②「思考・ナレーション」は段落先頭を字下げする

 異世界というのは一種の夢である。辛い現実から逃げたいという願望の現れこそが異世界という夢の世界だ。この世界では現実ではありえないものが起こる。人間とは違う種族が存在して、剣と魔法があり、ロマンがある。世界を脅かす魔王と、それに対峙する勇者の物語か無双の力を持って、全ての不条理をぶち壊す胸がスッキリするような冒険の物語まで。ほのぼのとした日常物も捨てがたい。このように、異世界は夢に満ち溢れている。でも、その夢が叶った瞬間、夢はもう夢ではなくなる。ただのお伽噺感覚で聞いていたその《ロマン》とも呼ばれる要素は、そのまま現実の脅威となる。いや、時には現実よりもっと残酷な状況に陥ることだってあるのだ。


「―――」


 閉じていた瞼を開いて、周りを見渡す。石で出来た明かりのない部屋。目の前には鉄格子―――つまるところ監獄だ。眠る前に自分が着ていた寝間着も相当汚くなっていた。なぜこんなことになったのかは分からない。覚えているのは自分の部屋で寝て、起きたときには既に見知らぬ場所であったこと。そして、その場で何かしらの取引をしていたガラの悪い連中に捕まり、ここに連れてこられたことだけだ。当然ながら靴も履いてないから足も汚い。


「…状況分析なんかしても、何かが変わるわけではないけどな」


 ため息を吐きながらそれでもと思い、とりあえず倒れていた身を起こし壁を後ろにして座る。鉄格子の外にも壁しか見当たらない。看守のような人も見えなかった。


「誰かいてくれても良かったんだけど…」

『―――うるさい』

「ん?」


 突然聞こえてくるのは女性の声。多分、私の後ろから―――お隣同士かと思う。声からして歳はそんなに多くない。いや、幼く感じる声だった。でも誰でも良かった。こんな状況でただ一人でいるのは精神衛生的に宜しくない。というか私の場合、間違いなく悪い方向に考えが進むと断言できる。《とにかく色々話し合おうか》と思い、見えないお隣さんに話しかける。


「ああ、すまない。で、すまないついでに頼みがあるんだが名前を教えてくれないか」

『―――』

「私の名前は…そうだな。アユムとだけ言っておこう」

『―――』

「ふむ、だんまりか。まあ良い、よければ色々話を聞かせてほしいのだが」

『―――だからうるさいと言ったでしょ。何でそんなに元気なの』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 基本中の基本

 どれくらい基本かと言うと、カクヨム記法という、カクヨムの編集ツールの機能として既に存在しているくらい基本です。

 これを守ってない方もそれとなくいらっしゃいました。


 カクヨムで書かれる場合は、既に機能として存在してるので参考にしてください。

 恐らくメモ帳なので書いて、そのままコピペ―してらっしゃるのではないかと思いますが、たまに字下げされてない文章が混ざってたりもします。


 文章が合わさって、一つの段落となり。

 その段落が合わさって、一つの物語となります。

 そして、この段落というのは基本、それぞれ語りたい内容が違ってきます。

 なので、これに関しては今後、漏れることもないようにしましょう。


 え?何でそんなに基本と言い切ってるのに、これが2番なのかって?

 そう言われるかとも思いました。

 ただ個人的に、《会話》と《思考・ナレーション》の見分けが字下げより大事だと思ったからこの順番になりました。


 字下げは本来、段落と段落を見分けるためのものなので《思考・ナレーション》のみに限られた内容なんですよね。

 なので、こちらはちゃんと文を追っているのなら、そこまで障害にはならないと判断しました。

 この文の目的は正しい文章を書く以前に、読みやすいWeb小説の改行に対しての内容ですからね。

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