第8話 嘘

「快適な場所なんじゃなかったのか!」「食べ物や寝床が保証されているんじゃなかったのか?」「騙したのか!」強い口調でいろんな抗議が飛び出した。

金チュウチュウは、所長の横にささっと移動し、答えた。

「ここで、快適に暮らせるのはワシの様に知能や何かの能力を強化された、強化動物だけじゃ。無能なお前達は、実験の日まで餌と檻を与えてやるんじゃ。感謝しろ!」

みんな騙されていた事に気付いた。

皆、騙された!とか嘘つきとか、言っている。

メイチも「汚いぞ、ヨボヨボネズミ!」と言うと金チュウチュウが睨み返して言った。

「何日生きられるかなんて、話しちゃいない。わしは初めっから命ある限りって言っている!お前らが勝手に勘違いして、人を嘘つき呼ばわりする事は断じて許されん!」


その時、動物達の一番後ろから声がした。

「相変わらずやる事が汚いな。」キツネのキュービだ。

「その金色ネズ公が言うからついて来て見たら、昔から何も変わっちゃいない。」タヌキのガラキだ。


キュービとガラキを見て所長の顔色が変わった。

「チュウチュウ!何という奴らを連れて来たんだ!奴らは昔、この施設で大暴れして、脱走した、最悪強化動物のキュービとガラキだ!お前程度の嘘と騙しの強化されていない奴は役に立たないな!これが終わったらお前の脳の検査だ!」所長は吐き捨てる様に言った。

金チュウチュウの顔が青ざめた。


ガラキが動物達の先頭に出てきて所長に話し始めた。

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