第25話 夜に妹が俺に訊ねにくる

「・・・本当に家に泊まるなんて・・・」


時間は0時になり、俺は部屋で勉強のため

デスクに座りノート開いている。


高野は唯悧の部屋で寝ることになった。

今ごろはガールズトークか爆睡だろうか

分からないが二人が仲よくなって

くれたらいいと思っている。


高野は最初から唯悧に良好な関係を築こうと

している。だけど、わたしたちの妹さん

とやや小声で恥ずかしそうに独白していた。

・・・もしかして、唯悧の可愛さに

新たなるシスコンを誕生をさせたのか!

一方、唯悧は高野が俺の同級生と聞くや

複雑そうにしていた。


(ダメだ!考えてもハーレムとか

唯悧が俺のことが好きとか非現実的な

答えしかたどり着けない。

まったく、リアルでそんなこと

起きるわけがないのに。起きるのは

ラノベのような運命的な関係とかのはず

・・・・・でもメインヒロイン実妹ばあい

って普通的な兄妹はずだし)


本当こんな自意識過剰だったかな俺って。

すると、ドアをトントンと叩く。

高野が眠れず俺に遊びに来たようだ。


「お兄ちゃん起きてる・・・」


「ゆ、ゆ、唯悧ぃ!」


「・・・・・は、入るよ」


控え目に入ってくる唯悧。いや、いつもは

当たり前のように入るのに、どうしたんだ。


「え、えーと・・・眠れないのか唯悧?」


「う、うん、そうなの!

だから・・・・・」


気づいたけどドアを閉めてから

そのドアの前に立っていて・・・なんだか

唯悧らしくない。天真爛漫で遠慮よりも

俺には甘えるのに。


顔は少し赤くって、うつむき対極的な

反応だった。

それに、両手を胸に抱くのはノート?


「・・・お兄ちゃんその・・・

勉強を教えてくれない!!」


「え?・・・ああそういうことか!

いいよ、もちろん」


唯悧は受験生なのだ。

だから勉強にここに訊ねに来るのは

当然でこの時間帯で遠慮をしていたの

だろう。


「それじゃあ、ここのローテーブルに

座ってやろうか?」


「・・・ありがとう。お兄ちゃん」


・・・あれ?なんだかおかしい。

最近はいる時間が増えたのに距離を感じたり

積極的な言動で部屋にすぐ行ってしまい

狼狽なども増えて謎だった。

まぁ、とりあえず唯悧のため勉強を教える

ことだけ考えないと。


「っで、分からない所は?」


妹の向かいに座り訊ねる。


「数学の所で二次方程式にじほうていしきの解なんだけど」


「それじゃあ、3xエックス、15x、10=0の場合だと、

3がA、15がB、10がCにに変化の説明は

聞き飽きているから説明を変えて――」


15がルートの外、内側の最初に入り

外は+か-が逆転しなど教えていると


「わぁー、分かりやすい。

助かったよお兄ちゃん」


「でも、忘れないようになぁ」


素直に賞賛され釘を打つようや発言する。


「それじゃあ、俺のスマホで使っていた

数学参考書を使ってみよう」


「うん!」


妹はスマホを受け取り問題に集中。

その間、俺はイスに座り分からなかったこと

を書いたノートを復習する。


どうして間違えたか、なんども失敗するか

などをこのノートに書き俺なりの

分析したそれを見るだけ。

しばらくして次は問題集を始めると。


「すぅ・・・すぅ・・・」


振り返ると唯悧は船を漕ぎ眠っていた。

腰を上げ肩を揺さぶる。


「唯悧。寝るなら俺のベッドを使って

いいから移動しよう」


「・・・んっ。・・・・・え!?

ベ、ベッド!!?」


目を大きく開いてかなり驚いていた。

それに顔がリンゴのように赤い。


「あー、もちろん。自分の部屋に戻って

くれた方がいいと思うけど

すぐ近くだから俺のでもって」


本来は好きな相手に俺の部屋で寝られると

ドキドキすると思ったけどなぜか

起きなかった。

もしかしたら、恋慕の感情が薄れてきている

のかもしれない。


「う、うん・・・わかった」


恥じらいながらも肯定する唯悧。

あっ、普通に笑顔を見てドキッとした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る