第20話 お風呂が出来た

 おっ!ふかふかの藁布団の目覚め、これ、藁を叩いて柔らかくしてるんだね。

「起きたか?チャラ」

「ミアさん、おはよー」

「寝る前、変な事して無いな?」

「寝顔が、あんまり綺麗だから、乳でも揉んでやろうと思ったけど、出来ずに寝てた」

「信じる、って乳揉みしようとしたのか!!!」

「思っただけ」

「思うな!!」「無理!!」

「変な事したら、促縁を切るぞ!!!」

「又チョコパフェ食べて貰いながら、Hしよってお願いする」


「ヤッパリ現実の目覚めで、チャラ男とはお別れ」

「チョコパフェおごるから、考え直して!!」

「やっすい、引き止め方だな!」

「要らない?」「要る!!」


 ガヤガヤ話声が聞こえてきます。

「皆起きてるみたい、行こう」

「おぅ美味い朝飯頼む」

「デミカツ丼3杯食っただろ!!」

「あれは向こうの話、こっちは腹ペコ」

「アバターなのに腹がへるんだ」

「あれ?ミアさんはお腹すかない?」

「不思議とへるんだな、トイレは無用なのに」

「そう言われると、俺も小便もウンチも出して無い」

「不思議だね」



「皆ぁおはよー」

「あっミアおはよー」「「「おはよー」」」

「ミア良い所に来てくれた、朝ごはん何作るか、もめてるの!!」

「迷ったら、定番のポンだよ、それと牛乳無いから簡単スープ」

「ミア、ポンって何だい?」

「そうか、オメガ達は知らないか」

「ノエルが主で、オメガ達は聞きながら手伝う」

「「「は~~い」」」

「私は簡単スープ作るね!!」「ミア任せた!」

「エリス手伝って、チャラ、ロバンナ達ロバに目覚ましのお塩、1摘まみ舐めさせてあげて」「はいミア」「分かった行ってくる」


「エリス17人分のスープ作るよ!」

「この釜戸に乗ってる大鍋に水を満杯手前まで入れて」

「うん、それ位、次は薪に火を着けて」

 玉ねぎ10個櫛切りにして、鍋に入れる。

 じゃがいも10個皮剥、半分にきって5ミリ間隔で切って行く。

 これも鍋に入れ、ワカメを刻む·····ミネルバロードも獣耳も日本産のソフト、皆、海藻類消化出来るよね?「ワカメ入れちゃえ!!」

 お味噌汁だから、味噌は煮込まない。

 薪を取り出して、火を止めてから、味噌を溶く。

「エリス味見して」

「これは初めて見るスープ、味は·····美味しいですが変な香りがします」

「味噌汁って言うんだよ」

「ミソシル?不思議なスープですね」

「食べれそう?」

「はい!美味しいですが、初めての香りが、少し気になります」


「ミア!!ポン出来たよ!!」

「こっちも出来た!!皆カップを持って来て!!」

「エリス、じゃがいも、玉ねぎ、ワカメを1カップにこれ位ずつ注いで!!」

「んーっこれ位??」「うん、其で良い」

「皆並んで!!」

 エリスと二人で注いだから、直ぐに終わります。

「味噌汁のお代わりは、自分でよそって!」

「じゃ食べようか?頂きま~~す」


 卵が無いから、薄いパンで巻いたのか、具を少し濃い目に味付けしてある。

「美味い!!!」


 山盛りのポンと、大鍋満杯の味噌汁が綺麗に無くなった。

「ねぇ!!これからの食事、作る目安として、聞くんだけど食事食べたけど、まだ食べられそうな人、手を上げて」

「5人か、有り難う参考にして、昼食からもう少し多目にします」


「今日の予定ですが、連日のLV上げでした、今日は休養日とします」

「え~~っ」「もう少しLV上げしたい」

「聞いて!!」

「そこに使って無い小屋があるでしょ、お風呂として使いたいと思います」

「お風呂?」「風呂って豪勢だね!」「風呂って、手間の掛かる、超贅沢品」

「魔法使える人が多いから、手間は掛からないよ、皆こっちに来て!」


 何に使って居たか、不明な小屋に入ります。

 部屋の壁の下が、グルリ石作の溝になって居て、床もタイルのような石を敷き詰めています。

「お風呂にうってつけの小屋でしょ!!」

「傭兵の街の雑貨屋で、洗濯用の大タライを買って来て、取り合えず、体が洗える場所にしようと思います」「スノコ、簡易床のような物も有れば買います」

「手の空いてる人、掃除と洗い場用の腰掛け作り、お願いします」

「今夜から、身体が洗えるよう、協力宜しく」

 皆に構想をつたえます。

「ここを脱衣場にします」

「ここに大タライか浴槽を置きます」「ここは腰掛けて身体を洗う所にします」



「チャラ、エリス、ミューにパイ私と一緒に買い物に行こう!」

 大型車で向かいます。

 チャラ、ミューにパイは幌の中に、私とエリスが御者台に乗って走ります。

「巫女は徒歩で行く事になってるそうだけど、私とパーティ組んでる間は我慢してね」

「ミア気にしないで、戒律は変な事が多いの、馬車移動速くて楽なのに」


 気にしなくて大丈夫みたい。


 目星を付けていた、雑貨屋に着きました。

 物色したが、思った程タライは大きくありません。

「これより大きいタライは、無いの?」

「それなら、この先の角の奥、木工所に行って特注したら?」

「特注ですか、しょうがない、行ってみます」


 木工所の親方に話を聞きます。

「親方さん、実は風呂桶になる位、大きいタライを探しているんです」

「丁度良いのがある、此方に来な!」


「親方!これってバスタブじゃない?」

「おう!バスタブだ、作ってみたが「お湯を沸かして入れるのが面倒」って全く売れん」

「買ってくれるなら、500Gで良い」「買った!!!」

「これスノコでしょう?これ5枚と、一番小さいこのオケ5個、全部でいくら?」

「オケが10Gスノコが20Gぜんぶで·····う~~と」「150Gだね」

「嬢ちゃん計算早いな!!バスタブと合わせて·····500Gで良い」

「えっ?バスタブ安いのに、タダは悪いよ」

「ホコリ被ってた苦心の作を、気に入ってくれた嬢ちゃんに、感謝を込めてだ!!」

「有り難う親方!!大切に使うね!!!」

「おう!!嬉しい事言ってくれる!!!お~~い皆集まれ!!馬車に積むぞ!!!」

「嬢ちゃん、これが風呂の栓、内側から差し込む、湯を抜く時は、この棒を当て木槌で叩くと栓が抜けて、湯を抜く事が出来る、抜けて浮いた栓は布で拭いて乾かせて」

「有り難う親方、何か困ったら相談に来るね」「おう!いつでも来い」


 予想外、紛い物じゃ無く、本物を手に入れる事が出来ました。


 バスタブは大型車の荷台にぎりぎり入る大きさ、バスタブの中に藁のクッションを置き小オケを入れ、スノコで押さえました。

 藁のクッションがあるので、キズとか大丈夫でしょう。


 元気が良い雄のロバ君ですが、この重量はちょっときつそう。

 皆には歩いて貰う。

 途中雑貨屋の女将にお礼を言って、帰ります。



「ミアさん!!」「えっ、あっミラさん」

「宝石忘れてるでしょう!!」「えっ?」「倉庫に、置きっぱなしの宝石だよ!!」

「あれ?言って無かった?あれはお礼に、ミラさんにあげた物だよ?」

「イヤだねぇ、あんな100万も200万もするようなお宝、貰え無いよ」

「へっ?あれって、そんなにする物?」

 放置はミラさんに負担をかけます、遠慮するミラさんにネックレスを1つ押し付けて、回収して帰りました。

 ミーシャちゃんは、おばあさんの家に泊まりに行ってて、留守でした。



 大きな風呂桶を、皆で浴室に設置、スノコを並べ小オケを3個2個1個と積み上げる。

「凄く立派な浴室になったね!皆ご苦労様!!」

 早速パイとファイが、火魔法と水魔法を重ね掛けして、お湯を入れてくれてる。


 料理はノエルとエリスに任せて置けば、私より手早く美味しいものを作ってくれる。

 買って来た、お肉に各種野菜を山程渡し、お願いした。



 オメガとお風呂の使い方模索中、入浴中でもサボって居ないよ!!

 オメガに、獣耳ダンジョンの場所を聞いてるの!!

 出来れば明日、何人かと一緒に向かいたいからね。

「お風呂、気持ち良いね」「最高の気分だぁね!!」

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