絶念

 タイトは出場選手の特徴を覚え始め、どんどん強くなっていった。そして、ついに帝王・フミオとの対戦の日が訪れた。もう1人の相手は、初めてスタジアムに来た日にも見た、タカユキ。


 ……あのケイタですら瞬殺された相手。




 スタジアムに着くと、あちこちに横断幕の準備がしてあることに気付く。どうやらフミオは通算498勝で、番組表によると今日の2戦目がタイトとのカードのようだ。


 だが、タイトは気付く。2戦目が自分となら、少しは疲労しているのでは? と。


 そこでちょうどフミオの1試合目が終わった。またも圧勝で、場内はフミオコール。


「フミオリーチ! リーチだ! 次もフミオ買うぜ~!」

「フミオ~! 今日決めちまえ~!」


 タイトは初めて来たときと同じ、完全なアウェイ感を覚えていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る