ニコと祐と再会
今私は監禁されている。
だれにかって? やよいにだ。
まあ、監禁と入っても、ご飯やお水はくれるから苦痛ではない。
それから、やよいは単に私のことが好きなだけだということも判明した。
でも。私が一緒にいたいのはたすくであって、やよいではない。
つまり、とても退屈な日々を過ごしていた。
そんなある日。
やよいがどこかへ出かけていった。
これはチャンス。今のうちにたすくの部屋に行ってしまおう。
私はドアの近くへ行き、大きくジャンプをした。一番高い位置に来たら、ドアノブに手をかける。
そうすれば、ほら。簡単にドアが開く。
急いでたすくの部屋の前に行って、同じことを繰り返す。
「ニャ(たすくー。来てやったぞー)」
私を見つけたたすくが、呆けた顔になる。
まったく。頼りがいの無いものだ。
その後たすくと私は遊んだ。
たすくがいわゆる猫じゃらしというものを出してきたからだ。
正直私はそれが本物ではないということが分かっていたから、特にやりたいとは思わなかった。むしろたすくの傍でのんびりしていたかった。
でも、たすくがそれで遊びたそうだったから、一緒に遊んであげた。
やってみれば楽しいものだ。私はすぐに夢中になってしまった。
が、楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。
バアンと部屋のドアが開け放たれ、やよいが登場した。
そしてまたたすくと私について口論を始めた。
「ミャアア(やめて。私のために争わないで!)」
なんてどこかで聞いたことのあるセリフを言ってみたりもしたが、2人には届かなかったようだ。
ほどなくして、その口論は終わりを迎えた。
「そう思わないか、ニコ」
「ニャ(ごめん聞いてなかった。何が)」
「よし。今日はたくさん遊ぶか」
そしてたすくは、まるでかみ合っていない会話を私と少しした後、宣言通りたくさん遊んでくれた。
猫じゃらしの続きをしたり、日向ぼっこをしたり。
私にとって、最高に幸せな時間だ。
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