第28話 動物園を家族と白い幼女の同級生

右の通路を進行すると猿が見れるエリアを

案内地図を見て早速、向かう。


近づきにつれ猿が住みかはU字型の下。

ここから二~三ぐらいのメートル下の方に

猿の生活空間となっている。

万が一にここまでこないよう周囲の端には

水があり、それに高く飛ばないよう木々も

高くしないようにしているからこそ

脱出しない自信があるから、ガラス越しとか

ではないと安心して見れるわけか。


「見て見て、お兄ちゃん。あのサル

なんだかお兄ちゃんみたいだよ!」


指をさす方へ向けると一人だけ集団から離れているサルに歩みよるサルがいた。

毛繕いけづくろいを始める。

毛を整おうとする相手のためにする猿の

姿を見ていると癒される。

本当にただ、そうしたいだけだから

のも伝わり優しくなれる光景。


「わぁー、サルがサルの毛繕いなんて

ヤバイ!かわいい。スゴく本当に!」

高野は、スマホで写真を撮りはしゃいでいた。なんだか楽しいなぁ。


「相棒よ。少しこっちに!」

「はい?・・・!?」


高野に手で来い来いと振りながら言う。

呼ばれたので来てみると・・・急に左の掌を握られ体を横と横を密着してくる。

ここで、懐かしきのスマホの自撮り棒で

写真を撮り始める。

ああ、急にくっつけて、なにが起きるかって

そわそわしたけど、高野は俺と一緒に

撮るためだったのか。

疑問なのは、なぜここで撮るのか?


「フフ、由布と記念の写真を撮れた。

もっと、もっーーと!撮るよ。うん!」


あの笑顔の高野は、ここまではしゃいで

いる姿をあまり見ていないなぁと、

俺は思った。本当に楽しくなると、語彙力ボキャブラリーが低下して言葉もどうしても、ヘタになる。それが心に自覚があっても、抗おうとか思えない不思議に。

一緒に楽しんでいるのは、笑顔や行動だけでも伝わてくる。


「そうだな。誰かと撮るのは・・・

よし、唯悧も一緒に撮ろう!」


「・・・えっ、わたしと?」


高野とばかり話して思われたのか唯悧は

手すりを両手を置き半眼で俺達を

見ていた。声を掛けた意味を徐々に認識していくようなおもむろに表情が

驚きに変わっていく。


「ああ。唯悧と一緒に・・・だ!

俺は撮りたいけどイヤだった別に構わない」


本当は是か非でも撮りたい!

この眠っている恋を抱く感情もそうだけど

それよりも、大事な妹と思い出を残したいのが一番の本音。


「ううん。わたしも撮りたい、絶対に

撮りたい!」


「そうか、そうだよな。よし撮ろう!」


俺は唯悧に隣に寄ろうとして・・・

どうすればいいのか分からなくなる。

明かに変な話だがどこまで近づけばいいのか

分からないのだ。頭をなでているのに

嫌がられるとかそう頭をよぎるだけで

行動ができなくなっていく。


「・・・い、行くよお兄ちゃん!」


「え?行くってなにを!!」


唯悧はなんと肩と肩をくっつけるのではなく

ハグを腕に抱きつくように密着を・・・

って、えぇぇぇぇぇぇ!!?


「ゆゆゆ、唯悧さん!?」


俺は嬉しさと緊張が上がるのを隠そうとするが、隠しきれずこんな問うことに。


「こ、これは・・・お兄ちゃんが遅すぎるから、わたしが変わりに来たんだよ。

こ、これぐらいしないとお兄ちゃん・・・

離れるでしょう?だ、だから

逃がさないように・・・わ、わたしが

・・・・・・」


な、なるほど納得した。したよ。だから

離れてほしいかな。イヤとかではない、

どちらかと言えば幸せすぎるぐらいだけど

どうすればいいか分からなくなって

思考が巡らないし、鼓動が痛いうるさいで

ほとんど失神寸前。ここまでドキマギ

させらせたことに・・・情けなくなる。


女の子の中では一番に多く唯悧が長く接しているのに・・・一番に可愛いとか

ドキドキさせられ、それをなんとか

避けようとより長く生活すればこの熱意も

冴えると考えていたけど、駄目のようだ。

つまり、俺は・・・・・イヤ、落ち着け!

こ、これは、女の子に密着に慣れていないから、こんな考えが出てしまうのだ。


しかし、実の妹にそんな風に考えた時点で

アウトだけど。唯悧の顔を見てみると

自分の兄にハグを敢行したことに

顔が赤くなっていた。


(きっと、高野や他の人の目が気になる

のに、迷っている俺のために・・・

熊々わざわざ、顔が火が出る思いで

抱きついたのか・・・)


唯悧は、周囲に体裁を捨てるような

行動した。迷わずに。

なら、俺もその努力に励ましに勇気で

返さなければいけないだろう!

なら、なにをすればいい。

どうしたら・・・腕に抱きつくのは恋人の

ようでまだ心臓がうるさいし、

俺がやるべきことは、やはりこれしかない。


「唯悧ありがとう。いつも励まされて

ばかりだけど、いつか・・・」


頭をでるという答えしか思い

つかなかった。妹に遠慮しないでと

勇気を貰っておいてこれだから、情けないよな。唯悧の反応は赤かった顔がみるみる

赤くなっていく。


「お、お兄ちゃん!?・・・いつかって?」


「お礼を・・・だと思うけど、なにか

他にも伝えないといけないような漠然と

した感情があって俺もなにが伝えたいのか

・・・・・わからない。

は、はは!わるぃ、なんだかまた情けない姿を見せてしまったかな?」


「ううん、そんなことないよ!その感情は

きっと、大事でもっと見てほしいって

思う・・・それが言えるまで・・・

わたし、待つから」


唯悧は、この俺の漠然となる霧の奥にある

答えを知っているのか?

尋ねようとしたけど、中断する。

真摯な瞳。熱い想いと言葉。揺るぎない信頼

錯覚さっかくだろうけど

心に響き感じる。その想いを1度しっかり

確認しないといけないだろう。


「ねぇ、高野さん。息子と娘がラブラブ

なのだけど、これは?」


「お母さん・・・多分、恐れていたことに

なっていると思います・・・・由布は

妹さんにデレデレしていますこれは!」


はっ!?しまった。唯悧の行動に忘れていた。高野や母さんがいたことに。

高野したら友達の妹がラブラブを見せられ

母さんからしたら兄妹がイチャつくという

悪夢の光景。は、早くなんとかせねば!

唯悧もおそらく戦々恐々として・・・


「はわわ!!な、なんて大胆なことを!?」


今さらですか!俺が迷っていたから特効薬と

抱きついたことに敢行する選択させて

すみません。だけど、いまそのさらに

抱きつく力を入れられると思考が爆発

するのでやめてーー!!


(・・・なんで、動物を見にきただけで

こんなに疲れたのだろう)


それから、他の動物を見回り地図から

左の上に休むことになる。

レストランのテラス席でため息しても

しかたないだろう。出どころソースは俺。サルを見にきたはずが写真と唯悧に

励ましいのハグ。とくに可愛かった!

唯悧の写真を撮ったころには、周囲は

俺と唯悧に奇異の眼差しだ。


そりゃあ、サルを見に来て何故か

サルが写っているか、わからないうえに

ラブラブで撮っていたり、あの光景を目にして悪目立ちしない方がないのは、重々に

理解している。・・・若さゆえの過ちとか

しか言えないなぁ、うん。


ちょっとした現実逃避をしていると

斜向はすむかいに座る母さんも

疲れたのかため息をする。

サイやゴリラ、サーバルなども

高野が写真をやっと動物を撮ると思いきや

時々、ツーショットを要求される。


唯悧は、はしゃぎ別の所に一人、走って

迷子になり、俺が直感でここにいると

行けば不安そうにキョロキョロと

周りを見ていた唯悧を見つけ声を掛けると

不安だったようで、抱きつかれる。

見つかってよかったと思い手を繋ぎ

高野達の方に戻ると、高野が大袈裟に

驚愕していた。喜んでいたのに手を見て

一変したからこっちが驚いたよ。

さて、そんなわけで疑問が多いこと

発生して、疲れているわけだ。

斜め前に座る母さんは疑いの眼差しで

俺に質問する。


惟信これのぶ。唯悧に少し・・・

過剰な愛情表現じゃないかしら」


「か、過剰いうのは?」


なんとなく分かる。唯悧が勘違いされるほど

の俺に言動が非常に多いこと。

それが、勘違いだと思っているのは俺と

唯悧だけで他はそう見ない。

だって、唯悧が俺なんかに絶対に好きになる

わけがないのにだ。


「ハァー、つまり恋人じゃないかそう

疑っているよ」


「は?そんなわけないだろ。大事な妹なのはそうだけど、時々そう勘違いされるだけ

なんだから。なぁ唯悧!」


隣に座る唯悧は、肩をビクッと震わせ

涙目で自分の母さんに言う。


「・・・・・っー・・・ママ。

わたしは、兄妹でも恋をするのは間違って

いないと思うよ」


・・・・・・・・あれ?唯悧は一体なにを

言ったのだろうか。兄妹でも恋をするのは

間違っていない・・・ええーと、それは

ま、まさかなぁ。


「唯悧それだと、あなたたちは、付き合って

いると言っているものだけど、

その認識でいいのね。それに話が脱線

しているわよ」


母さんのストレートな言葉に唯悧は、

俺になんとかしてと、涙目で頼られる。

仕方ない妹を助けるのが、俺の役目だし。


「母さん。その話は恋人ではないで

好きなのは兄妹としての意味だから安心してほしい。付き合っているとかそんな

じゃないから」


「そう。なら、いいんだけど・・・」


完全に疑いは晴れていない途切れとなったわけだけど、さすがにそう思われるのは

妹の名誉として守らないとなぁ。


「相棒よ、自分の母の前に堅くないかね。

もう少し砕いた会話とかしなくちゃ!」


俺の向かいに座る高野は、明るい笑みを

浮かべながら俺を励ましを言う。


「そうなんだけど、普段、会話がしていないとどうしても・・・」


「うーん、そんなものなのかな?

わたしは知らないけど。」


「高野さんそこまでお気を遣わずとも・・・構いませんよ。せっかくの動物園ですし

私なんかほっておいても」


斟酌しんしゃくする高野に嬉しく

微笑むが、それで自分の楽しさをすり減らすようなことが、嫌で断ろうとする。


「お母さん・・・わたしは、みんなが

楽しく遊ぶのが笑うのが好きなんです。

だから、由布――違った相棒も妹さんも

本当にそれを望んでいないし、

ここまで着くのにお母さんは、どんどん

自分から距離を置こうとしましたと

思います。ですから、次は一緒に騒ぎましょう!出来なくても笑いましょうよ♪」


「高野さん・・・・・・」


高野は恐いとか容姿が幼女とか甘えたがり

だって、多くの人はそう認識するだろう。

現に母さんや唯悧は、高野の真摯でまっすぐ

な真剣な瞳で想いを伝える。

おそらく俺だけは知っている。

自由奔放で言葉も自由すぎる友達だけど、

困っている相手に手を差し伸ばすし

体が勝手に動くのだ。


「って、なにを言っているのだろうわたし

・・・あ、あはは。でも、少し本気だったり

すると想います」


自分の発言に後からになって羞恥が襲い

頬を赤く染めて苦笑する。


「そうだよね。高野さんの言う通りだよ!

ママの事を少し忘れていたかもしれない」     

「唯悧――!」


母さんは最愛の娘の言葉に琴線を触れ

目頭をハンカチで抑える。

唯悧は、そんな母さんの姿に微笑む満面に。


「・・・高野ありがとう」


「いいよ別にそんなことは。

わたしが勝手にしたことだし、由布が気に

することじゃないから」


素直に褒め慣れていないのか、目を逸らし

幼い顔は見れなくなる。

でも、そう言われたって感謝はしている。

また、借りとか出来てしまったなぁ。


昼食を済ませ次の動物を見に回りが再開。

やはり、休日は人が多く基本ボッチ世界に

生きる俺と高野は生気が奪われていた。

高野が突然なにか地図を睨めっこしたと

思いきや、俺の手を握り走って・・・え?


「ゆ、由布。ペンギンが見れるらしいから

いこう、いこう!」


「わ、分かったけど一緒に笑うのが

目的じゃ・・・・・」


「え、なにそれ・・・あっ!

な、なんでそんなことを思い出すのよ!!

バカァ、デリカシーなし」


腕に引かれながらも器用に俺達は唯悧と母さんを置いて走っていく。

ようやくペンギンが限られた空間での住みかに着くと止まる。


「わたし、もう一度ペンギンが見たかったよね!ほら、あの歩き方なんかヤバくない!」


ガラス越しとはいえ確かに癒される。

あのコウテイペンギンを似ているが

小さいサイズは・・・なんだろう?


「あれ、コウテイペンギンかな?」


「ハァー、博識を返上のときかな由布。

似ているけど、少し小さいのが

オウサマペンギン。そして子供がかなり

可愛いんだよ!ほらあの熊のような毛をしたペンギンいるでしょう?」


高野が熱弁をした!?流石にこんな一面は

知らなかった。っで、その茶色のペンギンが

なんだろう別の種類かオスかメスだろうか?


「あれはね・・・オウサマペンギンの

子供なんだよ」


「えっ!そうなの思ったより、大きい」


高野が熱く語っていると唯悧と母さんが

遅れながらやってくる。

唯悧は、高野と俺に不平を言う。


次にキリンの場合では家族で写真を

撮ろうと高野の提案に賛成する。


「ほらほら妹さんお兄ちゃんからチラチラと

視線を向けないでね」


「チラチラなんてしていないよ!」


いや、おもいきりしているよ。真ん中は唯悧で左が母さんで右が俺の配置となった。

そこで、俺が唯悧に少し距離を

なるべくギリギリ写るような距離をするけど

カメラマン(高野)が近づけ遠い!など

何度も指示されその度に目が合うで

チラチラするのも多いで可愛いけど

心臓がわるい・・・ドキドキとかで。


「それじゃあ、シャッター合図とか

なしでいきなりのパシャン!」


早口で悪戯いたずらをする笑みを浮かべ記念の家族写真を撮る。

その画面を見て、なんていうか普通に

良かった。唯悧は、スゴくはしゃいでいた。

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