第24話 料理を夕食を作り始め

俺は、馬鈴薯じゃがいもの中央を

浅く切れ目を入れ一周させる。


「あれ、ピーラーを使わないの?」


傾げる小さな女の子もとい同級生の

高野が尋ねられ俺は視線を変えずに返事。


「ああ、この方がいい・・・せっかく

だから、見てくれ」


「なに、なに?なにが待っているの。

キャーー楽しみだよ由布!」


はしゃがれると余計JSに見えるよな高野は。

そんな考えをしていると、悪寒が走る。

なっ――しまった。


「由布、失礼なこと考えなかった?」


「な、なんのことでありますか?」


「・・・まぁ、いいけど。

それよりも速く見せてもらおうか。

由布の料理スキルとやらを」


危機感は去ってくれたハァー、怖いよ。

さて、今は俺の家のキッチンで高野と

夕食を作っている。


一緒に作るのは、おかしくだろう。

俺だって、おかしいって常々そう考えて

いるんだ。普通に3人でゲーム(スイッチ)で熱狂したら自然に今日ここで

泊まるねぇ・・・そう言われ俺の答えを

振り返る・・・・・


「分かった。・・・・・えっ!いまなんて」


回想終了。

認めたとか、武士に二言はないでしょうと

強く言われてしまいこんな状況になったの

である。・・・いーやー、おかしいよ。


「・・・お兄ちゃん楽しそうだね」


高野の後ろに半眼で面白くなさそうに

しているのは、可愛いすぎる唯悧。


「た、楽しくは・・・少しはあるけど」


特に好奇心で料理を見たり訊かれ答えると

羨望の眼差しや褒められるとつい

熱弁して楽しくなっている。


「お、お兄ちゃん!?」


「へ?・・・そ、そう言われると

照れてしまうよね。あ、あはは」


二者二様な反応する。

でた鍋に馬鈴薯を入れる。


「それじゃあ、説明を再開すると

水洗いと芽を切った後に先やった中央に

一周の切れ目をしたら、この鍋に投入して

柔らかくなるまで、他の事をする。

それじゃあ、味噌汁の具を切ろうか」


「はい、はーい先生、質問です!」


元気よくユーモアを入れる高野は挙手に

指をさす俺。


「なにかね?高野」


「それは、わたしが切るのですか。

前に伝えたと思うけどわたし

普段は料理しないから包丁を持つのが。

いいのかな?」


色々と不安があるのだろう。

笑顔とは裏腹に。

作って不味かったら、失敗したらそう

巡らせて。


「不安は分かる。でもその不安は余計。

誰だって上手くいかないし、

包丁の上達は料理を作っているうちに

誰でもできるんだから」


「そう・・・だよね。うん、由布が言うと

わたしなんだか出来るような

気がしてきた!」


控えめなガッツポーズする高野。

なんだか、俺が助言すると立場が逆転しているなぁ、と思いながらまずは

ニンジンを俺は、先端を切る。


「まずは、ここを切る。はい、高野

その逆の先端も切ってくれ」


まな板から少し離れ高野が恐る恐る

包丁を握る。


「包丁は危険だから決して人には向けないように、自分の手を気を付けて。

・・・にぎるときは、猫の手だぞ」


「う、うん・・・猫の手・・・・・」


猫の手になり、ニンジンを押さえる。


「切るときはゆっくり。勢いがあると

危険だからそこは気を付けて」


「・・・は、はい!」


そして、ニンジンをゆっくり本当に

ゆっくりと切る。


「・・・・・よ、よし。切れたよ由布」


「おめでとう。それじゃあ代わってくれ」


包丁をまな板に置き入れ替える。


「それじゃあ、半分にこう切って

半分になったこれを横に置いて縦に

3から5mmサイズぐらいに切る。

この形は、半月に似ているだろ?

これを半月切りと呼ぶ」


俺の切った半月切りしたニンジンを見て

高野は「おぉー」と驚き

唯悧は、何故か自慢気であった本当に何故?


「そういうわけで、高野こんな風に

切ってくれば。あっ!あと、俺の真似って

あんなに速く切らなくていいから

高野のベースで」


さて、チェンジした高野の切り方を

危うくないか見ないと。


「お、お兄ちゃん・・・・・

わたしにもなにか・・・」


視線を上げたり下げたり赤い頬の姿に。


「・・・・・」


「お兄ちゃん?・・・あっ!

高野さんそれ危ないですよ」


「ありがとう妹さん」


ハッ!そうだった高野の切り方を見守る

使命はあったのについ唯悧を見とれて

しまった。

ニンジンを見ると確かに押さえる手に

包丁を近い。


それに、唯悧が手伝うことはあまり

ないので、どうするか・・・そうだ!


「唯悧ありがとう助かった。

次は気を付けるから唯悧は

勉強をしに行ってくれ。

受験生なんだから」


遊んでいたけど、唯悧は

受験生になったのだ。

気楽な俺達とは違い時間を勉強を回すべき。


「・・・お兄ちゃんわたしを遠ざけようと

思っていない?」


しまった、言葉が悪すぎたか。なら慎重に。


「いや、唯悧は受験生なんだから

俺達に気をつかわないでほしいのが

本音なんだ」


最近の妹とは良関係で伝わるはず。


「・・・・・イチャイチャしないでね

お兄ちゃん」


そう言って唯悧はリビングテーブルに

向け振り返り歩く。


「ああ、しない・・・よ・・・・・えっ?

しないよそんこと!?」


なぜそう発言する言動なんて無かった

はずだが、一体?


「まぁ、いいか。って、手を震えているが

大丈夫か高野!?」


「は、はは、は、はてそんりゃあ

ことなひぁいよ」


顔を見ると沸騰しているように赤く

フツフツと聞こえたように思えた。

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