本人の言葉で。『闘病生活を振り返って』

 悪性リンパ腫という大きな病を越え、その後の経過観察とリハビリに勤しみながら、日々を過ごしている息子は、今年の春、無事に小学3年生を迎えることができました。


 新型ウイルス感染症が世界的に猛威をふるっている昨今。進級できたものの学校に行くことができず、家に籠って、学校から出された課題に取り組み、毎日の学習としています。

 その課題の中に、作文がありました。作文の目的としては「人権について考える作文」ということで、「人権とは、人間が人間らしく生きる権利で、生まれながらに持っている権利」とした上で、小学3年生には年齢相応に分かりやすく「命を大切にすること」「みんなと仲良くすること」が人権を守ることにつながる、と説いています。


 息子はこの作文の機会に、自分の体験した闘病について、自分でまとめました。わたしや妻は全く口を挟みませんでした。自分でそのテーマにしたようです。そうして仕上がったものが、非常によくまとめられていたので、ここに残したいと思います。


 こちらへの掲載に際しては、息子本人の同意を得た上で、息子本人がキーボードを打って、掲載にこぎ着けました。8歳という年齢になり、少しずつですが、自らの病を、自らの言葉で語るようになってきた息子が頼もしく、息子がいま、生きている意味を、自分で感じ、模索し始めているようにも感じます。


 『』付表題以下が、息子本人の文章になります。小学3年生の文章なので、漢字変換がなかったり、技術的な部分で読み難さはあるかと思います。ご容赦下さい。




『闘病生活をふりかえって・いのちの大切さ』


 ぼくは、6さいくらいのころ重い病気にかかりました。いしゃの方のおかげでいのちをすくってもらい、そのときから、かんごしさんや、いしゃの方がすごいなとありがたく思っています。

 ある日、足のようすがおかしくなり、きんきゅう入いんしました。自分でも何がおこっているのか分からずに、そこにねていました。いしゃの方は、

「病名はまだ分かりませんが、いのちがきけんです。」

 と、言っていました。そこからちりょう生活がはじまりました。かんごしさんがやさしくたいおうしてくれたので、あんしんしました。でも、自分では、もうしんでしまうんじゃなあないかと思っていましたが、かいふくしてきました。その時は、いしゃの方にかんしゃしかありませんでした。

 そして、ある日ちがう病いんに行きました。そこはリハビリのせんもん病いんでした。その病いんはリハビリはきびしいけれど、とってもたのしいゲームなどもやりました。入いんしていた子と友だちになって楽しかったです。たぶんその友だちがい

なかったらリハビリはがんばれなかったと思います。その後…東京の方のスポーツセンターにかよいはじめました。そこからどんどんアクティブになっていきました。

 これらの闘病生活・リハビリ生活などをふりかえって、まとめて、さいごに思ったことは、いのちを大切にする心がうらやましいと思います。また、病いんで闘病生活をしていた間で学んだこともありました。しんでしまうかのうせいもありましたが、じゅぎょうをしているようにもかんじました。そして、理学りょほう士・作ぎょうりょほう士の先生からは、すごいどりょくもかんじられました。そのようなきずついた人をぜん力で直そうとするそんなやさしい心をもち、思いやりがあるやさしいすごい大人になりたいです。

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よく食べ、よく寝て、よく笑う。 せてぃ @sethy

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