている
『儂の一体どこが怪しいのかね?』
そう言って、
「何もかもが怪しいですわ。
レイチェルは、金髪ドリルをギュルギュルとふるわせてレイフに抗議した。
「ああ、確かに転生という非科学的な話は信じられないな。しかし、あの機体を作り出した超常現象やコクピットに施されたフォーリングコントロールとかいう慣性制御技術。『十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない』と昔のSF作家が言ったが、現代の科学で説明できない現象だった。つまりあれは、今のところ魔法と言うしかないのだよ。では、魔法が存在するとなると、レイフ君の言っていることも本当なのかもしれないのだよ。本当に、こんな状況でなければ、もっと詳しく調査できるのに…」
ヴィクターは、
『魔法を知らないとは、この世界の人は無知なものだ。科学技術は誰もが使えて便利ではあるのは認めるが、魔法は科学技術ではできないことも可能なのだよ。儂の魔法を見れば、儂が魔道士だと言うことは一目瞭然ではないか』
レイフは自慢げにそういうが、彼のいた世界でも魔法を使えるのは限られた人間だけであった。それに帝国では、魔法を使える
『強者が弱者を支配するのは当然ではないか?』
「レイフ、誰に言っているのですか」
ナレーションに突っ込んだレイフに対して、レイチェルが不思議そうな顔をする。
『いや、こっちのことだ。それより、もう一度確認するが、レイチェルは本当にゴーレムではないのだな?』
「何度も私は正真正銘の人間ですわ。お母様と私の子供の頃の写真も見せましたでしょ」
『それはそうなのだが』
レイフはアルテローゼのセンサーを使い、何度もレイチェルの体をスキャンする。レイフは、レイチェルの心臓の鼓動や体温、体重やスリーサイズと体の隅々まで計測して、結論として彼女が人間だと確認するのだった。
『しかし、レイチェルは本当に儂が前世で製作したゴーレムにソックリなのだ。名前、顔、そして体の全てのサイズまで同じとは、どんな奇跡が起きればそんな事になるのか…魔法より不思議ではないか。まさに神の奇跡ではないか』
「…サイズですって?」
レイチェルは、自分の体を見て、そしてレイフが自分の体のサイズを計測していたことに気付くと、顔を真っ赤に染めた。
「レイフ、貴方にはデリカシーという物がないのですわね。…お父様、やはりレイフ…いえ、このデリカシーのないAIは、今すぐ消去すべきですわ」
レイチェルは、顔を真っ赤にして金髪ドリルをグルグルと回しヴィクターに詰め寄った。
「いやいや、レイフ君の知識は私にとって非常に魅力的なのだよ。魔法やゴーレムという技術の知識がデータとして
「お父様は、研究と私の精神の安定のどちらが大切なのですか?」
「それは、研究の方が大切な…。おっと、軍の司令部から連絡があったようだ、研究所に戻らないと。ではレイフ君、また話を聞かせてくれたまえ」
ヴィクターは、研究の方が大切と言いかけて、レイチェルが怒りの表情を浮かべていることに気付いた。これは不味いと思ったヴィクターは、丁度かかってきた通信にかこつけて、慌てて研究所の方に逃げ出した。
「お父様。一人娘より研究の方が大事だなんて、どういうことですの?」
レイチェルは、逃げ出したヴィクターを追いかけていくのだった。
◇◇
レイチェルから逃げ切ったヴィクターは、研究所の所長室で通話を行っていた。わざわざ所長室でオッタビオ少将と通話するのは、レイチェルや所員に聞かせたくない話だと思ったからである。
そしてオッタビオ少将からの通話は、ヴィクターの予想通りの内容であった。
『ヴィクター君、忙しい所申し訳ないのだが、監視衛星がヘスペリア平原方向から
寝間着姿のままモニターに映ったオッタビオ少将は、眠そうな声で首都に向かってくる敵を迎撃してほしいと、ヴィクターに告げるのだった。
「司令、アルテンローゼではなく
『連邦軍の状況なのだが、いまだ軍の再編を終えておらず、組織だった動きができない状況なのだ。それに偵察衛星の画像を分析した結果、どうも近づいてくる敵は一機で
連邦軍が出撃せず、アルテローゼだけに出撃命令が下るのかと憤るヴィクター。それに対してオッタビオ少将は、連邦軍は動かせないし、もし迎撃に出せても勝てないと軍の本音を明かすのだった。
『アル
オッタビオ少将は、ヴィクターに身勝手にそう言うと、これは誠意のつもりなのか深々と頭を下げた。
「司令、何度も言いますが、あれの名称はアルテローゼです。それと、
ヴィクターは、いろいろと理由をつけてアルテローゼの出撃を渋る。それはアルテローゼは実験機であり戦闘用でないことが主な理由だが、それ以上に大きな理由がヴィクターにはあった。
「そして、現在アルテローゼは、パイロットとして私の娘…レイチェルが搭乗しないと動かないのです。どうして私のかわいい娘を戦場に送り出せますか」
ヴィクターは胸ポケットからレイチェルの写真を撮りだして、オッタビオ少将に見せつけてそう訴えるのだった。
実はAIであるレイフは目覚めたが、レイチェル以外ではアルテローゼを動かすことができなかったのだ。レイチェル以外がコクピットに座って操縦しようとすると、機体制御プログラムが不調となり、普通に歩くことさえできなかった。レイチェルを再び乗せたくなかったヴィクターは、必死に調査したのだが、その原因は未だ不明のままだった。
『かわいい娘さんだ。確かに父親であるヴィクター君が出撃を命じたくなるわけだ。だが、連邦軍の兵士も皆同じなのだよ。それに娘さんは仮とはいえ士官候補生として軍に登録されている。先の戦いでもパイロットとして素晴らしい働きを見せたそうじゃないか。軍のオペレータが戦闘データを分析して絶賛していたよ。それに君の娘と言うことは頭も良い。これは将来有望な軍人になること請け合いだぞ』
オッタビオ少将は、無責任にレイチェルを褒め称えると、ハハハと笑うのだった。
「(ふざけるなこの狸親父が、誰が娘を軍人などにするものか)はあ、確かに
ヴィクターは表面は娘を褒められてうれしがる父親を演じるが、父親として間違っても娘を戦場に送るつもりはなかった。
「お父様は、ここにいらっしゃるのですね。先ほどの件、じっくりとお話しさせて…」
そこに、ヴィクターを追いかけてきたレイチェルが扉を開けて入ってきた。
「チッ、レイチェル、入るときはノックぐらいしなさい」
ヴィクターは部屋に鍵をかけ忘れていた自分の迂闊さを呪うが、後の祭りである。
『おお、貴方がレイチェルさんかね。私は地球連邦軍・火星派遣部隊の司令を務めるオッタビオ少将です。うむ、実物は写真よりお綺麗だ』
「まあ、通話中でしたの。これは失礼しましたわ。初めまして、私はヴィクターの娘レイチェルです」
レイチェルは、優雅にオッタビオ少将に挨拶をする。綺麗と言われて少しうれしかったのか、ほほが少し赤い。
「レイチェル、今は大事な話をしているところなのだよ。先ほどの話はまた後で…」
『いや、ちょうど良い。ここは当人にも聞いてもらうべきだろう』
ヴィクターはレイチェルを部屋から追い出そうとしたが、オッタビオ少将がそれを引き留める。
「いや、娘にはまだ…(レイチェル、早く出て行くんだ)」
これは不味いと、ヴィクターはレイチェルに部屋を出て行くように視線で促すが、彼女はそれに気付かなかった。
『いや、アルテローゼが彼女にしか動かせないのであれば、話を聞いて貰うべきだ。レイチェルさん、革命軍がまた攻めてくるのだよ』
「もしかしてまた敵が攻めてきたのですか?」
そしてレイチェルは、再び革命軍が攻めてきたことを知る。そして彼女の瞳にはある決意がみなぎっていた。
◇◇
空港の側にある研究所の格納庫では、アルテローゼの周りに多くの作業員が集まり出撃準備が行われていた。
また、巨人の時にレイフが作り出したグランドフォームも作業員の手によって再現されていた。グランドフォームはそのまま再現したのではなく、ヴィクターを含め研究員と機体の整備主任であるおやっさんの監修の元で改善が行われていた。その甲斐もあり、グランドフォームは、レイフが作り出した物よりパワーや走破性は格段と上がっていた。
それに加え新しい機能として、アルテローゼの機体が完全に仰向けになれば、より高速な移動が可能となる戦車形態が追加されていた。18メートルの車体に追加された武装を含めると、正に陸の王者という姿であった。
レイフもその出来映えを見て、『うーん、これはすばらしい物だ』と、感心するほどだった。
その、アルテローゼの側で、ピチピチのパイロットスーツに身を包んだレイチェルとヴィクターが、出撃前の最後の確認を行っていた。
「レイチェル、結局オッタビオ少将に押し切られた形になってしまったが、本当に戦いに行くのかね。嫌ならまだ断れるのだよ」
ヴィクターは、心配そうな顔でレイチェルに翻意を促すが、
「ええ、お父様。私が、いえアルテローゼが戦わないと、また連邦軍の兵士さんや一般市民の方が大勢死ぬことになりますわ」
レイチェルは、巨人との戦いの後、大シルチス高原の戦いや首都攻防戦で多くの人が亡くなった事を知ってしまった。そして、
「
パイロットスーツに身を固めたレイチェルは、キリッとした表情でヴィクターに告げた。
『(ほぇ~。キリッとしたレイチェルはかっこいいの~)』
一方、もう一人の当事者であるレイフは、そんな凛々しいレイチェルの姿をぼーっと
「アルテローゼを動かせる
ヴィクターは、レイフにレイチェルしかアルテローゼが動かせない理由を尋ねる。この質問は、レイチェルしかアルテローゼを動かすことが出来ないと分かってから、何度も繰り返された問答だった。
『同じ答えを繰り返すが、それはレイチェルが操縦しないと、機体の制御システムが正常に動かないからだ。その理由は、儂にも良く分からないのだが、恐らく制御コアとパイロットの魔力の相性問題らしいのだ』
レイチェルしかアルテローゼを動かせない。これに関しては、レイフにも説明の付かない現象であった。ヴィクターとレイフは、アルテローゼの制御コアに問題があるのだろうと言うところまで分析した。では制御コアを調査すれば良いとなるのだが、最高機密である制御コアの解析を行うとすると、ブラックボックスを分解して取り出す必要がある。その場合レイフは当然眠りにつくことになるが、原因を突き止めた後再びレイフが目覚めるとは言えなかった。その為、ヴィクターも制御コアを解析する別な手段が見つかるまで、この現象については放置するしかないとあきらめていた。
「今更それを言い出しても仕方ありませんわ。それよりレイフ、アルテローゼの出撃の準備はよろしくて?」
レイチェルはヘルメットを被りアルテローゼの車体の上によじ登ると、コクピットを覗きこんだ。
『後は予備バッテリーを搭載するだけだ。それが終われば、出撃準備は完了だ』
レイフは、レイチェルのためにモニターにアルテローゼの準備状況を表示する。
レイチェルは、機体の至る所に凶悪な兵器が搭載されたアルテローゼの機体を眺めて、大きくため息をついた。
「…人を殺すための兵器ですわね」
軍事オタクなら嬉しがるだろう兵器も、人が死ぬのが嫌いなレイチェルにとっては、重荷にしか感じられないのだった。
『レイチェルは、兵器が嫌いなのだな』
「ええ、そうですわ。人を殺したくもないし、人が死ぬのも嫌ですわ」
レイフの問いかけに、レイチェルは吐き捨てるようにそう言った。
『分かった。優しいレイチェルが嫌がるのであれば、儂もなるべく人は殺さないように心がけよう。この兵器も儂が制御すれば、無駄な殺生はしなくて済む。レイチェルは、儂を信頼してトリガーを引けばよいのだ』
「そう…ですの? レイフは、前と随分と変わりましたわね。しゃべり方も『のじゃ』とか言わなくなりましたし、嫁というのも止めたのですか?」
レイチェルは、不思議そうに
『…そうだな。巨人を倒して意識を失った時に、儂は何かを失ったのかもしれないな。それとレイチェルは人間であって儂の嫁ではない。それが分かったからもう嫁と呼ぶのは止めようと思ったのだ』
レイフに人の体があったなら、彼は遠くを見ていただろう。そんな雰囲気がアルテローゼから漂っていた。
◇◇
『レイチェル、まだ間に合う。出撃は止めるんだ~』
アルテローゼに乗り込んだレイチェルに対して、出撃をあきらめるようにとヴィクターが繰り返し通信を送ってくる。
「お父様、しつこいですわ! レイフ通信を切ってください」
『儂としては、ヴィクターの気持ちも分かるのだがな。…まあ五月蠅いから、ヴィクターからの通信は着信拒否にしておいたぞ』
女にもてたことのないレイフは、当然子供など持ったことは無い。しかし帝国時代の彼は、戦場に兵士を送り出す側だったので、親が子供を戦場に送り出す時の光景は嫌と言うほど見てきた。
だが、レイチェルも仮とはいえ兵士となったのだ。レイフとしては、兵士は指揮官の指示に従わなければならないと認識しており、この場合連邦軍の司令からの命令が最優先事項なのは当然のことだと思っていた。
「とにかく出撃ですわ。
レイチェルの命令に従い、
「生きて帰ってくるんだぞ~」
「俺たちの整備は完璧だ。勝利しかないぞ」
「聖戦完遂なのだ~」
「進め総員火の玉じゃ~」
「レイチェルさん好きじゃー」
格納庫から出ると、アルテローゼの背後で研究所員や作業員そして連邦軍の整備兵が、口々に叫びながら手を振っていた。
「…ええ、必ず勝ってきますわ」
レイチェルが、見送りに感激している中、
『(あいつは要注意人物としてマークだな)』
レイフは、「レイチェルさん好きじゃー」と叫んでいた整備兵を抹殺対象としてこっそりマークするのだった。
◇
格納庫を出たアルテローゼは、順調に空港から首都の幹線道路に出た。18メートルと規格外の大きさのアルテローゼは、幹線道路の二車線分を跨いで走る必要があった。そのため首都の道路には交通規制がかかり、昼の混雑する時間だというのに車は走っていなかった。ただ、交通規制の理由を知った市民が、道路周辺やビルからアルテローゼを見送っていた。
「ううっ、まるで見せ物になった気分ですわ」
『出陣する兵士を市民が見送るのは当たり前の光景だがな。儂にしてみれば、出陣する兵士は、もっと華やかに送り出す物だと思っているのだが』
レイチェルは、見られていることが恥ずかしいようだった。しかし、帝国で華やかな出陣に慣れているレイフは、もっと華々しく送り出して貰いたいと思っていた。
このままアルテローゼだけで戦場に向かうかと思われたところ、直ぐにアルテローゼの背後一台の車両が追いついてきた。それは、
「マジで
「仕方ないわな。命令だもの」
「さすがに今度命令無視したら…営巣行きぐらいじゃ済まないだろうな」
「今度命令無視したら、銃殺かもな~」
「…死して屍広う物なし…」
指揮車に乗っていたのは、首都で壁を防衛していた、ディビット、マイケル、クリストファー、ホァン、ケイイチの五人組であった。首都防衛において命令不服従の罪に問われ軍事裁判に掛けられた彼等だが、オペレータに生身での徹底抗戦は無謀な命令だったと判断され、営巣入りとなった。そして営巣から出てすぐに命じられたのが、アルテローゼへの同行であった。ある意味懲罰的な命令であるが、
ちなみに彼らによって簀巻きにされていた中佐殿は、指揮官が不足した事もあり、連邦軍の再編でもっと大きな部隊の指揮官に栄転となった。つまり、現在五人組を指揮する上官はいない状態だった。もちろんそんな馬鹿な状態でアルテローゼに同行を命じられる訳もなく…
「第32武装偵察小隊の皆さん、初めまして。私がアルテローゼのパイロット、レイチェル中尉です。この度の作戦では、皆さんが一緒に戦ってくださると言うことで心強く思っておりますわ。小隊とアルテローゼの部隊ですが、
指揮車のモニターにバストアップで映し出されたレイチェルが、この部隊の指揮をレイフが執ると宣言するのだった。
なぜ、AIであるレイフが部隊の指揮を執るか、それは今の連邦軍に指揮を任せるだけの士官が残っていなかったことが原因であった。軍の再編も終わっていない状況で、有人・人型機動兵器という前代未聞の兵器と、問題児ばかりの小隊の指揮官をやりたいという人物はみつからなかった。
結局、出撃間際になってオッタビオ少将がレイチェルを中尉に野戦任官するという荒技で、部隊の指揮官と決めたのだった。もちろんレイチェルは、「指揮官など務まらない」と断るつもりだったが、レイフが『指揮なら任せておけ』と請け負ったのだった。
連邦軍ではAIは作戦を提示することはあっても、命令を出すことはない。これはAIが人の生死にかかわる判断を下してはいけないという
もちろん、五人組もそう感じて叱るべきだったのだが…。
「(うぁ、金髪ドリルだぜ。初めて見たよ。もしかしてお嬢様ってやつか~)レイチェル中尉殿、ディビット少尉であります。こちらこそよろしくお願いします」
「(うほっ、中佐よりこっちの方が断然いいぜ)同じく、マイケル少尉であります。お願いします~」
「(なんて綺麗な人なんだ)同じく、クリストファー少尉であります。中尉の指揮下に入れて光栄に思います」
「(…踏まれたい)ホァン少尉であります。命令してください」
「かれんだ~」
と、五人組は、AIが指揮を執るというレイチェルの言葉を
『いや、実際に指揮を執るのは儂だぞ。…まあ良いか。儂がアルテローゼのAIのレイフだ。軍の指揮はデータとして十分持っているから、大船に乗ったつもりで指揮は任せてほしい』
レイフは、五人にそう告げたのだが、
「えーっ。レイチェル大尉が指揮を執ってください」x5
とブーイングされるのだった。
『(こ、こいつら役に立つのか?)』
レイフは、軍人としては駄目そうな香りを漂わせる五人に不安を覚える。このままでは指揮を執るのは難しいかと思われたが…。
「そうですね、AIの指揮では不安なのかもしれませんわね。ですが、レイフは優秀なAIです、彼の命令はわたくしからの命令と思って聞いてください」
と、レイチェルがにっこりと微笑むと、
「はーい。わかりましたー」x5
と馬鹿みたいに彼等はうなずくのであった。それで良いのかと、盛大に突っ込みをいれたくなる状況であった。
『(オペレータとしての能力は高いと人事データにはあったが、本当に大丈夫か此奴ら。…まあ、いざとなればアルテローゼの盾になって貰うか)』
レイフは、五人組の評価を最低レベルまで下げるのだった。
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