第33話 お隣のちりめん山椒

あらっ!久しぶりねぇ。元気にしてる?また綺麗になったわねぇ。


え、これ?今日は実山椒が出てたからね、ちりめん山椒を炊こうと思って。


あらあ、もちろんよ!大歓迎。じゃあ、週末に一緒に作りましょ。下処理にひと晩くらいかけた方が辛みが抜けるから、先にやっておくわね。


時間あるの?無理しなくていいのよ。


じゃあ、これ買って行きましょ。枝からむしって水に漬けるだけの作業だけどね、誰かと一緒にやった方が捗るし、お喋りしながらやるの、結構楽しいわよ。今年はうちの子が一人暮らし始めちゃったから、寂しいと思ってたのよ。嬉しいわ。ちょっと散らかってるけど、気にしないでね。






はーい、いらっしゃい!今日はお片付けしたからばっちりよー!


あらま、気を遣ってもらっちゃって、かえって悪いわね。後で頂きましょ。


さ、これがこの間下処理しておいた山椒よ。冷凍しておけば1年は保つから、帰りに半分持って行ってね。ひと掴み分ずつ小分けしておくと、牛と炊いたり、ちょっとしたあしらいに使ったり、何かと便利よ。


じゃあ、作っていきましょう。まず、ちりめんじゃこをから煎りして頂戴。ちりちりになって、香ばしい香りがするくらいまで。火は中火ね。


うん、良い感じ。そしたら、お酒と、薄口醤油、みりんを加えるの。量は、ちりめんじゃこが150gに対して、お酒がカップ1強、みりんがカップ4分の1、薄口醤油は、好みによるけど大さじ2くらいかしら。


そのまま煮汁が半分になるまで煮て。そしたら、実山椒をちりめんじゃこの4分の1くらい。これも好みで調整して大丈夫。あんまり入れすぎると辛いから気をつけて。


そしたら、水分が飛ぶまで弱火で炊くわよ。最後の方は焦げ付いてくるから気をつけて。


はい、できあがり。意外と手軽でしょ?もし塩漬けの山椒で作りたい時は、必ず塩抜きをしてから作ってね。


粗熱を取ったら、密閉容器に移して。こうしておいたら、冷蔵庫で2週間くらいは保つわ。そのまま食べても良いし、油揚げと青菜の炒め煮に入れても美味しいのよ。


お疲れ様。お茶を沸かすから、ちっちゃいおにぎりにして味見しましょ!ああ、お持たせのお菓子も一緒にね。甘いのとしょっぱいのって、交互に食べると止まらなくなるわよねぇ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る