第10話 盗賊団が襲って来た

 ミネルバロードのミア、このアバター寝惚けるって事が無いんだよね。


 この強盗さん、女ばっかの集団と油断し過ぎだよ。

 ニヤケ顔で、乳揉み揉みしながら起こされても、鼻への頭突きとコメカミへの、グウパンチ位しかお礼出来ないよ!


「剣突き付けて、蹴って起こす位の慎重さが必要よ」


 気絶して聞いてない。

 ミューは?

 辺りをそっと見回す。


 殺しちゃったのね。

 ミューの相手の盗賊さん、首が変な方に曲がってる。

 パイの相手は、ブスブスくすぶって煙りを上げてる、焼き殺したのね。

 で、順番待ちだった、3人の盗賊さんに取り囲まれた状態?


 なるほど、理解出来た!

 半裸のミラさんの隣に、盗賊の親分って感じの男が、ミーシャちゃんにナイフを突き付けてる。

 美人人妻の相手は、やっぱボスか。

「このガキ殺すぞ!!おとなしくしやがれ!!!」

 盗賊のボス、びびり過ぎ、ミーシャちゃん人質にして、逃げる気満々だよ。


「パイ!!雷弱!!!」

 簡単な指示ですが、パイは盗賊ボスに雷を放った。

 LV20を越えたパイは無敵!!!

 ボスは泡を吹きながら、胎児のように丸まった。

「そこの3人の盗賊、武器を棄てて降伏せよ!!!」


 ボスの状態を、呆けて見てた下っぱは、瞬間剣を放り投げた。

 ブーツの革ひもで、順番に後ろ手にして縛る。

 流石美人妻、ミラさんだけが、犯される寸前まで行ってたみたい。


「みんな、無事?怪我とか無い?」

「大丈夫!!ミアも無事みたいだね」

 ミラさんは抵抗して、顔を殴られたみたい、傷薬って存在しないので、丸薬呑んでもらいました。

 丸薬って不味いけど万能だね、ミラさんの顔の怪我まで治ってる。


 ミラさんは、女将ミラLV7HP70、盗賊ボスよりLV上だよ。

 因に、盗賊ボスLV5HP50

 燃えたのが盗賊LV3で、首が曲がって死んだのが、盗賊LV2、後は捕まえたの雑魚ばっかで、皆、LV1


 盗賊の処分に困って、ミラさんに相談しました。

「ミアさん、うちの店に売って貰えば、高価買取りしますよ」

「えーーっ?」

「傭兵奴隷販売所ですよ、私の店」

「そう·····なんだ」


 盗賊の死骸から3000Gと、鋼の剣と鉄の剣、ナイフやブーツを剥ぎ取った。

 衣服は不潔で臭いがキツイので放置。

 雑魚4人は銅の剣、ボスは盗賊の剣を持ってた。

 盗賊のバンダナと一緒で、盗賊が装備すると威力が増す剣で、真っ当な武器屋には売って無いし、買い取ってもらえない。

 ボス含む5人は2万G程しか持って居なかった。


「鼻が潰れて、盗賊らしい顔になったじゃない?お宝何処に隠してる?」

 むっとした顔になり、返事が無い。

 雑魚4人にパイが、スタンガンみたいに、親指と人指し指でバチバチバチってやると。

「盗賊団のアジトにお宝は有ります!!」

「アジトは何処に?何人居る?」

「盗賊名主様と20人居ります、場所は·····」


 一旦傭兵の街に行き、傭兵を5人揃えて盗賊アジトを襲撃、お宝ゲット!!

 そうと決まれば、まだ暗いけど、もう眠れない、傭兵の街に向けて出発!!


 腰縄で盗賊5人にも荷馬車を引っ張らせる。

「盗賊だろ、根性見せろ!!」

「確り踏ん張れ!!」

「嬢ちゃんムチャだ!!」「嬢ちゃんだぁ!!ミア様と呼べ!!!」

「ミア様、小便させてくれぇ」「甘えるな!垂れ流せ」

「ミア様、腹へった飯食わせろ」「水を飲んだだろ?贅沢言うな!!」

「「「「「鬼ぃ!!!」」」」」


 と、言う感じで、明るい内に傭兵の街に到着!!

 ミラさんの案内で、ミラさんの傭兵奴隷販売所に着いた時には、元気なのはロバンナだけ、盗賊達は倒れ込んでいました。

 周囲を、何事かと取り巻く野次馬を掻き分け、熊の様な大男がやって来て、ミラさんとミーシャちゃんを抱き締めています。

(ミラさん趣味悪い、あの美貌だよ、選り取り美取だっただろうに、熊と一緒になるか?)


 熊さん、ミラさんから事情を聞いたみたい、満面の笑顔で、私達を店に案内してくれました。


 商談から。

 心尽くしの食事が用意され、ミーシャちゃんを含む、全員で食事しながらの説明です。

「盗賊ボスが1万G雑魚4が8000Gと言いたいが、娘を助けてくれたお礼を含め2万5000Gで引き取らせて頂きます」

「武器等は盗賊の剣は売れないので申し訳ないが半額6000Gで··········」

 何やかやで、全部で5万Gは悪くない、盗賊含めて7万5000G、感謝を込めて商談成立です。



 食事がおわり、私が傭兵を買い取る話になり、ミラさん同伴で傭兵下見です、ミーシャちゃんは眠ってしまいました、色々あって疲れたのでしょう。


 ゲームでは、何も考えず、一人100Gで最弱の兵士を5人買取り、ゴッドハンドまで鍛えて、マゴン戦に向かいましたが、ダメだ!!傭兵使える気がしない。

 ゴツイおっさんばかりだよ!!

 女性も居るには居るが、アマゾネス揃い、こっちの言うこと聞いてくれそうにない、下手をすると、寝首欠かれて逃走されそう。

 圧倒的に私達の方が強いけど、見た目で侮られ、言うこと聞いてくれないだろう。


「ミラさん、この奥はどう言った傭兵が居るの?」

「この奥は、お勧めしない、魔物混じりが5人?5匹居るだけ」

(魔物混じり?)

「是非見たい!!!」

「ミアさん、唸るだけで言葉が通じ無い、凶暴な獣達でっせ!!!」

「ミアさん、扱いに困ってるし、餌代も掛かる、手懐ける事出来るなら無料で良いよ!!ねぇ貴方」

「おう!!厄介払い出来る!!」


 檻に向かい小声で「熊耳のオメガさん、兎耳のファイさん、虎のシグマさん、狼のニューさん、貴女は狐のシータさん、皆さん助けに来たよ!!!」

 皆さん耳が良い、聞き取れ無い様な呟きでも、確り聞き取ってくれたようす。

 驚き顔の皆に、唇に指をあて「しーっ」黙ってもらいました。


 と、言う事でタダで5人引き取りました。

 少し汚れて居ますが全員、ミューと同じ作務依風の上着に下はスカートを着ています。

 用意していた帽子を全員に被ってもらい、教えて貰った宿に向かいます。

 ロバンナと荷馬車は、ミラさんが預かってくれる事になりました。

「ミアさんって凄い!!あの魔物混じり簡単に手懐けた」

「そうね!!何か睨んだだけで、おとなしくさせた」

 見送るミラさん達の、囁き声が聞こえて来ます。


 宿屋は食事無しの素泊まり、大部屋を100Gで貸し切り、ベッドの無い毛布だけの雑魚寝部屋です。


 ミューとパイに、帽子をとってもらい皆に紹介、不振そうに着いて来た、皆が納得してくれたようです。


「私達は、何をすれば良いんだね?」

「助けて何をさせる気かな??」

「私は隣のミネルバ王国の、最後の生き残り、ミア王女です、皆さんには、反逆者マゴンを討伐する手助けをお願いしたいのです」

「私達を、救い出してくれた恩人の願い事、否はないさね」

「協力するぜ!!!」

「変な所に迷い込んで、する事も無いし、お供しますわ」

「暴れられるなら、文句は言わん」


「皆さんのLV低いので、明日は盗賊退治がてら、ミューやパイ位LV上げて貰います」

「ミューのLVは?」「28よ」「に28!!!」

「あれ?LV27じゃなかった?」

「盗賊倒したら上がってた」

「パイも?」「私は上がらなかった、27のまま」

「無理!!そんなLVには何年も掛かる」

「大丈夫!ミネルバロードの世界はLV上がり易いの」

「「「··········??」」」


「取り合えずゆっくり休んで、私達も昨夜盗賊と戦って殆んど寝むれてないの」

「お休みなさ·····」


「もう寝てる、私達も寝るか」「そうだね」

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