第15話 ジャンピング土下座
「お?起きたか?起きたのか?おーいソラト、起きた!」
ん?なんだ、騒がしいな…。俺…どうして寝てたんだ…?
目をゆっくり開けると目の前に白銀の少女が心配そうにこちらを見ていた。俺が起きたのに気付いたのか満面の笑みになりどこかへパタパタと尻尾を揺らしながら去っていった。
あれ…何処かで……あ!そうだ、コボルトが俺の従魔になって人狼に進化したんだっけ。あ、思い出したくないことも思い出してしまった。
「ほら!早く早く!」
「こら、引っ張るな。自分で歩ける。ソラト殿、具合は如何か?水でも持ってこさせようか?」
「主殿!主殿ーッ!ブルースめが参りましたぞ!丸一日目覚めなかったので心配致しましたぞ。」
少女達を見やる。皆それぞれ違う表情を浮かべている。
丸一日立ってるのか。通りで腹が減った。後で食い物を貰おう。
うーん、我が従魔ながら元気いっぱいだなぁ。
カミツレ、そうカミツレだ。思い出したぞ。
コボルトだったのが三段階進化とかなんとか機械音で頭に響いて人狼に進化したんだ。
隣の金髪の女性はセレナ・クッコローゼさん。名前がインパクト強すぎる。
オークに襲われてたのを助けたんだったな。
あ…思い出してきた……
セレナさん、俺の従魔(?)なんだっけ…どうしてこうなったんだよ…
そして俺の最初の仲間、ブルース。なんかもっと人に近くなってないか?肌も白くなってる。進化…なのか?
はぁ…今起きたばかりだけどもう一度寝たい…いや、無理か。とりあえずセレナさんに話を切り出そう。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
ブルースとカミツレを天幕の外に出して俺はセレナさんと会話を始める。
「セレナさん…俺にも何故こうなったのか分からない…分からないけどなんか…すいませんでしたぁー」
五分後、俺はセレナさんの前に土下座していた。自分でもよく分からないうちにジャンピング土下座をしていた。セレナさんはドン引きしているのか顔が引きつっていた。
「ソ、ソラト殿、これはどういうことだ?私はソラト殿に謝られる様なことをされた覚えがないんだが…」
「とりあえず…セレナさん自身のス、ステータスを見てほしい」
「ステータスだと?良く分からんが良いだろう。……ステータスオープン」
名前 セレナ・クッコローゼ
レベル 91
年齢 22才
職業 騎士 ミンストレイル王国第二騎士団所属 第三分隊長
称号 剣の申し子 不運に愛されし者 行き遅れ系女子
能力
物理攻撃力 2000
物理防御力 2300
魔法攻撃力 1100
魔法防御力 1700
敏捷 1680
運 200
所持 騎士団の鎧 騎士団の剣
主 ソラト・ユウキ《テイム状態》
魔法 土・風
スキル 瞬発 ヒットアンドアウェイ 耐撃 筋力強化 猛攻 料理 鍛練 指揮
耐性 物理 毒 麻痺
セレナさんは自分のステータスをまじまじと見つめている。
はぁ…キレイな人だなぁ…。あ、目を見開いて驚いてる。どんな表情をしててもキレイだなぁ…
思わず見惚れてしまう。
「なっ…!テ、テイム状態だと?ソラト殿!これはどうゆうことだッ!」
「俺はその事を謝りたかったんです、すいません。何でもしますから許して下さいでござる」
ヒィッこ、怖いよぉ…プルプル
けど!
ソラト、負けない!だって男の子だもんっ!
「な、何でもするだと?よ、よし、許そう!その代わり私と……」
顔が真っ赤になりモジモジしだすセレナさん。なんだ?何を言おうとしてるんだ?
「そ…その…。私をセレナと呼び捨てにして……甘い言葉をさ、囁いてくれないか?」
顔を真っ赤にしてセレナさんはそう言った。なーんだ、そんなことか。それくらいお安いご用……え?
「あ…あのセレナさん…結構大事になってるんですけど、それだけで本当に良いんですか?いや、それも良くないんですけど。もっと他にないんですか?」
「あぁ。何ならその煩わしい敬語を辞めてほしい。さらにそ、その言葉責め…というものを体験したい…」
ヤバい…耳まで真っ赤にしてそんな事を言われてしまったら俺も男なのであるからして……。
うん、どうしてこうなった…。
セレナさんはたぶんMだと言うことだけが分かっただけだった。
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