第7話 研究所

辺りはもう既に暗くなってきた。

金チュウチュウに連れられて、動物たちは森から人の街へと入って行った。

人間の街の中を動物達が移動して行く。

公園に入り、茂みの中を進み、人通りの少ない道路を進み、信号のある横断歩道は、信号が青になるのを待って整然と歩いて行った。

やがて前方に鏡で出来たビルが見えてきた。

ビルの上部には、ゴールド生物研究所と書いてある。

何かの研究をしている施設なんだろう。

先頭を行く金チュウチュウは振り向いて言った。

「あれが我々が安心して暮らせる建物じゃ。もうすぐ到着するぞ。」

メラの後ろからメイチが小さな声で言ってくる。

「ねーちゃん、なんか感じ悪くない?」

「知らない場所だから不安になってるだけよ、きっと慣れたら大丈夫。怖くないよ。」

一同はビルに到着し、開いた自動ドアから中に入って行った。

真っ暗な通路を進むと突然、カメラのストロボライトの様な光が激しく点滅した。

「ねーちゃん、眩しいよー!」メイチの声にメラは驚いた。

「メイチ!あんた人間の言葉を喋ってない?」

やがて、激しい光の点滅が収まった途端、部屋中のライトがついた。


周りには白衣を着た人間達がいる。

その中央の人間に向かって、金チュウチュウが話しかけた。

「所長、今日も多くの愚かな動物達を連れて着ました。私のように知能を強化されていない、愚かな奴らばかりなので、きっと有効な実験体として活用できると存じています。」


ザワザワザワザワ、動物達に動揺が走った。

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