17冊目☆☆★ リサ・クレイパス著「恋の香りは秋風にのって」

 勝手にレーティング:R18


「壁の花」シリーズの2作目で、前作で衝撃的?な出会いをして以降犬猿の仲だったヒーローとヒロインが、突然のキスから急激に意識し合っていくお話…と書くとものすごく私好みなんですが、実際にはかなりストレスが溜まりました。

 今作のヒーローは同著者さんの他作品でも多く登場するウェストクリフ伯爵で、彼は自分にも他人にも厳しくて優秀であるがゆえに傲慢に思われがちで、けれども真面目で誠実な人物です。一方で、ヒロインのリリアンは礼儀も作法もなく頑固で気が強くて正直可愛げがありません。相手の行動をなんでも悪意的に解釈して暴言を吐いて悪態を吐くのでとても不快に感じられてしまって、終盤になるまでかなりストレスを感じました。終盤で他の人の仲介があってやっとヒーローのこと理解しようとしますが、それまでに自分から相手の状況や育ってきた環境などにまったく理解しようと努力しないので全く魅力を感じられませんでした。ヒーローの魅力はとても伝わってくるし好感度もうなぎ登りなのに、ヒロインのほうはマイナスのスタートで最後に普通になったかな、という感じで。ヒーローがヒロインの自由奔放さというか、伯爵夫人には全く向いてないそういうダメな部分が好きだと言っているので終盤のラブラブ展開に違和感はないのですが、ラストの事件もロマンス小説ではお約束の誘拐→救出であっさり片付いてしまうのでちょっと肩透かし感がありました。

 ですが、エピローグはずるい。「ザ・レイヴネルズ」シリーズの1作目のラストもそうですが、次作品のプロローグをそこに持ってくるのはずるい!!すぐに次を読みたくなること間違いなし!

 ということで、もしこの作品を読む場合は、必ずシリーズ3作目である「冬空に舞う堕天使と」を合わせて手元に準備しておきましょう!

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