鈴懸 essay

2020年 ８月

スキャンダルの報道

　３カ月ぶりのエッセイです。かといって、何かをため込んで放出する回ではありませんけど。

　相も変わらず、誰かが誰かと不倫をした、とか、未成年と酒を呑んだだのホテルで過ごしただのとスキャンダル報道には暇（いとま）がないですね。

　でも、そういった報道は、みんな“男と女”を扱うものばかりで、どうして、同性同士は報じられないのかなあ、と昔から不思議でした。

　不倫は、“結婚をしているのに”という不義理が大前提で叩く系のニュースになるのかもしれませんが、二股三股だの、二人で密会だの、クズだの下衆だのと言うのであれば、異性間じゃなくてもよかろうに、と思うのです。

　同性同士のお付き合いなんて、芸能界じゃそれ以外の世界よりもお盛んでしょうに、不思議とニュースになりません。かろうじて、記憶があるのは、氷川きよしと松村雄基の仲の報道くらいでしょうか。

　ＬＧＢＴに社会権を…と叫ばれるようになって久しいんですから、そのような方々のとっかえひっかえの下衆交際も報道されても良いのに…ってつくづく思います。

　これでは、男女の交際をしている人たちばかりが集中攻撃を受けて汲々（きゅうきゅう）としていて、ＬＧＢＴの人たちは報道されていないのをいいことに、お前らけしからん的な聖人君子のような表情をしているのがととても違和感を感じます。

　それとも、マスコミ的には、男女の間のプライベートは暴き出しても良くて、同性間の仲は「それは、プライベートだから」とか「差別になるからとか」とでも言うんでしょうか？？

　な～んてこんなことに噛みついている私自体も下衆づいているわけですけどね。

　なんとも、割り切れないんですわ。