第27話 四人で動物園に来ました

「動物よ!わたしはお前たちを見に来た。

そして、刮目かつもくせよ、

わたしの美しさに」


「・・・満足したか高野」


「フッ、満足したぜ」


そう俺達は朝食を食べ終えて高野がせっかく

だから、どこかに遊びに行こうと提案に

俺と高野は考えることにした。


水族館、ショピングモール、京都など

思い付く定番など言いだす。

そして、最終的に決まったのは

東京から出ず東京の動物園と決定した。


三人で出掛けるため準備など話を

していたら、高野が由布のお母さんにも

楽しんでもらえると嬉々として言う。


もちろん三人で行くものだと思って

話をしていたのに、まさか母さんも行くのか

・・・っと複雑になる。


せっかくの休日に一人させていいのだろうか

とわるいし、唯悧も母さんと久し振りの

外出と思うと・・・迷いは完全に晴れた。


(動物園の入り口を通って高野が

変なテンションになっている・・・

お礼は学校とかでいいか)


「お兄ちゃん!」


後ろで母さんと話をしていた唯悧が

走り俺の隣に移動した。スゴく楽しそう

なのが、溢れていて俺も釣られて笑顔に

なってしまうほどに。


「んっ、どうしたんだ唯悧?」


「だって、ママとお兄ちゃんと出掛けるの

本当に懐かしくって嬉しいから」


「唯悧・・・・・」


俺は少し違うかな。

もちろん唯悧と一緒にいる方が一番、

穏やかになれて、喜ばしいことだけど、

母さんに忌避という負の感情をある。


こんな強く避けたいのを知って

俺は自分が嫌いになりそうだ。

しかし、顔に出れば優しい唯悧に悩ませ

苦しむだろうから、決して顔に出ないように気を付けないといけない。


「よし!まずはどこに見に行くかは

の好きなところについていく!」


「あれ、お兄ちゃんわたしが好きな

ところって、言っても山ほどあるけど

高野さんやお兄ちゃんも行きたい

ところがないの?」


俺は唯悧や高野ほどぜひ見たい動物は

いないから、いいけど高野のテンションから

して俺の勝手な判断で好きな動物を

全部、唯悧に決めるのは違うよな。


「ああ、そうだな。俺はペンギンとか

キリンぐらいで見たいかな?

あと、高野と話でもして回るとか」


「えぇーなんかそれだとお兄ちゃんと

話が出来ない見たいだよ!」


唯悧は、俺と会話を出来ないことを不満に

口にしたに少し驚いた。

不満そうにされてこれだけは、譲らないと

目がそう訴える思わせるまっすぐな目。


そんなつもりで、言ったつもりなかったけど

唯悧が俺のことはほっておいて解釈

したのだろうか分からないが、そう言ってくれて嬉しいけどそう言われてると

恥ずかしいものだ。本当に嬉しいけど。


「そ、そうだよな。・・・・・えーと、

みんな一緒に和気藹々わきあいあいとするべきことだからなぁ、うん。」


今度は適当な言葉で俺なりに本音を

言って唯悧も笑顔で頷き納得する。

・・・本当に強情と言うのか

なんというのか。だが慈悲深い天使なのは

疑いのない事実だがなぁ。


「そこのご兄妹。いい雰囲気の所を

わりぃが、ここ全部を見て回る発想は

なかったのかな?」


話の割り込む高野。イヤ、いい雰囲気って

どんな風に見られていたのか訪ねたいが

やめるとして、全部を見て回る発想は

確かに出てこなかったなぁ。

まったく動物園なんていかないから。


「えーと、全部って時間的に大丈夫なのか俺そういうこと分からないけど?」


「大きい所だとそうかもしれないけど、

東京のそこそこな動物園だから大丈夫だよ・・・おそらく」


自信満々に言った後が不安の一抹を感じず

いられないが、全部を回れるだろう。

出来なかったら、別の日にまたは、

来年に来園すればいいだろうし。


「唯悧それでいいかな?」


「うん!高野さんの言う通り全部を回ろう」


「おぉー!!」高野は右腕を天に向け

声高に賛同。


まずは、右の端の下から上に時計回りで

次は中央に近づき逆反対に

回り歩くことを高野と唯悧の俺の三人で

具体的な移動方法を決めたわけだし

右の奥まで移動を前に入口を通って前に

動物がいるから近いこちらから見ようと

隣並ぶ二人と見守っていた母さんは

後ろについていく。


どうして最初なにを見るかなんて

話していないのにっと思案したが

理由は単純。普通に一番近いからだろう。


「レッサーパンダだ。小さくて可愛いよ

お兄ちゃん!」


無邪気な笑みを浮かべる唯悧に来てよかったと、早くも満足する俺は、来たばかりだしゃないかと一人で心でツッコム。


「ああ、可愛い。」


動物は、最後に行ったのが何時だったか

忘れるほど昔だったから、改めて見ると

レッサーパンダ可愛いく、いやされると

唯悧の顔を見て素直な感想した。


「・・・へ・・・・・か、可愛いって

そう真顔で言われると・・・

は、恥ずかしいよ」


唯悧の大きな目をさらに驚き大きくなる。

赤らめ目には、困惑それ以上に喜びが

・・・ち、違うぞこれは。


乙女的な反応しているけど、高野や母さんが

いる前で、妹に可愛いと真顔に言ったことが

恥ずかしいのだろうきっと。

だから、好意を抱いていないはずだ唯悧は。

絶対にそう、絶対にそう――――絶対に。


「おーい、カップルみたいな初々しさを

見せるって、なにかの暗喩メタファーなのかな?」


反対の方から高野の呆れた声に自分が

縛られたような状態だったことに気づく。

実の妹に見惚れていたなんて・・・

視線はレッサーパンダに移る。


よし、話を逸らそう今日の俺はなんだか

おかしいなぁ唯悧に昨日よりもドキドキ

しているなんて。


「知っていたか、ジャイアントパンダの

前に発見したのが、レッサーパンダ。

どちらもパンダことでどう呼ぶか悩んだ結果が大きいパンダことでジャイアントパンダ

と呼ばれて小さいのが、レッサーパンダ

って確かそうだったはず」


ちょっとした豆知識を披露をしようとした

が、失敗した。なにがいうと、

知識が、曖昧で面白味もない言葉。

また、恥ずかしいことをしてしまった。


「ホー、ホーなるほど・・・豆知識か。

知らない情報はよかったけど

できたらもっと欲しい!」


高野が腕を組んで感想を嘘偽りない言葉。


「お兄ちゃんはくしぃき!」


博識を間違えたような気がするけど

それはともかく唯悧も本当にそう

思ってくれたことに嬉しくなる。

もちろん高野も。


「・・・惟信。いい友達を持ったわねぇ」


母さんが俺に友達の高野をいつものやりとりを見て笑顔で言う。

父親から、離婚してどんどん減っていた

笑顔に俺は驚き自分でも瞠目しているのを

自覚して唯悧を見れば、

感嘆符を浮かぶようほど、驚いていた。


「ほらほら、息子よお母さんに

なにか言うことあるじゃないのか?」


高野が肘で答えろよと急かす。

わ、分かっている答えるべきだろ。


「・・・・・高校入学して初めて出来た

友達なんだ」


「そう、なのね」


お互い次の言葉が紡げない。

唯悧は母さんとよく会話をしているから

なのか俺と母さんの会話に口を挟まない

ように斟酌しんしゃくが伝わる。

高野もスムーズにしようと忖度そんたくする。二人の気遣いを無駄にしないため

俺は、母さんの気まずい空気を変えないと。


「母さんその・・・好きな動物いる?」


「好きな動物・・・・・

うーん、猫。動物園にはいないけど」


「そ、そうなんだ」


またも間が持てなくなる。

おかしいな。子供のときはもう少し

饒舌に言っていた気がするのに。

な、ならほかの話を!


「か、母さん夕食は何にする?」


「そ、そうね・・・なんでもいいかしら」


そりゃあ、久しぶりに帰宅して

なかなか会話をしていないのにこの話題は

ダメだったか。


「「・・・・・・」」


三度目におとずれる静謐。

「「ハァー、」」稚拙ちせつな会話を

静観していた高野と唯悧はため息がハモる。

二人は目を合わせると無言の頷きをする。

あれ、意志疎通できるの?

できたら、唯悧と・・・って、だから

実の妹に考えが通じたら妄想はやめろ!!


「それじゃあ、お母さんと相棒いこうか!」


「お兄ちゃん、ママ。早く次を見に行こう」


唯悧と高野が次の移動をしようと

声を掛けている。

高野は唯悧とは仲良くなろうと奔走していた

が、良かったよなんだか。


「次の関係修復は親子か。由布のために

それにお義母かあさんにもっと

気に入ってもらいえばわたしのためになる」


高野がなんか野望を燃やしている。

なんだか、裏がある人になったなぁ。

いや、本来からそうなのかもしれない。

友になっておよそ1年だし

知らない性格の一端とか必然だから

不思議でも偶然とかじゃない。


しかしときどきある。こう感情が高まると

本音を漏らすのがあるクセ。

小声で隠そうともしないほどだから

テンションが本当に高い。


「?・・・・っ!?た、高野さんの言葉は、

ま、まさか・・・・・・・・・・」


唯悧が驚愕し次におののく?

唯悧は、感情とかよく見ているなぁと

感心して二人についていく。

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