12冊目☆☆☆ リサ・クレイパス著「ヘレネのはじめての恋」

 勝手にレーティング:R18


「ザ・レイヴネルズ」シリーズの2作目。原題は「Marrying Winterborne」で直訳すると「ウィンターボーンとの結婚」です。物語は、前作「アテナに愛の誓いを」のラストで誤解から義姉達に婚約を解消させられたヘレンが、1週間後にふたたび婚約しようと元婚約者のリース・ウィンターボーンを訪ねるところからはじまります。そういうわけで、前作から続けて読んだほうが絶対に楽しめると思います。

「あ、あの慎み深かったヘレンが、そんな…!」って言いたくなるくらい大胆になったヘレンにびっくり。でも彼女の穏やかさと優しさと慎み深さは健在で、さらに正直さと意志の強さも合わさって、とても魅力的なヒロインになっています。ヒーローのリースも優しくていつもヘレンのことを想ってくれていて、終盤でヘレンの出生に纏わる秘密を前にしたときの揺るぎない愛には「ヒーローの意思が揺るぎないものであることが、こんなにも読み手に安心感を与えてくれるとは…!!」って本当に安心して感動しました。

 TL小説やロマンス小説って故意にしろそうでないにしろヒロインを傷付けるヒーローが多い印象があるので、ここまで一貫してヒロインを守ってくれるヒーローは珍しいのではないかと思いました。

 ヒーローもヒロインも文句なしに魅力的で、控えめに言って最高の作品でした。

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