感想を分析パート3~応用しまくる編~

ここまで、自分の小説に寄せられた感想を分析する前提で話してきました。

ですが他人の小説の感想を分析したっていいわけですよね。


大人気の小説のどこが読者を魅了しているのか?

これは計量テキスト分析を利用すると、非常にわかりやすいです。


特に書籍化されるほどの人気があると、感想の数は100を超えたりします。

それを全部読むのは大変ですし、コンピューターにお任せしちゃおうというわけですね。



というわけでここまでの知識を応用していきます。



応用1:他人の小説の感想を分析する


これは先述のとおりですね。

手順はこれまで紹介したのと同じです。


ただコピペしてくる材料が、他人の小説ってだけです。




応用2:自分と他人の小説の感想を比較する


比較をするなら対応分析!

というわけなので、対応分析をします。


対応分析を行うためには、

エクセルファイルを作るときに、外部変数を設定しておきます。


今回は作者ごとに比較するので、

「作者名」や「作品名」という項目を用意したエクセルファイルを作ります。



素材は、おすすめレビューの方が良いと思います。

おすすめレビューの方が、作品全体の印象を語られる傾向にあります。

長文で書いてある場合もあり、比較するのに有用な情報の量が多いです。


反対に応援コメントは比較に向きません。

短文で書かれることが多く、


・その作品特有の語(キャラ名など)が多くなりがち

・どの作品でも似たような内容になりがち

だからです。



比較したい小説全部のレビューをコピペ。

それぞれどの作者・作品に向けられたのかを記入。


というふうにして、比較用のエクセルファイルを作成します。



エクセルファイルが完成したら、対応分析をします!

ここらへんの手順はもう省いちゃいます。

前回もやりましたからね。


「抽出語×外部変数」の項目で、

「作者名」やら「作品名」やらに設定するだけです。

あとは同じ手順です。




応用3:特徴語でも比較できるよ


応用2で使用しているエクセルファイルをここでも使用します。


「ツール」→「外部変数と見出し」から、

特徴語を見ていく分析を今回はします。


以前、

「各エピソードの特徴を見抜く分析!」

でやった分析方法ですね。


これでも他の小説との比較ができます。


「作者名」なり「作品名」なりの変数を指定して、

その中から、調べたい小説を選択。

そして[▽特徴語]ボタンをクリックですね。


なお単位は「H5」でも「段落」でも「文」でも良い気がします。

まあでも、とりあえずは「H5」が無難ですかね?



応用4:レビューの分析から、コーディングルールを作るよ


まず、前回書いたことを再掲しますね。


~~~~~~~~~~


キャラ名であれば、

小説本文でたくさん登場しているキャラは、

応援コメントでも多く登場する傾向にあると思います。


たとえば第10話にAというキャラがたくさん登場していれば、

第10話への応援コメントにも、Aがたくさん登場する、と。


~~~~~~~~~~


この理屈を応用します。


第〇〇話にAがたくさん出てくる時、

第〇〇話の応援コメントにもAが出てくる傾向にある。


ということは、


第〇〇話の応援コメントにAが出てくるなら、

第〇〇話にAがたくさん出てくる可能性がある。


とも考えられます。


別にキャラ名に限った話ではありません。

作中に出てくるモノやフレーズが、応援コメントに反映されることは良くあります。


これを活用すれば、

応援コメントからコーディングルールを作れます。



たとえば応援コメントに「海」って語があるなら、


*海


とすればいいわけですね。

自分の書いた小説であれば、それに関連する語も思い付くことでしょう。


海であれば、波とか浜とか、そういう語も登場していそうです。

記憶を探ってそれらの語を思い付いたら、


*海

海 or 波 or 浜


と追加すればいいんですね。



このコーディングルールを用いて、小説を分析すれば、

「この小説における海って、どんな効果があるのか?」

がわかってきます。



もちろん、応援コメントに限った話ではありません。

レビューも非常に参考になります。


たとえば「実は恋愛の描写も魅力なんです!」と書かれているのであれば、


「恋」だの「愛」だの「好き」だの、

恋愛と関係ありそうな語を集めて、


*恋愛

恋 or 愛 or 好き


なんていうふうにコーディングルールを作れますよね。



これらでコーディングルールを作ったら、

当然やるのはクロス集計です。


どのエピソードで、海なり恋愛なりが多く登場するのか調べます。


そうすれば、

「読者の印象に残ったのは、どの部分なのか?」

ってことが推測できます。



自分の小説のどこが、読者に刺さったのか!?


それを知れば、

もっともっと魅力的な小説を書けるようになりますよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る