第23話 マイ ルーム・ラスト・エンド

俺の部屋に移動した。妹は、慣れているので

普通に入った・・・当たり前すぎて

説明不要すぎる。そして高野は初めてなので

本棚とかオタク系のポスターなど

視線を巡らせながらゆっくりと入っる。


「高野・・・らしくないけどぞぉ。

いつもなら、ひゃほーうとか

ここに来たら定番とかなんて言うと思って

いたのに君には残念だよ」


「イ、イヤイヤ!さすがに男子の部屋に

入ってそんな蛮行ばんこうしないから・・・・・んっ?今わたしのイメージを

言ったよねぇ。ねぇ一度、ハッキリしない

かな?わたしの事をどう思っているかを」


高野がニッコリと俺の前に歩いていく。

その歩みは覇道を突き進みその道を妨害した

物には斬る・・・そう漂わせていた。

つまり、殺気が出ていて怖い!?


「高野さん怒ると怖くなるんだ」


唯悧は暢気のんきに分析して

呟くのを聞こえた俺は賢くなったなぁ

など妹の冷静な分析に嬉しくなる。

・・・んっ、分析。高野の激昂するのか

これぐらいで。


「高野その大丈夫か?」


「えっ、大丈夫ってなにがどうしたの急に。

今わたしは怒っているのに

まさかの反撃かな?」


なるほど高野は今日なんだかおかしい。

まず、からかうような寸劇すんげき

は付き合うのが俺と高野の変わった

コミニュケーションである。


怒ってもここまで本気の怒りは放たない

のだ。つまりこれは、演技での怒りを

表している。


俺の考えすぎだと、どうしても思えない。

なので核心的に覚えた俺は尋ねた。

そして、先の反応もさらにあり得ない

反応を示した。


怒りが霧散しているところだ。

怒りという炎は一瞬に消すことはできる

わけがない。現実のように鎮火できるような

簡単な感情ではない。


「高野、勘違いとは思わないけど

もしそうだったら・・・後でお菓子とか

おごる。

事情が言えないなにか

あるだろうから訊かない。

だから、その落ち着こう・・・大事な親友

なんだから」


高野は目を見開き上目遣いで驚いていた。


「あぅ・・・そ、その・・・・・・

えーと、あの・・・ありがとう。

素直に・・・嬉しいです、はい。」


視線を泳ぎほっぺが赤くなりながらも

感謝をする。

まぁ、親友が突然こんな友情の熱い

セリフを言えば俺だってきっと

恥ずかしくなるだろう。


「気にするなよ。俺はいつも高野に助けられているんだから当然のことだ!」


「由布・・・・・」


まだ、顔は赤いが目には熱い視線・・・

あれなんだか友情とかではなく

恋愛感情を感じてしまうのは俺が恋愛小説

を読みすぎたのが原因かな。


「お、お兄ちゃん!」


唯悧が、俺の裾を引いたので振り返ると

・・・眉間にしわを寄せていた

上目遣いで。


「唯悧ど、どうしたんだ。不機嫌そうに

しているけど?」


「・・・だってお兄ちゃん。

高野さんと話ばかりしている」


「え!?」


そ、それだと唯悧がまるで嫉妬しているようで・・・なな、何を考えているんだ俺。

最近、可愛くなって、きたからって

そんなこと考えたらいけない。

俺は唯悧の理想的で頼れる兄なのだから。


「二人とも見つめ合うのは、ほどほどに

しないと禁断の恋がスタートする

かもよ」


「た、高野なにを言っているんだよ。

き、兄妹で恋するわけないだろ。」


なんども俺が自制心で葛藤し続ける感情を

否定している。

唯悧に嫌われたくない。それに優しい

唯悧を迷惑を掛けてしまうのと、

気を使わせることをさせて

悲しませたくない。


「まぁ、そうだね。由布、先の心配していた事だけど、少し考え過ぎだよ。

わたしは、だ、だ、だ・・・男子の部屋に

入るのが初めで緊張したのよ。

でも、勘違いはしないでね。これは

ツンデレとかじゃなく―――」


普通に喋っていたが、饒舌じょうぜつになった。途中からどんどん早口に。


「た、高野わ、分かったから落ち着け。

自分でも考え過ぎて重たい行動をするのは

自分でも自覚しているから。」


「だって、由布もあるでしょう。

友達の家とはいえ、女の子の家に

行くと緊張することが?」


「うーん、よく分からないけど。

好きな女の子の部屋に入ったことはある

からそれに近いのかな?」


・・・・・・あれ?高野と唯悧が

瞠目どうもくしていますが?


「由布それを詳しく語ってもらうよ」


「お兄ちゃん誰なのその人は?」


高野が無表情で強い圧力を放ち

唯悧は好奇心と・・・不安そうにしていた。


「そ、それは言えない・・・」


だって・・・その好きな相手が唯悧と

なれば絶対に言えるわけがない。

再び一緒に生活してから好きになって

しまってから、鼓動が高くなって

苦労したなんて、言えないのだから。


「ほぉー、それなら仕方ないよね。

妹さん知っていた、ここの本棚に

実の兄妹の恋愛小説とかマンガが

多いんだよ?」


な、なにいぃぃぃ!!

高野が自分よりも身長がある唯悧を引いて

本棚に進み視線を巡らすとあった、あった!

と言って指をさす。


「た、高野さん?」


「タイトルが分かりにくいけど

あっ、触るね。ほらほら、内容を見て」


「・・・ふぇ、本当だ」


「これだけじゃないよ。このマンガとか

ほらこれにはキスとか」


「あ、あうぅ・・・」


そ、そうか高野は知っていて当然なのだ。

頻繁に一緒にアニメイトやゲーマーズに

虎の穴に行くのだから必然的に購入した

物も知っていて俺が語ったりしていたのだ。

俺のバカあぁぁぁ!!唯一の友達だからって

ここまで語ったのが終わり。


「・・・まったく恐ろしいよ

親友ながら、義妹じゃなくて

実妹の作品がこんなに多いなんて

選択するのがヤバイぜぇ」


それ、自分でも分かっているから

言わないで!よりによって実の妹の唯悧に

実妹の恋愛マンガや小説を見せられる

なんてお互い威力が高すぎる。


「お、お兄ちゃん・・・実妹が好きなんだ」


「ち、ちがうぞ唯悧それは・・・

たまたまそうなっただけなんだ」


少し嘘だ。唯悧が好きな俺は実妹が

メインヒロインの作品を見て夢想したり

どう接すればいいか学んでいた。

とにかく勢いで購入していたら

こんなにも貯まった。他にも普通のマンガや

ラノベを横に置いたのに。


「やっぱり、お兄ちゃんは実妹が

好きなんだ・・・えへへへへ」


唯悧あまりにも引かせてしまって

哄笑こうしょうをさせてしまったというのか頭がおかしくなるよなぁ。

リアルに実の妹がいるのに

実妹の作品が所々に置いているのは。

さて、どう収拾しよう。

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