第6話 スパイラル曲がり道

放課後、俺はある場所すぐに向かった。

目的の物を無事に購入し

急ぎこの足で自宅の前に着き入ろうと

ドアノブに伸ばそうと―――だが

駄目だった。


握れなかった理由は・・・

嫌われてしまった妹がいると

想像してしまい

侮蔑、嫌悪感などそんな感情を向けられると

恐いのだ。好きな相手に・・・とくに。


俺は高野と正午の屋上で悩みを相談

をした事を想起する。

ホームルームに

大事な相談をしたいと、伝えると何故か

ひどく取り乱し顔は赤くなったのだ。


はうはう・・・なんて、

らしくない反応して一時は不安に

なったが、正午になればいつも通り。


だけど、屋上に着くと落ち着かない

様子の高野。どうしたのか気になったが

とりあえず俺は相談内容を

一部事情を説明する。


唯悧とデート――もとい、久しぶりの

遊びについ失言をしてしまい

嫌われた(推測)説明をしていく内に

平常運転を始めるロリ高校生。


「・・・そんなわけで、どうすれば

元の関係を修復したいんだけど

なにかないかな?」


俺は妹は好きで仕方ないのだけど

常識に考え唯悧の事を考察した結果、

恋心をを捨てた。


だけど、妹と毎日ずっと笑顔で挨拶が

したい・・・せめてそんな

些細な笑い合う日常がしたい。


一人で考え限界を達したら高野を

相談することに決意したのだが、なんだか

不機嫌そうに?なぜだろうか、

ため息したと思いきや

高野は神妙な顔になり、口を開く。


「うーん、由布がシスコンなのは分かっていたけど・・・まさか、妹さんまで

ブラコンとは・・・・・それでは

機嫌を損ねた対処法その1

なかなか買えない物で許してもらうとか?」


「なるほど・・・そうなると

スイーツを買うとして・・・・・

いいお店を教えてくれない?」


「オーケー!最寄もよりの駅前にある

お店なんかが――」


スムーズに話は進んでいく。

この折れないような感情は高野が自信が

溢れた助言と褒められたりしながら

案をやんわり断って一部だけ考え

案と案を出しあった結果

ある折衷案ができた。


「・・・なるほど、ありがとう高野。」


「いいってことよ!」


親指を立て清々しく笑うサムズアップの友に

後でお礼をすると心に決める。

そして頼りになる友に

俺もサムズアップで返す。


「本当に頼りになれるぜ相棒!」


無性にそんな熱い会話に漂い、熱くなり

同じ返しをしたことに高野は目を瞬かせ

ると、クールにやれやれと返す。


「フッ、相棒だから・・・ね♪」


不敵に笑いそう言うが最後は高野らしい

屈託のない幼女の笑顔そのものの相棒。

ただ、見た目が女子小学生なので

悪戯を好きな笑みにも見えなくない。

それはともかく本当に意気投合すること多い

俺と高野は友情の証ハイタッチをする。


「それに、未来のわたしの

義妹でもあるからね。」


そんな頼りになること――を―――ん?

高野はそう力強く爽やかに言っていて・・・

「えっ?未来の・・・妹!?」


「えっ?・・・・・えーと・・・・はっ!?

ち、ちが!それは、その・・・」


「高野、流石に友の妹に義妹になってくれないかな・・・なんて考えるのは

どうかと思うけどな。」


「・・・は?」


相棒の妹に義理の妹になってくれないか

・・・なんて妄想していたことを漏らして

しまったのだろう。唯悧が可愛いのは

世界が認められるほどだがやめてほしい。


高野は顔を赤くなり、取り乱す。

なぜか、理解できないと。

俺はあることを気づいてしまった。


「確かに唯悧の可愛さを語った俺が原因

なのだけど・・・気持ちは分かるが

唯悧だけはやめてほしいんだ。」


前に唯悧が彼氏を勢いで勧めたことが

あったけど、あれはどうかしていた。


いや、普通の兄ならそう言って勧めても

不思議ではないけど・・・あんな発言は

したくない。好きな相手には。


「全然、ちがーーーーーーうぅぅ!!」


「どわぁ!?」


「わたしもシスコンだって思わないで

ほしいよ!シスコンなのは、由布で、

それにどうしたらそんな盛大的に勘違い

するのかな?」


怒り狂われる友に俺は、ただただ謝るしか

なかった。・・・なんだろうこれ?

回想はこれぐらいにしよう。

・・・あのときの義理の妹に妄想なんて

高野がするわけないのに、あのときの俺は

まともな判断能力ができていなかった。

それじゃあ、そろそろ家に入ろう。


(高野から助言どおりに評判のいい

フルーツタルトを買った・・・。)


冷静になろうと深呼吸をし、目を開き

そして、覚悟を決めて俺は

ドアノブを掴むと、ゆっくりと開く。


「ただいま!」


いつもより、されど勘づかれないよう

明るく大きな声で発する。

すると、歓迎されるように居間から玄関に

向かって走り音が響く。

まだ、俺のために迎えるなんて感激した。

最悪、冷たくあしらわれる覚悟をしていたから、この懸念は霧散する。


「なっ!?」


走る足が突然、止まると。

何も音が発しなくなり静寂が響き・・・

そして不安でいっぱいになる。

嫌っているのを思い出してきびすを返したのか

それとも・・・突然の病で倒れて・・・・・


「ゆ、唯悧ゆいりぃぃぃぃぃ!!?」


俺はすぐに靴を脱ぐの忘れ土足で入るが

そんなの知るか!

唯悧が苦しんでいるんだ!

一秒でも・・・イヤ光よりも早く

苦しんでいるなら早く助けないと!

その一心で走る。

ドアを強く開くと・・・

目の前には唯悧がいた。


「お、お兄ちゃん!?」


俺の必死な形相に驚いていた。

・・・どうやら、俺と同じくドアの前で

心の整理をしていた・・・と思われる。

それよりも、今の唯悧の姿がスゴい事に

なっていたのだ!?


犬の動物の着ぐるみ姿でいた。

端的に言おう・・・萌え死にするほど

可愛い!!


「・・・はっ!」


しまった!見惚れてしまった!最高!

杞憂だと分かった所で気を引き締めよう。


「ゆ、唯悧・・・どうしてそんな格好を?」


赤らめながら、もじもじとし始める唯悧。

それと、目をそんなに見ては離れるのは

もしかしてなんて考えてしまうから

やめてほしいけど、やめないでほしい。

そんな相反する感情の混沌でいると、

おずおずと答える。


「今日たまたま可愛いこの犬の動物着ぐる身あって、すぐに買って、帰って、着た。」


早口で噛まずにそう言う唯悧。

もしかして、この格好が恥ずかしいから

玄関に繋がるドアを開かなかったのか。

それと今の発言はいわかんない言うか

なんだか、

前もって考えた返答のように思える。


「そ、そうなのか。

そうだ!たまたま俺もフルーツタルトを

衝動的に買ったから一緒に食べよう。」


オサレな袋を持ち上げ前もって考えた

言葉を言う。


「フ、フルーツタルトやったー!

早く食べようお兄ちゃん。」


いつもの天真爛漫な笑みで裾を引っ張る唯悧

になんだか安心して頬を緩むのを

抑えようとするが駄目だった。


「そんな引っ張らなくても、スイーツは

逃げないから。」


そう優しく本気でとめるつもりのない

言葉だったが・・・引く手を離す。


「ど、どうしたんだ?」


「な、なんでもないよ。

・・・それよりも早く座ろう!」


「・・・・・」


振り返ったその笑顔は、儚さがあって・・・

不安が再び表し始めた。

なにか、不安させることしただろうか・・・


「それよりもお兄ちゃん」


「あ、えーとどうしたんだ唯悧?」


「そろそろ、靴を脱がないといけないよ」


そうだった。指摘するまで気づかなかった。

靴を脱ぎ唯悧についていき、

居間のソファーで

隣り合って座りローテーブルの上に

フルーツタルトを食べる。

テレビは、録画したプリキュアを観ながら。


「ん~おいしい!

お兄ちゃん何かあったの?」


屈託のない笑みを向けそんないつもの

ように親しい声の唯悧。

どうやら、あの曇った顔は勘違いのようだ。

そして唯悧の言葉、

当然の疑問だった。俺が買ってきたことに

質問するのは当然であった。


「えーと・・・」


これには、なんて返すべきか

考えていなかったからなぁ。

はっ!そうだ!いい言葉をひらめいた。


「映画の・・・あの後、失言で傷つかせて

しまったから、元気になってほしくって

買ってきたんだ」


「そうなんだ・・・ありがとう」


嬉しそうに笑って感謝された。

これは、許された上に感謝なんて・・・

ストレートな言葉に心を響きやすいと

本で書いたこと頭の隅にあって実行。

それで喜んでくれたら

俺も嬉しく思う。ただ・・・

疑問が湧くのだ。陰がない笑顔なのに。


「どうもいたしまして。」


だけど、俺は心配されまいと取り繕った

笑顔で答える。

それからは、いつものように談話して

夕食を一緒に食べる。

その後は、自室に入って勉強などして、

お風呂から上がり

自分の部屋の本棚からラノベを取り

ペットに仰向けで読む。


(この巻は実妹が活躍するのか。)


いつものようにラノベを読んでいると

主人公が実妹に一緒に食事したり

ゲームをしたりして、そんなほのぼのな日常

のシーンを読んでいて

俺にも唯悧とこんな風に遊んだりしたい!

強く、強く・・・そうありたいと願う。


読み続けると、やはりサブヒロインの

実妹キャラだからなのか結局、ヒロインの妹

は抱いていた感情は恋心ではない・・・そう

二人は気づき始めた兄妹は、在るべき

関係になる。そして仲良く

笑い合う挿絵さしえのシーンで終わる。


(いい話で面白かった。

そして、主人公と勝手に重ねて読んでいると

実の妹は、守るべき大事な存在で

お互いが助け合い学んでいく。そして兄は

教え導くのが役目なんだ!

薫陶くんとうを受けたような・・・

大袈裟なことだけど、それだけ

学べたような気がする。)


今後の方針とか接し方が定められた。

俺は立ち上がるとラノベを本棚に戻して

暫くペットに仰向けで考え事をする。


(この恋心もきっと、兄妹愛。

つまり、ただの愛情なんだ。

俺は、恋をしているって

勘違いでそう認識しているはずなんだ。)


俺はそう結論し、これからどう

仲直りするかを熟考じゅっこうする。

兄妹としての絆やいつもの日常を

取り戻すために。






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