13冊目☆☆☆ クレア・デラクロワ著「夜は甘く妖しく」

 勝手にレーティング:R18


 大領主様の命令でそれぞれ先祖代々受け継がれてきた領地を継ぐために政略結婚した夫婦のお話。

 ヒーローがとにかく可愛いです。胸毛が生えてるけど。二十年ぶりに故郷に帰ってきて打ち捨てられた領地を見て、それでも感動して喜んで、親友と雪の中ではしゃいで、絶望的な状況なのに前向きに領地を立て直そうと頑張る姿が健気すぎて。おまけにお人好しで正直で義に厚くて美青年ときた。作中での言動も(ちょっと馬鹿っぽい感じはするけど)誠実そうでやっぱり可愛い。ので、ヒロインの刺々しい態度にものすごく胸が痛みました。ヒーローが悲しむと私も哀しくなってしまう、みたいな。ヒーローが夫婦としてうまくやっていけるように歩み寄ろうと頑張っているのにヒロインが頑なにヒーローを批判して撥ね付けて、そのくせヒーローが追ってこないと「やっぱり領地が大事なだけなんだ」って拗ねたりするもんだから中盤までかなりイライラするのですが、終盤でヒーローに対する気持ちを自覚して認めたあとは、これまでの態度はなんだったんだっていうくらい可愛くなってびっくりでした。最後のほうの健気なヒロインを見ていると、それ以前の酷い言動がどうでもよくなってしまうくらい。まさに終わりよければ全て良し!みたいな。

 他に類を見ない魅力のあるヒーローがイチオシの作品だと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る