第36話 ダンジョン運営

 ゴノゴ村の村長イワンは、特産品販売に、大いに乗り気に成ってくれています。

 イワンは優秀な村長でした。


 近辺の村長を召集し、私を交え村長会議が開かれました。

 集まったのは、ゴノイ村の村長、ゴノニ村の村長、ゴノミ村の村長、ゴノシ村の村長其にゴノゴ村の村長、私にチャラ、ヨーサクの8人。

 ゴノゴ村の婦人達に、ココア、コーヒーの作り方を指導、この会議に出された飲み物に、村長達は驚いていました。

「この世に、こんな旨い飲み物が有ったのか!!!」



 発起人のイワンが、5村の代表者、町長を襲名し、計画を進めました。

「我々の村は、住良い村ではあるが、先行きは不安しか無かった、若者は村を捨て街に出て行く、住民は少しずつ減少、近い将来5村の何れかは廃村の憂き目が待っておった、しかしこちらのミア王女様が、我々をお救い下さった!!!特産品構想で!!!」


「特産品の商品は、壷入のココア、コーヒー、それに紙パックの麦焼酎の3品ですが、更に数点増えると予想されます」

「全てこの近くにある、ダンジョンの魔物が落とすアイテムで、無尽蔵の供給が見込まれます」

 現物、大量の品物を、チャラが収納から出して、台に並べました。


 決定事項は、道の拡張に、ダンジョンに入る探索者の組織作り、商品の紹介の為の行商、最終的には村に買いに来て貰えるよう、行商人は宣伝して廻る。


 道路拡張手配は王女権限で、進める。

 探索者、組織作りと育成は、ヨーサクが担当する事に決定。

 宣伝行商は、イワンを始め、村長達自ら行う事になりました。

 5村は農地、狩猟、スクルド湖から流れる川、水の便の関係で、狭い範囲に集中していて、5つに別れる必要が無い位、近い距離に有りました。

 統治者女王指導で、イワンが町長に、残りの4人は区長と決めさせました。


 城下町構想の、第一歩のはずが、100歩も進んで始まりました。

 道路拡張工事は、傭兵の街に有るスラムの住民、孤児、其に孤児院の子供達を、優先的に採用し、働いて貰う事に、不足の人員は、漁村、始まりの町、傭兵の街から募集します。

 原場監督は、孤児院の職員を採用して帰って来た、ゼンがやってくれる事になりました。


 ヨーサクは強さに置いて、一目置かれた存在だった為、組織作りは順調な様子。

 自分の家を提供し、仮の探索者ギルド本部とし、ギルドマスターに就任、探索者の強化育成に勤めてくれてます。


 私達は、サラマンダーの階の、更に奥の調査に向かいました。

 次は難度が飛び上がって、地竜が現れました。

「この地竜LV50あるよ!!チャラ!!!」

 チャラの雷の剣は、良い仕事してくれます。

 地竜は、麻痺してる。ジュリ達が一斉にレイピアを振るいます、私もチャラも繰り返し剣で差し貫き、長い数分の攻撃を繰り返しました。

 危険だから、置いて行くと言われたのが、相当ショックだったようで、子供達の闘争は鬼気迫る物が有りました。


 たった1頭の地竜を倒しただけで、私、LV47に上がりました。

 アイテムは蒸留酒ウヰスキーでした、ビンで無く樽です。

 これは、収納出来る者が同行していないと、持ち帰るのキツイ!!!

 チャラがLV41、ジュリがLV35にクルミはLV34にミミはLV35にそれぞれ、一気に上がっています。

 LV50の地竜、このメンバーでは、キツイかと思われましたが、行けそうです。

 わずか7歳のジュリ達が、凄く戦力に成ってる。

 このダンジョン、(ゴノダンジョンと命名)地竜LV50でも、ラスボスじゃ無い。


 地竜を倒しながら、奥に進みます。

 5頭倒した所で、私はLV50に上がっていました。

 チャラ達は、揃ってLV48に上がっています。


 獣耳ダンジョンのラスボスは、同じLV50のドラゴンでしたが、翼があるので地竜より、強敵でした。

 ゴノダンジョンの、ラスボスは何か気になりますが、メンバー強化してから、今日はこれで終了です。


 LV50に成って、私に、変なスキルが発生していました。

 永住権?って、何?

「チャラ、永住権ってスキルを覚えたけど、永住権って何だと思う?」

「永住権?ミアがミネルバロードの住民に、なるって事だろぅ」

「今までも、住民だったよ?」

「違うだろ!今までは訪問者だっただろ!!」

「ん?永住権って、私がこっち側の人間になるって事?」

「ゲームの住民?現実に戻れる?」


「ミアは思い違いしてるぞ!!!」

「思い違い?」

「ミアが死んで、ミネルバに来られ無くなったら、世界が無くなると思って、怖かったんだろ?」

「うん·····」

「そこが、全くの思い違いだぞ!!」

「?」

「ミアは忙しく活動してて、オリビア達に聞いて無いから勘違いしてるが、俺達がミネルバに来ていない間も、LV上げしたり、美味しい料理の工夫、砦の改造なんかもしているぞ」

「人工知能が、思い込みしてるって事じゃ?」

「お風呂場の脱衣室に棚が出来てた、調理場に食器棚も出来てるぞ!!」

「そう?なの」

「ミアに聞いた最初の頃、トムさんとLV上げに行って一日休み、グラスドッグ狩りしたって言ったな?」

「うん」

「ミアは1日休んで居ないはず、それでもこの世界はミア不在で勝手に1日経っていて、次にミアが来た時は、グラスドッグ狩り当日だっただろ」

「うん、うん!!そうだった!」

「そもそも、彼女達をNPCと思ってる事自体、大間違いだぞ!!!」

「違うの」

「食って寝て排泄する、正真正銘の人体だぞ!!作り物の体は今の俺達の方だ!!」

「えっ!!!」

「俺達は排泄しない、だろ」

「その永住権って、身体ごとミネルバに入るって事だと思う」

「·····身体ごと?」

「永住権だから、身体ごと入って、帰れなくなる、正真正銘住民になるって、事だろうな」

「嫌だぁ!!こんなスキル要らない!!!」

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