③1段落は最大7文章を超えないようにする

 異世界というのは一種の夢である。辛い現実から逃げたいという願望の現れこそが異世界という夢の世界だ。この世界では現実ではありえないものが起こる。

 人間とは違う種族が存在して、剣と魔法があり、ロマンがある。世界を脅かす魔王と、それに対峙する勇者の物語か無双の力を持って、全ての不条理をぶち壊す胸がスッキリするような冒険の物語まで。ほのぼのとした日常物も捨てがたい。

 このように、異世界は夢に満ち溢れている。でも、その夢が叶った瞬間、夢はもう夢ではなくなる。ただのお伽噺感覚で聞いていたその《ロマン》とも呼ばれる要素は、そのまま現実の脅威となる。いや、時には現実よりもっと残酷な状況に陥ることだってあるのだ。


「―――」


 閉じていた瞼を開いて、周りを見渡す。石で出来た明かりのない部屋。目の前には鉄格子―――つまるところ監獄だ。眠る前に自分が着ていた寝間着も相当汚くなっていた。

 なぜこんなことになったのかは分からない。覚えているのは自分の部屋で寝て、起きたときには既に見知らぬ場所であったこと。

 そして、その場で何かしらの取引をしていたガラの悪い連中に捕まり、ここに連れてこられたことだけだ。当然ながら靴も履いてないから足も汚い。


「…状況分析なんかしても、何かが変わるわけではないけどな」


 ため息を吐きながらそれでもと思い、とりあえず倒れていた身を起こし壁を後ろにして座る。鉄格子の外にも壁しか見当たらない。看守のような人も見えなかった。


「誰かいてくれても良かったんだけど…」

『―――うるさい』

「ん?」


 突然聞こえてくるのは女性の声。多分、私の後ろから―――お隣同士かと思う。声からして歳はそんなに多くない。いや、幼く感じる声だった。

 でも誰でも良かった。こんな状況でただ一人でいるのは精神衛生的に宜しくない。というか、私の場合間違いなく悪い方向に考えが進むと断言できる。《とにかく色々話し合おうか》と思い、見えないお隣さんに話しかける。


「ああ、すまない。で、すまないついでに頼みがあるんだが名前を教えてくれないか」

『―――』

「私の名前は…そうだな。アユムとだけ言っておこう」

『―――』

「ふむ、だんまりか。まあ良い、よければ色々話を聞かせてほしいのだが」

『―――だからうるさいと言ったでしょ。何でそんなに元気なの』


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 ③の最大7文章というのはピリオド(。)の数で数えても問題ありません。

 それに、最大とか言ったけど、要は《その段落で語っている主な内容が変わったのなら段落で区切ってあげましょう》ということです。


 基本として、接続詞は段落で分けたほうが良いでしょう。

 特に《だけど》、《しかし》、《でも》、《なぜ》などは段落で区切らざるを得ないと思います。

 前の内容と違う内容が続くと宣言してるようなものですからね。


 これで一番基本として守ってほしい内容は書き終えました。

 最初の例文と見比べても相当見やすくなったはずです。


 ただWeb小説の場合、上記のように段落を一つの文章でまとめるよりも、

 文章を全部段落のごとく分けて、段落先頭を字下げするのが一般的でもあります。

 自分の小説の場合はそれを使ってるのですが…


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 異世界というのは一種の夢である。

 辛い現実から逃げたいという願望の現れこそが異世界という夢の世界だ。

 この世界では現実ではありえないものが起こる。

 人間とは違う種族が存在して、剣と魔法があり、ロマンがある。

 世界を脅かす魔王と、それに対峙する勇者の物語から

 無双の力を持って、全ての不条理をぶち壊す胸がスッキリするような冒険の物語まで。

 ほのぼのとした日常物も捨てがたい。

 このように、異世界は夢に満ち溢れている。

 でも、その夢が叶った瞬間、夢はもう夢ではなくなる。

 ただのお伽噺感覚で聞いていたその《ロマン》とも呼ばれる要素は、そのまま現実の脅威となる。

 いや、時には現実よりもっと残酷な状況に陥ることだってあるのだ。


「―――」


 閉じていた瞼を開いて、周りを見渡す。

 石で出来た明かりのない部屋。目の前には鉄格子―――つまるところ監獄だ。

 眠る前に自分が着ていた寝間着も相当汚くなっていた。

 なぜこんなことになったのかは分からない。

 覚えているのは自分の部屋で寝て、起きたときには既に見知らぬ場所であったこと。

 そして、その場で何かしらの取引をしていたガラの悪い連中に捕まり、ここに連れてこられたことだけだ。

 当然ながら靴も履いてないから足も汚い。


「…状況分析なんかしても、何かが変わるわけではないけどな」


 ため息を吐きながらそれでもと思い、とりあえず倒れていた身を起こし壁を後ろにして座る。

 鉄格子の外にも壁しか見当たらない。看守のような人も見えなかった。


「誰かいてくれても良かったんだけど…」

『―――うるさい』

「ん?」


 突然聞こえてくるのは女性の声。

 多分、私の後ろから―――お隣同士かと思う。

 声からして歳はそんなに多くない。いや、幼く感じる声だった。

 でも誰でも良かった。こんな状況でただ一人でいるのは精神衛生的に宜しくない。

 というか私の場合、間違いなく悪い方向に考えが進むと断言できる。

 《とにかく色々話し合おうか》と思い、見えないお隣さんに話しかける。


「ああ、すまない。で、すまないついでに頼みがあるんだが名前を教えてくれないか」

『―――』

「私の名前は…そうだな。アユムとだけ言っておこう」

『―――』

「ふむ、だんまりか。まあ良い、よければ色々話を聞かせてほしいのだが」

『―――だからうるさいと言ったでしょ。何でそんなに元気なの』


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 こうなる場合、頑張って綺麗に段落を分けたのに、

 こうなると全部段落のように扱うから、文章の切り分けをピリオド+改行にしてしまうと段落と区別が付きません。

 なので、この場合は空の行を入れて段落を区別しましょう。


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 異世界というのは一種の夢である。

 辛い現実から逃げたいという願望の現れこそが異世界という夢の世界だ。

 この世界では現実ではありえないものが起こる。


 人間とは違う種族が存在して、剣と魔法があり、ロマンがある。

 世界を脅かす魔王と、それに対峙する勇者の物語から

 無双の力を持って、全ての不条理をぶち壊す胸がスッキリするような冒険の物語まで。

 ほのぼのとした日常物も捨てがたい。


 このように、異世界は夢に満ち溢れている。

 でも、その夢が叶った瞬間、夢はもう夢ではなくなる。

 ただのお伽噺感覚で聞いていたその《ロマン》とも呼ばれる要素は、そのまま現実の脅威となる。

 いや、時には現実よりもっと残酷な状況に陥ることだってあるのだ。


「―――」


 閉じていた瞼を開いて、周りを見渡す。

 石で出来た明かりのない部屋。目の前には鉄格子―――つまるところ監獄だ。

 眠る前に自分が着ていた寝間着も相当汚くなっていた。


 なぜこんなことになったのかは分からない。

 覚えているのは自分の部屋で寝て、起きたときには既に見知らぬ場所であったこと。

 そして、その場で何かしらの取引をしていたガラの悪い連中に捕まり、ここに連れてこられたことだけだ。

 当然ながら靴も履いてないから足も汚い。


「…状況分析なんかしても、何かが変わるわけではないけどな」


 ため息を吐きながらそれでもと思い、とりあえず倒れていた身を起こし壁を後ろにして座る。

 鉄格子の外にも壁しか見当たらない。看守のような人も見えなかった。


「誰かいてくれても良かったんだけど…」

『―――うるさい』

「ん?」


 突然聞こえてくるのは女性の声。

 多分、私の後ろから―――お隣同士かと思う。

 声からして歳はそんなに多くない。いや、幼く感じる声だった。


 でも誰でも良かった。こんな状況でただ一人でいるのは精神衛生的に宜しくない。

 というか私の場合、間違いなく悪い方向に考えが進むと断言できる。

 《とにかく色々話し合おうか》と思い、見えないお隣さんに話しかける。


「ああ、すまない。で、すまないついでに頼みがあるんだが名前を教えてくれないか」

『―――』

「私の名前は…そうだな。アユムとだけ言っておこう」

『―――』

「ふむ、だんまりか。まあ良い、よければ色々話を聞かせてほしいのだが」

『―――だからうるさいと言ったでしょ。何でそんなに元気なの』


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 こうなります。

 この場合、「空の行が入る」=「内容が変わる・文章のタイプ(ナレーション・思考なのか会話なのか)が変わる」になるのが一番のポイントですね。

 個人的にはこっちが好きです。

 まあ、どちらも長短があるので、こちらは好みの問題になります。

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